あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

お正月

2012-01-04 | 日記
新年明けましておめでとうございます。
いつもいつも『あおしろみどりくろ』を読んでいただき、ありがとうございます。
2012年も、ひたすら前向きに進んで行きますので、よろしくお願い致します。

と、硬い文体はこれくらいにして普通に戻る。
自分の言葉じゃないみたいだからね。

2011年は激動の年だった。
地球も激動だし、人間の世界も激動だし、ボク個人の生活も激動だった。
文字通り激しく動くことが激動なのだが、クライストチャーチではまだ地面が激しく動く地震が絶えない。
クリスマス前から始まった地震は活発で、体に感じる地震も時々ある。
ボクは正直な話、地震が好きなのではないかと思う。
子供の頃の思い出だが、風邪で学校を休んで一人で家で寝ていた時に大きな地震があった。
木造の家はわっさわっさと揺れたのだが、頭の上でグラグラ揺れる電灯を見ながら、なぜか気持ち良いと思った。
母のお腹の中に包まれて動いているように、なにか暖かい大きな動きというイメージである。
以来、ボクは地震で怖いと思ったことは一度もない。
いや、これを書いていてはっきりと分かったが、地震を好きなんだと。
地震で困る人がたくさんいるのは重々承知だが、これは個人の感情なので仕方がない。
例えて言うなら台風が来るという時のワクワクする気持ちに似ている。
かといって地震を怖いという人を臆病者扱いする気は毛頭ない。
怖さというものは健全な感情であり、地震が怖いというのはほとんどの人が持つ当たり前の気持ちだろう。
地震 雷 火事 親父、というくらい地震は怖いもののナンバーワンなのだ。
地震が好きだなどと言い出すボクが変わり者なだけだ。
でも地震と同じように雷も好きだし嵐も好きだ。雪崩も好きだし火山の噴火も好きだ。
要は地球の動き全てが好きなのだ。

地球の激動に合わせ人間社会も激動である。
ボクの中では原発の事が一番のニュースだった。
そしてそれは今も続いている。
そしてボク個人も、仕事をやめたり再び働き始めたりと、まあいろいろあった。
そんな激動の2011年が終わって、さて2012年である。
2012年という暦の話はいろいろあるが、2012年もますます激動の年になるとボクは見ている。
日本の地震より大きな出来事は起こるだろう。
こういう事を言うと人は「え?もっと悪いことが起こるの」と心配する。
そうではない。
表面的には悪いことに見えても、地球の動きで大切なことはいくらでもある。
人間の観点だけでしか物を見ないと、地球の胎動は全て災害になってしまう。
意識の変革の時は来ている。
変化というものに恐怖を持たず、全てを受け入れる覚悟を持つ。
それも人類のレベルで。
それが今年だと思う。

さて自分の話を書こう。
クリスマスの日は休みだったもの、年末から年始は忙しく働いていた。
ボクは長いことスキー場で働いていたし、ガイドでもそうだったがお正月は常に働いていた。
それが当たり前だし、そのことで別に不平不満はない。
仕事があることはありがたいことだ。
大晦日も仕事を終えて、次の日の早朝の仕事だったので早々と寝てしまった。
元旦は朝4時にホテルから空港まで送りの仕事があった。
短い時間だがお客さんと仲良くなり、待ち時間にコーヒーをご馳走になった。
ミルフォードトラックを歩いたお客さんでガイドはマサコだったそうで、彼女の仕事ぶりを誉めていた。
マサコは以前ロッジで働いていたが、何年前かガイドになり今やベテランガイドである。
友達がこうやってガイドの現場でしっかりと仕事をしている話を聞くのは嬉しい。
「サザーランドフォールでは滝の裏側へ回りましてね。」
「それは良かった。雨なんか降ったら滝の近くにも寄れないですからね」
「そうなんですか?」
「そうですよ。晴れが続いていてあの水量でしょ?雨が降ったら風圧で吹き飛ばされますよ」
「なるほど」
ボクはもう何年もミルフォードを歩いていないが、お客さんのミルフォードを歩いた話を聞いてボクの魂はミルフォードの山へ飛んだ。



お客さんを無事送り出して、初仕事を終えても朝6時である。
庭で初日の出を拝み、そのまま庭仕事に突入。
このところ忙しくて菜園が大変なことになっている。
ソラマメの最後の収穫。
家でもたくさん食べたが、友人たちにもおすそ分けができるぐらいにたくさん取れた。
ソラマメはどこに持っていっても喜ばれる。
「ソラマメ達よ、今年はたくさん実をつけてくれてありがとう。」
茎を引っこ抜いて、これも土に返そう。
そして秋に植えたニンニクが収穫の時期を迎えた。
ニワトリエリアに侵入しようとする犬に踏まれたが、立派なニンニクの玉をつけてくれた。
50個ぐらいはあるだろうか。1年分のニンニクである。
ニンニクを編みこんでキッチンにぶらさげて使う分をそこから取っていきたい、とは女房の願いだがそれがかなおうとしている。
こうなればいいなという思いはいつも実現する。
起きてきた女房がニンニクの束を見て大喜びだ。
「ニンニクの買い置きがあったっけ?っていう会話がなくなるのね」
その通り、自分が今やるべきことをやっていれば全てがうまくいく。
秋には仕事が無かったのだが、その時せっせと植えたニンニクは大量に実り、僕たちを幸せにしてくれる。
これからの作業はニンニクを干す、その後の編みこみの作業は女房にやってもらおう。



野良仕事で一汗かき、ヒゲと頭を剃りシャワーを浴びる。
その間に女房がお雑煮を作ってくれた。
餅はオノさんのところでついた餅をいただいたもの。
大根も近くの農家からのいただきもの。
人参とシルバービートは庭のもの。
そこに鶏肉をいれ、あっさりと醤油風味のだしの関東風の雑煮である。
そして庭の卵の玉子焼き、漬物。
ご馳走である。
「こうやってニュージーランドでお雑煮を食べれるとは思わなかったな」
初めてニュージーランドに来てから25年が経つが、このような人生になるとは思わなかった。
色々なことがあり、これからも色々あるとは思うが、全てなるようになっていく。
自分はそれら全てを受け入れ、その瞬間ごとを生きるのみ。
こうやってボクは2012年のお正月を過ごした。
今年もますます楽しく、ワクワクするような年になるとボクは信じて疑わない。

全ての民に光あれ。
コメント (3)
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