チャレンジ

楽しく、自然体で生活しながら、チャレンジし、感じ続ける記録です。

人としての素晴らしい生活への支援

2008-11-02 23:19:26 | 覚えておきたい考え
ドイツのテレビ番組で"Vision Hope International(VHI)"というNGOの活動が紹介されていた。

イエメンの高地(2000m)に住む人々の集落には電気も水道も無い。食事などのために使う水は女性が片道1時間以上かけて山をくだったところにある泉からくみだしている。水汲みは一日一回では終わらず女性の一日の時間は水汲みに費やされている。女性は若いうちに結婚をし、それからは水汲みのために学校にいくことができなくなる。

村には雨季にふった雨をためておく水桶がほられているものの、バクテリアが多く食事には使えない。また衣類の洗濯などにも適切ではないものの、やむを得ずこの水を洗濯に使っている。

VHIの活動は①雨季の雨水をより安全な状態で保てる水桶を村に作り、②浄水器を村の住民が使えるようにし、③水汲みに費やされていた時間を少なくすることで女性が学校で学べるようにすること。

ただ単に生活に使える水を確保できるように援助するということではない。水の確保を通じて女性の役割を変えること、それを女性自身および支配的な立場にある男性が理解し、より快適な人間としての生活環境を築くこと。

このためVHIの活動は集落の指導者と話をすることから始まる。指導者の了解を得られた後に集落の男たちと話をする。その後に女性と話をする。これらを通じて集落の人達の考え方が変わっていく。

VHIが行う援助はこれらの啓蒙活動に加えて次のようなことがある。

1. 雨季の雨水をより安全な状態で保てる水桶作り
水桶を掘るのは村の男たちの仕事。VHIのメンバーは安全な水を確保するために適した場所や水桶の構造を伝える。これに加えて水桶をコンクリートで固めるために材料のコンクリートを提供する。

2. 浄水器を村の住民が使えるようにする
浄水器は2種類あり、大きな浄水器は金属製の樽状のものに集落にある石や砂をつめて、上から注ぐ水をろ過する装置。ろ過のためにフィルターは使わない。その土地で交換可能なものしか使わないようにしている。
小さな浄水器はポリバケツをを組み合わせたもので、大きな浄水器でろ過された水を各過程でより安全な水にかえるためのもの。VHIは安全な水を作るための仕組みを集落の人達が理解し、使えるようにし、そのための簡易な機材の材料を提供する。

3. 水汲みに費やされていた時間を少なくし女性が学校で学べるようにする
女性が学校で学ぶことを女性自身および男性が同意できるようにする啓蒙活動を行うと同時に、集落に学校およびそこで教育が実施されるような仕組みおよび資金的なサポートを行う。

VHIのような活動は世界のいろいろな地域で、その地域にあった形で援助が実施されているのだろうと思う。学校がない地域に学校をたてる資金をただ単に提供し、「学校を建てた」素晴らしい活動をした!といっているような援助団体はないのどろうと思うものの、実態はどうなのかなと少し心配になった。

その地域の実態にあったもの、かつその地域の人達がより自律的に継続的に取り組める仕組みを持ち、結果的にその地域の人間としての生活レベルを上げて将来に希望をつなげる仕組みをもった支援、そんな支援が行われているのなら素晴らしいな。

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