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ヒーメロス通信


詩のプライベートレーベル「以心社」・詩人小林稔の部屋にようこそ。

新刊・評論集「来るべき詩学のために(二)」後記・小林稔

2015年11月14日 | お知らせ

新刊・評論集「来るべき詩学のために(二)のあとがき

小林稔

 

後記

 

本書は昨年刊行した『来るべき詩学のために(一)』に続く書物として出版されるものであり、今後シリーズとして次々と刊行する予定である。内容的には、やがて書かれるべき私の「詩学」の準備であるが、芸術全般はもとより、哲学、政治、宗教と詩の領野は広範囲に及び、なおかつそれらとの独立を明らかにしていこうと目論んでいる。

 評論は、私にとって詩作と相携えて進むべき「生の営み」の両輪であるといえる。自由に精神を羽搏かせるポエジーに理論は枷となるものであるという考えも一方で存在するであろうが、束縛のないところにほんとうの自由もない。かつて井筒俊彦が『意識と本質』の後記で言ったように、「共時的構造化」を創り出すために「全体的統一もなければ、有機的構造性もない」東洋哲学を、「西洋哲学の場合には必要のない、人為的、理論的思惟の創造的原点となり得るような形に展開させ」たのであったが、私たちの詩の領野においても、かつての先人たちの詩作や哲学の思索を自らの詩作行為に継続させることは少なく、むしろ探求するより早くそれらから解き放たれるべく詩作する場合が多い。しかも、立ち去った場所が、西洋思想に示されるような伝統的基盤のない、つまり統一性のない基底であるならば、反抗も自由もない。まして西洋の思想界から自らの思想の限界の提示が私たちに知らされ、東洋思想の智慧が待たれているのである。

 今回の『来るべき詩学のために(二)』は、前回とフィールドが異なり、同時代の詩人たちの詩を論じ、現代詩の源流をさぐろうとするものである。時期的には二〇一一年の東日本大震災を跨ぐことになり、それぞれの論考に爪跡を残している。詩人は文明のもたらす必然から逃亡することなく、精神の自由であるポエジーの獲得(勝利)を目指していかなければならない。錨を解いたばかりのこの舟旅に、未熟な部分も多々あるであろうが、読者のご教示を待つばかりである。

      

       二〇一五年八月二十日

                                  著者識


詩誌「ヒーメロス」31号 発行なる!

2015年10月30日 | お知らせ

詩誌「ヒーメロス」31号 近日発行なる!

 詩篇

   記憶から滑り落ちた四つの断片・異稿

                小林 稔

   三日月

                高橋紀子

   夜想曲

                高橋紀子

   トイという不在

                河江伊久

   クチナシの花

                朝倉宏哉

 エセー

   長期連載エセー『「自己への配慮」と詩人像』(二十三)

     47 来るべき詩への視座

        アルチュール・ランボーにおける詩人像(四)

                小林 稔

 編集後記

 発行所 342-0056

     埼玉見吉川市平沼226-1

     以心社  小林 稔

             


評論集「来るべき詩学のために(二)」小林稔・以心社、第二弾が発売されました。

2015年09月21日 | お知らせ

以心社、第二弾『来るべき詩学のために(二)』小林稔

380ページ・3500円

購入ご希望の方は、コメントに書き込まれるか、直接著者に申し込むことができます。


以心社新刊「来るべき詩学のために(二)

2015年08月04日 | お知らせ

以心社新刊(9月20日発刊予定)

 評論集第二弾

  来(きた)るべき詩学のために(二)

         小林 稔

      テーマ・ポエジーの泡立つところについて。

       付・全国同人誌評2012.2~2013.4

           本文約380ページ 定価3500円

 

3.11東日本大震災は、詩人たちの精神にどのような変革をもたらしつつあるか。直後の同人誌の詩を紹介。科学文明の急速な発展下に置き去りにされた哲学的問題。20世紀最後のピアニストの巨匠ミケランジェリのショパンをめぐる精神の彷徨。ポストモダンを超出するバタイユの思考。新体詩以降のこれからの日本の現代詩を、萩原朔太郎、金子光晴、西脇順三郎、鮎川信夫から辿る。アナロジーとしての哲学と神学は来るべき詩学に何を付与するのかを問う。


詩誌『ヒーメロス』30号発行なる!

2015年07月29日 | お知らせ

詩誌『ヒーメロス』30号が8月1日に発行されます。

 

タペストリー 8 小林稔

砂の海  高橋紀子

七夕の夜の川で  原 葵

その残虐な手で  原 葵

大草原の満天の星  朝倉宏哉

トイという少年  河江伊久

長期連載エセー『自己への配慮と詩人像』(二十二) 小林稔