ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎「ニセモノ師たち」(中島誠之助、講談社文庫)を読んで

2016-02-08 23:15:28 | 本物と偽物
「ニセモノ師たち」(中島誠之助、講談社文庫)を読んで

ニセモノにひっかかる3条件

1 その品物を買ったら儲かると思ったとき
2 勉強不足
3 お金があること
 お金がありすぎると、買い方が甘くなってしまう

この条件から言えば
・もし骨董に手を出せば、私はひっかかる
 私は骨董に手を出すつもりはないが、骨董については勉強不足であるから

・私はひっかからない
 なぜなら、私は極貧ではないけれど、お金持ちではないから
 私は骨董に手を出すほど、お金持ちでなくてよかった
 余計なお金を持っていると、ニセモノをつかまされる
 必要以上にお金を持っていることは不幸である


・本物を見分けるのは、自分の目、信念だけが頼り
この世に掘り出し物などない

いいモノは、しかるべきところにおさまっている

・本物は儲からない、ニセモノを売ったほうが儲かる
 しかし、ニセモノで儲けた人で、人生を見事にまっとうした人はいない

・鑑定書はあてにならない
 鑑定書、箱書きのニセモノもある

目利きは、決まり事を熟知しているから、決まり事どおりのニセモノを作る力も持っている

・当時の姿によみがえらせた作品は、単にニセモノと言い切ってしまっていいのだろうか
ニセモノだけど、芸術作品として評価されたものがある
 ニセモノ作りというよりも、創作活動であるといえる場合がある

・本物に手を入れてしまうことで、キズモノにしてしまうことがある
 形あるものは、尊重されるべきである

半値以下に負けてくれるというのはおかしい
・玄関に虎の毛皮が敷いてあったならばその家にはロクなものはない
・書画掛軸の9割はニセモノ

◎相剥(あいはぎ)

2015-12-28 22:44:49 | 本物と偽物
相剥(あいはぎ)

★相剥(あいはぎ)(「文福茶釜」黒川博行、文春文庫より)

・1枚の紙を上下2層に薄く剥ぐ技術をいう
・墨は紙に染み込むので同じ絵柄が下層にまでうつり込む
・墨画を2枚に剥いだ場合、上側が真本で下側を相剥本という
・相剥本の墨色は真本より薄くなり、細い線の部分はかすれたりする
・しかし、相剥本は贋作ではなく、それなりの価格がつく
 「本物」が2つできてしまうことになる
・朱印は染み込みにくいので、相剥本に印は新たに押さなければならない


★「真贋ものがたり」(三杉隆敏、岩波新書)より少し

・偽作に至るまでには、たいへんな修練、訓練が必要である
・良いものをたくさん見ることが大切
・偽物は偽物と承知した上で、これも多く見ることが必要
・本物の中にも、本当に良い物と不出来の物がある
号数が大きい方が高くなるというのは奇妙なこと
・本物以上に上手にできた偽作もある
古代の遺物の80~90パーセントは盗掘品である