ラーメン大好き！！東海林 さだお 編

当店のお客様から「ラーメン大好き」という文庫本を頂き、
寝がけに数ページづつ読み、ようやく読み終えました。

ラーメンブームの９５年以降には、こういった類の書籍が
乱発しましたが、８５年にラーメンを経済学や、歴史や、
科学的観点から論文化したり、座談会、店主のインタビュー
などボリューム満点で驚きました。

ただ、ラーメンは日進月歩、発展途上中の食べ物で、特に
９５年のラーメン変革期、９８年のニューウェーブ期、２０００年
のご当人ラーメンブームで、ラーメンは大幅な進化をしました。

だから、このエッセイに書かれている内容の大半は、一昔前の
ラーメンの価値観や常識です。

ただ、書籍として面白く、８０年代のラーメンというのが丁寧に
書かれています。この本を読むと、創業当時から味を変えていな
いような老舗のラーメン屋に行ってみたくなります。

僕が店をやっている唐津市は、２０２０年には３人に１人は、
６５歳以上になります。要するに、この唐津市でずっと商売を
やっていくには中高年層を視野に入れなければ成り立ちません。
斬新、新感覚などは受け入れられない保守的な地域だと思います。

僕が店を始めた当時は、老舗の店に魅力を感じず、正直、時代遅れ
だと感じていましたが、近年は、老舗から得る事の多さを痛感してい
ます。少ないメニューで数十年や、何代も続いているとは凄い事です。
「温故知新」の精神で、都会的や今風ではない、己の個性と地域の趣向
を探求するのがこれからの僕のミッションだと感じています。

この本で古きラーメンの価値観を得れた事は、今後のラーメン作りに
おいてもプラスに働くだろうと思います。