ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎楽しいピアノの作り方 10

2012-10-25 23:25:47 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 10

ピアノの標準ピッチについて

○ピアノの調律では、音の高さの基準に、振動数440Hz442Hzの音叉がよく用いられる

調律の第1ステップは、ピアノの鍵盤の中央のC音(ド)の右側のA音(ラ)をこの基準となる音に合わせることである

(1)国際標準ピッチ A=440Hz
・1939年にロンドンで行われた国際会議で決められたもの

(2)A=442Hz A=443Hz 
・現代のオーケストラでよく使われるピッチ
・日本のオーケストラではA=442Hzがよく使われるが、コンサートホールによっては、これ以外のピッチでも指定できるところもある


◎過去のピッチはどうだったか(例えば昔の「ド」は今の「ド」と同じか?)

○過去のピッチを知る方法としては、当時使用されていた音叉を調べることである

○音叉は、1711年に、イングランドのジョージⅠ世の軍楽隊のトランペット奏者であったジョーン・ショアによって発明された

(3)A=392Hz  ベルサイユピッチ
・17~18世紀のフランスの教会のパイプオルガンのピッチ
・平均的にA=395Hz 前後に調律されていたという
・現代のA=440Hz よりも1全音低い(現代のG=392Hz)

(4)A=415Hz  バロックピッチ
・現代のバロック音楽の演奏でよく使われる(現代のA音より半音低い A♭=415Hz)

(5)A=430Hz  クラシカルピッチ(ウィーンピッチ)

・モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどが活躍した時代は420~430Hz前後がよく使われたという

モーツァルトはA=422Hzの音叉を所有していたという

・モーツァルトが購入し、愛用していたフォルテピアノはワルター製作のもの

(6)A=446Hz カラヤン・チューニング
・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団はカラヤンがいた時代、A=446Hzで演奏していたという

ピアノのソロコンサートを楽しむには、どの席がおすすめか

ピアニストが座っている側の、ステージを見上げるような前列はあまりよい音は聞けない

1階席の中央よりやや後ろの席がよい

自分の耳よりもピアノのほうが下に位置していないと、いい音は聞けない


◎楽しいピアノの作り方 9

2012-10-24 22:34:55 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 9

倍音構造

ピアノの音は多くの部分音(倍音)が重なってできていて、それがピアノの音の豊かさとなる

ひとつの音を弾くときに、同時にいくつもの振動数の音を聞いているのだが、ふつうはそれに気づかず、ひとつの音に聞こえる

・音の高さを決める一番低い振動数の音は基音と呼ばれる

・弦を振動させると、弦を2分割した音(第2倍音 振動数が基音の2倍)、弦を3分割した音(第3倍音 振動数が基音の3倍)、弦を4分割した音(第4倍音 振動数が基音の4倍)……を出す効果を生み出す

・実際は、倍音と言っても、正確に2倍、3倍と整数倍になるのではなくて、この整数倍よりも少しずつ大きくなっている

・弦の長さが長くなるほど、これらの部分音(倍音)の生成は複雑になっていく
 ゆえに、弦の長さが長くなるほどいい音が出る、すなわちピアノは大きければ大きいほど音質がよくなる

○グランドピアノは必ずしもアップライトピアノより優れているわけではないが、小型のグランドピアノを選ぶのは良い選択とは言えない

◎グランドピアノの本領が発揮できるサイズ(鍵盤の手前のふちから鍵盤に直角に最長距離ではかる)は、最低、奥行1.93mはなければならない

奥行1.93m以上のグランドピアノは確実にアップライトピアノより優れている

・奥行1.52m以下のグランドピアノは、良質の音を出すだけの弦の長さがないので、フルサイズのアップライトピアノのほうがずっと良い選択となる


◎楽しいピアノの作り方 8

2012-10-24 22:31:29 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 8


グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ


6 仕上げ

・仕上げ調律
・仕上げ整調 すべてのメカニズムのコンディションを整える
・仕上げ整音 音色や響きのバランスを整える

・傷や汚れがないか、外装のチェック。完成
・梱包

グランドピアノの調律について

12平均律

・現在、グランドピアノの調律は12平均律のシステムで調律されている

ある音の高さが1オクターブ上がると、振動数は2倍になる

1オクターブは12半音分ある

・そこで、12の半音を同じ比率Aで振動数をふやしていき、1オクターブでもとの振動数の2倍になるように比率Aを決める
・隣り合う12の半音はすべて同じ比率Aとなる

・Aとは、12回かけると2になる数すなわち、2の12乗根で約1.05946

・このAは無理数であるから、音高は近似的な等比数列となる

・隣り合う音高の振動数の比が均一な音律を平均律という
分割数が12の平均律を12平均律という

・ほかにも17平均律とか24平均律とか53平均律とかさまざま試みられているが、今のところ12平均律が最もいいという

◎12平均律を用いるのは、調律しなおさずに、いろんな調で弾いたり、転調がある曲を弾くためにはこれよりいい方法がないからである

12平均律で調律したピアノはオクターブ以外は自然の音程から、ほんの少しずつずれているのである

本当はどのキーも均等に調子はずれになっているが、私たちは気づかない

調律師はうなりがまったくない状態からほんの少しだけはずして調整している

私たちは、生まれたときから12平均律の音しか聞いたことがなく、12平均律の音に慣らされているので、12平均律の音が違和感なく正しく聞こえるのである


◎楽しいピアノの作り方 7

2012-10-24 22:26:21 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 7


グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ


5 シーズニング、整調

・ダンパー(音を止める装置)と大屋根を取り付ける

ダンパー

・鍵盤を押していない時は、ダンパーが弦に接触して音が鳴らないようになっている
・鍵盤を押すとダンパーが下がり、弦が開放され振動する

グランドピアノの3つのペダル

○ソフトペダル……左側のペダル
・このペダルを踏むと鍵盤がまるごと右に動き、音色が変化する

ソステヌートペダル……真ん中のペダル
・あるキーを押さえて音が鳴っているときに、このペダルを踏むと、鍵盤から指を離してもその音だけが鳴り続ける

ダンパーペダル……右側のペダル
・このペダルを踏むと、すべての弦がダンパーから開放される
・ペダルを離すか弦の振動が自然に消えるまで、弾いた音が鳴り続ける
ほかの弦と共鳴し、音が混じってしまう

○高音部の約20ほどの音にはダンパーはついていない
・弦が短くて細いので、振動が急速に減衰するため、音を止める必要がない

製作の流れにもどると

・自動打鍵機で、1つのキーにつき300回程度たたく

シーズニング
・出荷先の気候を考慮した、一定の温度・湿度のラックに、約1週間ほど保管して弦やアクションを慣らす工程

・シーズニングされたピアノを再度自動打鍵機にかけなじませる

○第2整調
・音質やタッチに関わる鍵盤とアクションの動きを整える


◎楽しいピアノの作り方 6

2012-10-24 22:23:36 | HKT48 AKB48
◎楽しいピアノの作り方 6


グランドピアノ製作のおおまかな流れは

1 側板(がわいた)・支柱の製作
2 響板の貼込
3 フレームの取付、張弦、調律
4 鍵盤・アクションの取付、調律
5 シーズニング、整調
6 仕上げ

4 の続2

◎クリストフォリのアクションは天才的な発明品で、ピアノのアクションのメカニズムは本質的にはクリストフォリのものから変わっていない

アクションの働き

・キーの小さい下向きの運動を、大きい上向きの運動に変える
・キーを押してから音が聞こえるまでの時間差をほとんどなくする
・キーを離した瞬間に音を止める
・速く連打することを可能にする
・どの音でも、長さ、表現、音量をコントロールできるようにする
・弾いていない音が、不必要に共鳴するのを防ぐ

製作の流れにもどると

・アクションを慣らし、精度を確認するため、自動打鍵機を使って、ひとつの鍵盤につき、数百回打鍵する

・第1整調
 鍵盤の高さと深さが均一になるようレーザーで1鍵 1鍵ミクロン単位で計測する
 0.05~0.6mmの紙を鍵盤の下にはさみこんで微調整する

・第2調律
コンピュータで各弦の音律を正しく合わせていく