元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

インスタントラーメンの逆襲

2004年12月30日 | ラーメン総合研究所
インスタントラーメンは低価格で、手軽だから全世界
に普及し今や日本でも、年間60億食が消費されている。
 家庭料理で本格ラーメンは手間がかかりすぎるし、鶏がら、
トンコツ類を生肉屋に特注して買う程の人は、ラーメン自家製
マニアぐらいで、一般主婦らはまずやらないと思う。
 だから家庭でラーメンと言うと、インスタントが定番であろう。
 でも、インスタントは万人受けの無難な味付けで、コクに欠け
麺のコシなんて当然無く、ラーメンは店で食べるのが一番美味しく
、インスタントは代用品に他ならなかった。
 しかし、近年のインスタントは本格派志向になり、カップめん
の「千葉の四天王ラーメン」には絶句した。有名店のカップめん化は
コンビニ、食品会社の共同運営で無数に出てきたが、何処も
インスタントの域を越えていなかった。「千葉の四天王ラーメン」
は、福岡一旨いラーメン屋を超えた完成度だった。スープの
コクなんて、本格的なコダワリ店の域であった。
麺もノンフライ麺なのに、生麺に近い食感で、インスタントの進歩
に恐れ入った。
 僕も福岡のラーメン食品会社で働いた経験あり、乾麺、生麺、揚げ麺
の製造にも携わった事ある。そのラーメンは、博多駅、福岡空港、
福岡ドーム、ラーメンスタジアム等の主要土産店で取り扱っていた。
生麺タイプのパックラーメンは、もう本格的でありラーメン屋を
脅かす存在である。有名ラーメン店では自店のパックラーメンをお土産用に
販売している所あるが、本当に同じ味だからビックリする。
 インターネット通販でも、生麺タイプが販売されている。
ストレートスープ、濃縮スープで同じ味なのは理解出来るが、
粉末スープ、ペースト状スープでも、本物と同じなのにはビックリだ。
 先日姉が、下呂温泉に行き、岐阜名物の高山ラーメン生麺タイプを
3種類買ってきてくれた。姉の話では、博多のツアー客中心に
高山ラーメン一番人気店で「マズか~」「やっぱラーメンは博多が
一番たい」とか言い、半分以上残す人が多かったらしい。
姉の友人も一口で食べるのを止めたらしい。
 食う前からそんな話聞き、お土産で貰ったラーメンも期待しなかった。
書かれている製法通り作って食ってみたら、「うううう!うまい」
洗練された完成度で、近隣に同じ味のラーメン屋あったら必ず常連
になるはずだ。3種類共、細めん、ちじれ麺で、酒を混ぜてある
から独特の風味である。スープの完成度は、くじら軒に匹敵する
やさしき味わいなのに、印象的で食後も余韻に浸った。
 成分表には、ポークエキス、チキンエキス、カツオエキス
とか化学調味料の集合体なのに、手間暇かけて作った味が出せて
いる。インスタントの研究者は、綿密に練られた方式、計算、
配合、研究、実験で作っていて、ラーメン屋の職人の勘に
頼る製法と真逆なのに、同じ味わいを出している。
 しかも値段が200円前後だと、価格ではラーメン屋に勝ち目
無い。唯一、香りの強さでは本物のラーメン屋にかなわないが、
味だけで見るなら、インスタント、店の違いは無い。
 業務用スープのラーメン屋は増える一方で、僕は利益最優先
でラーメンをビジネスツールにしか思っていないラーメン屋を
批難している。しかし、業務用スープはインスタント以上に
クオリティーが高いはずだ。業務用スープのラーメン屋がマズイ
のは過去の話で、業務用スープで繁盛店は沢山あり、TV、
雑誌など紹介されている有名店にも、独自調査の結果何件か
分かった。業務用スープは、ゴミ処理代削減、
煮込まなくていいからガス代も大幅削減出来、
材料費もかからない、スープ作りの技術も要らなきゃ、人件費も削減
出来る。経営者から見ればいい事づくめだし、客も工程より
味だから、旨けりゃ沢山来る。
 当店にも業務用スープ会社の営業マンは何度か来て、
「1杯のラーメンスープ30円で出来る。大将、古いですよ
もう何処だってやっていますよ。昔ながら手づくりなんて、
利益出ないですよ。がっちり儲けましょうよ」
とかホザイて、何度も怒鳴り散らしたくなった。
 効率悪くて、経費が沢山かかっても、ウソをお客様に食べさせる
事は出来ない。スープは手をかけて育てないと、お客様に伝わらない
と思う。業務用店は、既存のスタイルのラーメンは超えれない。
流行、時代の後追いスタイルだから、手作り店では1歩先を
行きたい。でも、作り手側の創作意欲で、お客様の理解を超える
程進むと、自己満足に成り商売成り立たない。
 当店みたいに独自の製法をやり通している店なら、業務用の
既存スタイルに負けない自信あります。

ラーメンにおける自家製麺と特注麺

2004年12月28日 | ラーメン総合研究所
ラーメンフリークの方中心に「麺は自家製ですか?」と聞かれ、
正直に「製麺所の特注麺」と答えると、ガッカリした表情される。
 こだわっている店は自家製で、単なるスープ屋止まりは製麺会社
と安易に考えてほしく無い。機械製麺をする為には、水槽、ミキサー、
ローラー、麺切りを購入し、製麺室も作らないといけない。
製麺機導入の為に1000万円以上で導入している所も多い。
麺単価は自家製がコストダウンになるが、設備投資で個店には厳しい
現実ある。大手の製麺所は、ロット数200玉~とかしか特注受けない
らしいが、僕が発注している製麺所は50玉前後で応じてくれる。
 僕も製麺会社で1年働いていたし、麺に関する勉強は相当積みました。
国産ハルユタカや、モンゴル産天然かんすい なんて贅沢は唐津で言えません
が、オーストラリア産プライム・ハード、中国福建省の上質ブレンド粉で
作ってもらっています。人工かんすいは、重合リン酸塩、塩化カリウム、
塩化ナトリウムを水に溶きアルカリ性水溶液になっています。輸入天然かんすいは
不純物の問題上、食品衛生法で規制されていて、なかなか入手出来ない
のが現状です。でも、人工かんすいは、重層臭く繊細なスープを邪魔する
為、当店では控えめにしています。
 当店の麺を卵麺と勘違いされる方が多いですので、黄色い麺の仕組みも
教えます。かんすいのアルカリ性と、小麦粉のフラボノイドの結合により
化学反応で黄色くなるのです。当店では、より昔ながらの麺の雰囲気出す
為着色でクチナシを使用しています。博多麺の白いのは、かんすいを控えてる
パターンと、漂白しているパターンあります。
 かんすいは何故中華麺には必ず入れるかと言うと、粘りが強く成り、中華麺の
プッツリした噛み応えのコシを出し、滑らかで喉越し良くしてくれるのです。
 普通は特注でも粉の配合や、切り歯による麺線ぐらいの物ですが、
当店はローラーにかける圧延も注文しました。一度に麺の太さの帯にするより、
何度にも回数を重ね麺帯にした方が、きめ細かく、コシが強くなるんです。
 麺の加水率も40%以上の多加水麺であり、福島の喜多方ラーメン並です。
喜多方ラーメンの大ファンでもありますから、モチモチした食感を出したかった
のです。九州では博多の影響からか、低加水麺が圧倒的多いですが、
ストレート、細めん、低加水と、早く茹であげる事に重きを置いてる気が
します。博多の並20秒や、バリカタ3秒に比べ、当店はやや待たせます。
普通の堅さでも2分15秒かかります。(アルデンテで、若干シンを残しています)
加水率高い上、中太麺ですから仕方無いです。
 麺の切り歯は、21番ですから約1.5ミリぐらいの麺線だと思います。
そして、唐津では珍しいちぢれ麺なんです。
 粉の配合、圧延回数、天然着色、低かんすい、加水率、切り歯指定、
麺のウエーヴなど、注文の多い客だったと思います。麺には自家製並に妥協
しなく作ってもらいたかったのです。
 単なるスープ屋としてでは無く、麺も当店オリジナルなのです。自家製じゃ
無いからと言って、既存の麺をただ買っているラーメン屋で、同じ麺が他店にも
流通していると思わないで下さい。
 今は設備投資費も人件も不足していて自家製は無理ですが、きちんと発注すれば
自家製並に店主の理想の麺が出来るのです。自家製麺機をよくよく導入するかは、
未定です。何せ大変な作業であり、気温、湿度、天候で製法を変えないと
いけないし、製麺技術は乏しいです。スープ作りより困難極めるのは、目に
見えてます。歴史ある製麺会社の熟練の職人に任せた方が、高品質な物が出来る
と分かっているから大半のラーメン屋は製麺所に任せているのだろう。
 雑誌、TVに出ている名店だって、80%以上は製麺所の麺を使用しています。
製麺所の既存商品を買うのではコダワリに欠けますが、特注麺にしているなら
麺でも充分個性出せると思います。
 今、練りこみ麺も検討中です。麺にかつお節の粉末を練りこみ、麺からかつお
の風味がする、唐津では画期的な麺です。ただ、前代未聞の特注に麺屋は
戸惑っていますので、どうなるかは未定です。

様式美麺れいんぼ~からの、お知らせ

2004年12月20日 | れいんぼ~情報
今年は火曜以外は、31日まで営業します。
来年も当店をヨロシクお願いいたします。
来春は3日から営業再開いたします。
2005年の新春限定ラーメン(1週間程かも・・)
も計画中で、今開発中です。
様式美麺 第4弾として超短期間メニューで
考えています。第3弾の和風ラーメンは、かなり
大好評で、正式メニューに格上げも検討中です。
新春限定 様式美麺は、背脂チャッチャ系で、
極上鶏脂を使用したラーメンになる予定です。
 実は試作品の失敗作で、アイデア変えたんですよ。
初案は、マーユ(ニンニク油)を使用し、摩り下ろしニンニク
使い、揚げニンニクをトッピングした、スタミナ系ラーメン。
これが迎春に相応しい強烈な風味と思いましたが、
試作してみて「誰がこんなニンニクで塗り固められた
ラーメン食うんだ・・・」と我に返りやめました。
味は良かったですが、食後ニンニク臭が口から離れず、
女性、会社員等 毛嫌いするし、あのインパクト味は
高齢者、子供にも向かず、誰も欲しないラーメンですから
ボツにしました。でも、香味油で個性出す面で掘り下げました。
鶏風味強い当店ラーメンに、鶏脂は絶妙バランスですので
通常も鶏皮から抽出していますが、今回は業務食材店で
取り寄せた、最高級の鶏脂(チーユ)を使用します。
正直、数百円の商品では採算合わない高価材料ですが、
お客様への奉仕品として1日5杯~10杯程度で考えて
います。まだ、試作、改良必要ですが、
来春3日から数日限りの、様式美麺にもご期待下さい。
 気が早いですが、様式美麺 第5弾は、海老風味らーめん
予定です。鶏脂は少量しかありませんので、無くなった
翌日から第5弾を始めます。一つの味を守り抜く店も
立派ですが、当店はお客様を飽きさせない為にも、次々新作開発
し、僕自身が新鮮な気持ちで働ける店を目指してます。
「様式美麺の第1弾は何やったと?」とか、
よく質問されますので、店内に様式美麺軌跡と言うパネル
設置しました。かなり汚い板ですが、あの板一面が埋まった
頃にはラーメン職人として成長し、今は暴れ馬に
思えるスープも上手に乗りこなしてると思います。
 ラーメン作りばかり没頭し、経営者としては未熟で
利益を生まない店ですが、お客様の笑顔、言葉、空の
ドンブリがボーナスみたいなもので一番の喜びです。

ラーメン・スタジアムにより開花

2004年12月19日 | ラーメン
僕も九州人であり、トンコツ、トンコツ、トンコツと、
トンコツラーメン以外知らなかったし、興味無かった。
当店の多くの客と同じく、九州のラーメンが日本一旨いと
信じ込み、食わず嫌いだった。
ラーメンスタジアムでも、まずトンコツラーメンに関心が
行き、初食は横浜の六角家に行った。
久留米ラーメン並のコクなのに、しつこさが無い。
一口スープ飲んで、な・・・・なんだ!これは・・・!
人間が作った物とは思えぬ、神技的な完成度。
世の中に、こんな旨い物があるのか!と、興奮した。
トンコツは細めんと、固定概念が有る九州人の度肝抜く太麺。
麺の食べ応えと、スープの壮厳で華麗なる絶妙ハーモニー
により、一瞬にして九州ラーメンより旨い物があると分からされた。
 今はラースタから撤退しているが、宮崎の風来軒。これにも
驚かされた。九州内トンコツでは博多、長浜、久留米が一番と
舐めてかかっていたら、この旨みは福岡や佐賀には無い味だった。
鹿児島、熊本の影響大きい宮崎には、独特のトンコツ文化が
生まれているみたいだ。久留米ラーメン並のコクなのに、
一切臭み無く、極上旨みの極限で、至高の幸福感を味わえる。
 ラースタ開店当初一番人気だったのが、喜多方ラーメンの
坂内食堂だ。長蛇の列に並ぶ気失せるが、それ程のラーメンなのか
と興味が湧いた。鈴木商店に次ぐ、2回目の醤油ラーメン(支那そば)
澄み切った一切の濁り無いスープと、肉厚あるチャーシューの
見た目のキレイさで、行列のイライラ感が吹き飛んだ。
うどん並の太麺と、極上スープは、考えながら食べる余裕を
与えなかった。一心不乱に食べまくり、まだ口の中にある状態で、
次の一口を入れたい衝動に駆られ、一瞬で食べ終えた。
清流の如く、爽やかな澄んだ流れが、激流化し流れ込んだ。
ラーメンの事知り尽くした気分でいた自分を恥じて、
それ以来九州ラーメンの影は吹き飛んでしまった。
今は福岡行っても、食べたくなるのは坂内食堂だ。
 そして僕にとって、衝撃的出会いを果たしたのが、らーめん香月だ。
極上や絶品なんて安っぽい言葉で片付けたら失礼だ。
ここ以上に旨いラーメンは、絶対に存在しないのでは無いか?
と思ってしまう。くじら軒、ちばき屋もそりゃ~最高でした。
でも、香月は最高中の最高、全ラーメンの頂点に感じました。
唯一の100点満点のラーメンだと思います。
文句の付け所なんて一切無く、満足と感謝のみです。
香月こそ様式美麺です。完璧に構築された、一切の隙無い、
徹底したこだわりと、個性を具現化した理想的ラーメンの姿です。
香月により、当店の方向性も醤油ラーメンに決まったのです。
香月と当店が同じレベルに並ぶのは、夢の世界であり、今の
技量では到底無理ですが、高い志を持ちラーメン作るだけです。
香月の店主は、佐賀県出身の元タクシードライバーらしいです。
佐賀県が唯一全国に誇れる偉大なる人物です。
同郷の僕も、香月を超えたり、並べなくとも、近い完成度まで
高めたいです。まだまだ課題多いですが、今に見てろよ!
唐津人がビックリするラーメンを作ってやるぞ!と野望はあります。
れいんぼ~旋風が吹き荒れる日は、いつの事になるやら・・。
例えば香月が東大大学院の教授レベルなら、当店はまだまだ
幼稚園児レベルですから果てしなく遠い夢ですは・・。
沢山のラーメン屋の感動を味わい、当店は開業いたしました。
旨い!を超えた、感動、興奮、衝撃を与える店を目指します。

本当に旨い福岡ラーメン

2004年12月18日 | ラーメン
今はラーメン屋店主ですが、かつてはラーメンフリーク
でした。1日5,6件のラーメン屋巡りなんてザラで、
2日ラーメン食べて無い日があると、イライラし、
まさしくラーメン中毒、ラーメン狂いだったです。
休日は熊本や、長崎、久留米、北九州、佐賀、唐津
等も食べ歩いていました。今は店休日に1、2件食べる
程度ですが、当時はラーメンの魔力にかかっていました。
そんな僕の、福岡住んでた時期通い詰めた店を紹介いたします。
約500件の食べ歩きデータから数件ピックアップ
します。まず、ラーメンが人並に好きだった頃
毎日行っていたのが、渡辺通りにある、大安です。
今はキレイでカラフルなビルの店になっていますが、
当時ボロボロで入る気を無くす店構えでした。
でも当時勤務していた会社付近で、深夜までやっていた
のはココぐらいだったので、深夜まで残業時入ってみました。
空腹と、疲労の中、ラーメンを食べた幸福感は
最高で、毎日通い、今までで最多通った店です。
 続いて、博多駅裏のおっしょいラーメン。
ん~旨いと純粋に感じる味。これぞ正統派博多ラーメンと、
一時はよく友人らに推薦した店だ。
 さてココらで有名店、魁竜!!ドトンコツの店だ。
TVによく店主が出ているから、ご存知かもしれない。
久留米ラーメンの丸星ラーメン、大龍が好きな人には
お薦め。超コッテリ、ギトギトラーメンのインパクトは
力技でねじ伏せる。強烈な獣臭、ザラザラの骨粉、
嫌いな人は1口でリタイア、好きな人はヤミツキ。
日本一のコッテリラーメンだろう。
 チェーン店も紹介します。博多ラーメンはかたや春日店
ここのは手作りじゃ無いのがスグ分かる味だが、
旨くて安い。他の店舗はマズイのだが、春日店は
素晴らしいスープだ。チャーシューは論外ですが、
恋しさのあまり極寒の中、原付飛ばし行った事もあります。
他県の友人もココのラーメンが食べたく、今だ
通いつめています。チェーン店では優秀な店ですは。
 かつて福岡市を代表しラーメンスタジアムにも出店した、
一黒丸。これは、一蘭、一風堂好きにお薦め。
一蘭スープに類似しているが、一口目から、ん~!と
唸ってしまう旨さです。南区に、いっこくまる と言う
関連店がありますが、全く別物です。
 僕がラーメンフリークに変貌したのは、長寿ら~めん
を食べてからです。麺自体に味がして(豊富な素材の練りこみ麺)
漢方の風味もする、博多ラーメンとは別物の
斬新極まり無い芸術ラーメン。このラーメンにより
深く感動し、ラーメンの神秘を探りたくなった。
あのラーメン無くして、ラーメン屋の僕もいなかったかもしれない。
 南区大橋の拉麺帝国は、こってりなのに、洗練された
上品な風味あり、あ~おいし~と、食べながら興奮
高まるラーメンです。当店の黒看板はズバリ、パクリ
ました・・。
 ラーメンいち押し!ここは唐辛子麺があり、スープ
にコクを与えるピリっと感が快感です。
 めんくいや。住所分からないですが、渡辺通り
付近です。この手のラーメンが、これからの時代の
博多の味になるんだろうな~と、確信しました。
確かにこの手の味が増えています。万人受けする味
でしょうから、老舗の古ぼけトンコツより好みです。
 城南区のふくちゃんは、ラーメン博物館にも出店して
います。かなり奥まった、最悪の立地にある、
普通の店構えです。老舗のトンコツの味ではあるが、
圧倒的な旨さは、世代、性別を超え、皆に好まれる
と思う。お客を選ばず、皆が満足出来る味と思う。
妙なアレンジを加えた、新21世紀型ライト系トンコツ
が主流になる昨今、王道のスタイルで貫く
この店は知名度だけでは無く名店中の名店です。
他、南区のいってつ、城南区の永楽、博多区の元祖ぴかいち
早良区の風靡ラーメン、中央区の麺篤屋、新宮の赤のれん
大野城市の六長屋、久留米の大砲、満州屋が一番文化街、
蘭丸などなど、福岡には旨いラーメン屋多いです。
うちは、トンコツラーメン屋じゃ無いですが、
これらの店の影響は大きいです。

ラーメン・コミックのススメ

2004年12月17日 | ラーメン
ラーメンブームのおかげか、ラーメンに関する本は
無数にある。僕も相当持っています。まず、グルメ・
ガイド本はタウン誌、放送局等から定期的出ています。
同じ出版社から出ている本は、殆ど同じ店、内容で
何冊にも使いまわしされていて、買い損するパターン
多いが、ついつい何冊も買ってしまうんです。
 ラーメンレシピ本も山ほどあり、超有名店の秘訣が知れて、
重宝しています。熟読し、自作ラーメン・マニア時期
は同じ製法試していました。しかし、関東、関西の
有名店製法が多い為、実際の味がどうゆう物かは今だ
分かりません。それにしても、今のラーメン志願者は
教科書とも言える製法本があり恵まれています。
そのままパクっても、調理センスあれば商売可能でしょう。
今の僕にとっては、他店のアイデア、調理法を真似する
のはチョットって感じで、参考程度見ています。
 ラーメン屋開業する人も多いからか、開業マニュアル
本も豊富ですね。しかし、都会的発想でどの本も書かれて
いて、高齢者が圧倒的多く、昼間にガランとした、
田園と民家しか無い当店には当てはまらないアイデアばかりだ。
有りっ丈の開業マニュアル本読んだが、少し役だったかな?
って感じだ。どうも経営コンサルタント、フード・プロデュー
サーの発想は、味、サービスより、金、利益先行していて
僕のやりたい店との温度差を感じる。
 ラーメン職人が書いた、自伝書や、成功の秘訣は為になった。
ラーメン屋で年商300億円なんて、凄すぎる社長までいた。
昭和47年に廃バスで始めた店が、今やFC350店に膨れ
上がってるラーメンとん太は、人並み外れた凄い経営者なんだろう。
多店舗経営なんて無関心ですが、経営哲学は勉強になった。
 まだまだ、ラーメン経済学、ラーメン歴史、味以外で繁盛店
作る方法、ラーメン店インテリア等、ラーメン本は多岐にわたっている
 さて、本日の本題です。ラーメン・コミックを紹介します。
まず、喧嘩ラーメン。これは、元暴走族が
全国をバイクでラーメン修行して回り、ラーメン勝負を繰り返し
ラーメン職人として成長する姿を描く。非常に面白く夢中で
読んでしまいます。続いて、ラーメン発見伝。これは、
普段は駄目サラリーマンが、ラーメンに関しては
凄い能力を発揮する漫画。パーマンのみつお君、スパイダーマン、
美味しんぼの山岡に通づる、普段のグータラ、駄目加減だ。
だが、ラーメンに関しての真剣さ、素晴らしいアイデアは、
ラーメン屋も必見です。また、ラーメンに関する問題点を
次々提示して、これほど実践型ラーメンコミックは他に無い。
有名ラーメン職人のエピソードが出てきて、そっくりな
キャラクター出てくるのもマニア必見です。
 よくお客様から、「屋号の由来は、虹色ラーメンですか?」
と聞かれる。確かに虹色ラーメンは全巻読みました。
少年漫画で軽い内容で現実離れの技、イベントがあります。
ラーメンの与える衝撃、感動が度々出てきて、
ラーメンの持つ魔力とも言える、大きな力と、作り手
のラーメンに込める思いが熱い。深い感動を与えるラーメン
を僕も作りたいと、熱い物がこみあげてくるコミック。
 有名店ラーメン職人の開業エピソード、ラーメンへの思い
を綴った、一杯の魂・ラーメン人物伝 は実話だけに面白い。
皆、楽して成功者には成っていない。血の滲むような苦労、
努力で這い上がった人達のエピソードで、ラーメン屋経営者
には力がみなぎってくる本です。
少女漫画のラーメン・ラビリンスは論外。ファンタジーです。
エリート・ヤンキー三郎23巻も、ラーメンの限界に挑むが、
馬鹿馬鹿しい内容です。美味しんぼ23巻は、多少ラーメン
に無知な部分もありますが、ラーメン好きは楽しめます。
美味しんぼ別冊の、本気の一杯!21世紀ラーメン編
コミックの途中で美味しんぼ塾あり、ラーメンについて
作者が文章書かれてます。
 駆け足で、ダダダと紹介すると、中華一番4巻、
ミスター味っ子1巻、ミスター味っ子の別冊激ウマセレクション
ラーメン編、ラーメン屋さんになろう、クッキングパパ1巻、
67巻、炎の料理人 周富徳、等ラーメン題材コミック
沢山あります。闘将!!拉麺男、は格闘コミックで、ラーメン
と無関係ですから・・・。グルメ系コミック好きですが、
ラーメン関連のコミックは特に気になります。
ガチンコ ラーメン道放送以来、近代ラーメンフリーク
増えてますが、食べ歩きばかりでは無く、是非1度
自宅ラーメン作り挑戦してみては・・・。
並のトンコツラーメンなら、ゲンコツ10時間程煮込むだけで
出来ます。タレも薄口醤油、塩、化学調味料、豚バラ肉
を煮込むだけでOKです。プロのこだわりラーメン
よりシンプルですが、そこそこ食べれますよ。
塩、醤油ラーメンは10回ぐらい失敗覚悟して下さい。
ひたすら強火のトンコツと違い、火加減をショッチュウ
調節したり、スープから目離せません。
でも、超シンプル醤油は、豚ひき肉、鶏手羽先、玉ねぎ
ショウガ、ニンニクだけでスープ出来ます。
タレも、濃い口醤油、薄口醤油、かつお節、酒、みりん、
塩、粗目、ナンプラー、昆布を煮込んで完成です。
是非是非お試しあれ・・。店より旨いの作られたら、
僕らの商売あがったりですので程々に頑張って下さい。

ラーメン 様式美麺れいんぼ~のサービス・デイ

2004年12月14日 | れいんぼ~情報
当ブログを御覧頂き来店された方に、
もれなく餃子1皿8個(400円相当)
をサービスいたします。
期間は12月15日~12月20日までです。
通常の、ら~麺、ふぁいや~麺、様式美麺
他麺料理全品、今までより更なる発展作に仕上げました。
今回は、当店宣伝ですが、久々にラーメン界を
切りたくなってきました。
次回は、久々にバッサバッサと斬ってみましょうかね~。
唐津人は~醤油ラーメン~嫌いな人多い~って♪
言うじゃない♪
だけど、あんた、唐津人は醤油ラーメン食べた事
無い人多すぎですから!残念!
唐津の新たな味覚改革 れいんぼ~斬り!
・・・・別にギャグに成ってないですが、勘弁して下さい。
波多洋区さん、無断ギャグ引用すいません。
って見てる訳ないか~。じゃ次回こそ、気合入れて、
ラーメン界の問題点を突きます。今は別に書く
ネタ決まっていませんが、ご期待ください。

ラーメン屋の休日。当店の場合

2004年12月14日 | ラーメン
今回は気楽にラーメン屋の休日を紹介します。
大手、チェーン店の年中無休店では、交代で休んで
いるのでしょうが、個人店ではそうは行きません。
脱線しますが、大抵の業種に大手が参入し、中小企業は太刀打ち
出来ない現状ですが、飲食店は違います。
自営業の個店が圧倒的多く、大手の都会的発想、
味、マニュアルが田舎では全く通用しない事多々あります。
地域密着の商売ですから、超有名店が唐津に出店
しても1年足らずで撤退している現状です。
脱線しましたが、個人店の経営者は定休日も働かないと
いけないです。起床時間は通常より遅めですが、
備品、消耗品、食材、調味料類など買出しに、4~7件の
店を回ります。そして、銀行で両替、入金等をします。
平日出来ない打ち合わせの為、印刷会社、広告代理店、
保険屋、厨房機器屋などと、あれこれ打ち合わせする事多々あります。
そして、スープの火入れを3時間程しないと、スープが
死んでしまいます。当店は、旧スープ、新スープを
継ぎ足しながら営業していますので、スープが駄目になったら
1から作るには2日かかってしまいます・・。
スープ表面のアクを取りながら、最初強火、沸騰直前で
弱火にし煮込みニンニク、ショウガ、玉ねぎ、キャベツ、唐辛子
を加えます。その間、厨房でギター弾いたり、漫画読んだり、
雑誌読み、時々スープチェックしています。
スープ火入れが済むと、もう真っ暗な時間帯で、食事、風呂、
TV観ていたら1日終わってしまいます。
友人らと一日中遊ぶ事も開店以来無いです。閉店後、飲み行ったり、
ありますが、基本的には営業中に客として友人が来店して
くれた時が遊びみたいなもんです。ラーメンが好きですし、
この道を選んだのも自分ですから後悔は一切無いです。
新作開発時なんかは、深夜まで厨房こもりっきりの日も有りますが、
お客様の喜ぶ顔、「うまかった」との声が原動力になっています。
サラリーマンでも深夜まで勤務されてる方はザラにいますし、
休日返上の勤務もよく有ると思います。
僕がサラリーマン時代そうでした。
AM8:00~PM11:30が通常勤務で、締め切り直前は、
AM6:45~AM3:00が1週間続いた日もあります。
休日に予定入れてても、寸前で「明日出て来い」と言われ、
それで、手取り月12万円しか貰っていなかったのです。
残業手当なんて無く、休日勤務は無給勤務だったんです。
あの頃の願望は、ゆっくり寝たい!だけでした。
毎日ボ~と眠い状態で働いて、フラフラでした。
誰よりも早く出社させられ、一番最後に帰るのも僕の役目でした。
新入社員なのに、カギ係だったんです。
表沙汰成らないだけで、その手の会社多いと思います。
当時、仕事に遣り甲斐、達成感なんて皆無でした。
睡眠削って働き、自由時間なんて一切無く、人生を無駄に過ごしてる
としか思えない日々だったです。1年間勤め、殺人業務的な
過労なんて意味が無いと、苦行に無意味さを見出した仏陀の気持ちに
成りました。ただ、あの辛く、苦しい時期が人間的に強め、
あれに比べれば他の仕事は天国に感じました・・。
転職後、えええ!夕方6時で帰っていいの~。最高!と仕事日に
プライベート時間を持て、睡眠充分取れる生活がうれしかったです。
今はラーメン屋経営していますが、最初に働いた会社に比べれば、
好きな仕事を自分が仕切って、思い通りに出来る今は極楽浄土です。
誰の指示、命令、説教も無く、自分の好きなように出来るんですから
最高潮ですは・・。当然、自由には責任が付き物で、店の全管理しない
と行けないです。店を出たら、自宅で帳簿付けたり事務的業務
がある。7時間30分営業時間でも、仕込み、片付け、事務で
13時間は働いているが、今の生活に不満は無いです。
これから、もっともっと沢山の方々に来て
頂き当店のラーメン食して欲しい願望だけです。
補足になりますが、平日ラーメン食べいけませんので、
休日は買出しついでに、2件ぐらいづつ食べ歩いてます。
これが、休日の楽しみでもあり、研究でもあります。

ラーメン研究会 代表、原達郎氏が来店

2004年12月12日 | れいんぼ~情報
九州ラーメン研究の第一人者、原達郎さんが
当店のラーメンを食べに来店してくれました。
ラーメンに関する評論、歴史に関しては九州一
でしょう。ローカル誌や、FBSめんたいワイドの
ラーメン作りでは協力され、毎週 読売新聞の
夕刊にラーメン・コラムと大活躍されています。
原さんの著書、九州ラーメン物語は大反響を呼び、
来春にでも第2弾発売が決定しているらしいです。
 昼間のピーク集客が過ぎ去り、1段落した頃
原さんから電話頂き、当店の立地の悪さからか、
かなり道に迷われて来店されました。
福岡からの来店客は、必ず迷うみたいで、
中には唐津市内を2時間彷徨ったお客様までいました。
 あいさつもソコソコに、「まずラーメンお願いします」
と言われ、通常と同じく一麺入魂で作りました。
当店のラーメンは料理製法、ラーメンセオリーに、
反した邪道な製法を多様しています。
そもそもラーメンは、邪道さが進化を生んだ
代表格ですから、既存のラーメン製法では、新たな
ラーメン表現は生まれません。
例えば、昆布ダシは沸騰直前に昆布取るのが常識ですが、
当店はわざと煮詰めています。ヌメリを出す事で、より
複雑、難解な味になるのです。
 スープも醤油ラーメンでは、清湯スープが主流で、濁らせない
のが常識ですが、当店は2日がかりで20時間煮込んだ
物が営業用スープですから、濁っています。
トンコツラーメン屋勤務時代の経験から、長時間煮込む事で
深みコクを生む事を学びました。久留米の呼び戻しに近い、
ガラの入れ替え、前日スープと新たなスープのブレンドを
しています。一般の醤油ラーメン屋みたいに、
朝1仕込んだスープで営業では、ボディーが弱く、
トンコツ主流の唐津では見向きもされなく思いました。
しかし、煮干し、カツオダシをとるぐらいの弱火で、
トンコツ(ゲンコツ、背ガラ、豚足、背あぶら、豚もも肉)
鶏がら(胴ガラ、もみじ、鶏皮)を20時間ですから白濁はしません。
他店みたいに、チャーシューダレを元ダレにはしていません。
元ダレには豚風味は無く、魚介風味を強めています。
 さて、それらの邪道とも言える、他に類が無く、関東や
喜多方風では無い、醤油ラーメンを原さんに食べて頂いた。
名刺交換後、何やらインタビューみたいに色々聞かれました。
屋号の由来、修行経験、生年月日、メニュー説明・・・、
丁寧にメモりながらのインタビューでした。
「今度の記事で載せるから」えええ!マジで!すげー!と
心で叫びました。原さんの新聞コラムと、来春発売の本で、
当店を紹介して頂けるらしいです・・。
本当にありがたいです。僕のラーメンを、原さんに食べて頂けた
だけでも光栄極まりないのに、活字として掲載されるとは
驚きでもあり、いい思い出作りになります。
店内掲示用サインを求めましたら、「そえだけは、勘弁して下さい。」
と恐縮され、本にサインをして頂きました。
サインは不慣れなのか、店内に貼られる事が
評論家の立場上問題なのか分からないですが、今後有名人
の来店無さそうですから残念です。
帰られたら、他のお客様が「今の誰?有名人?」と聞かれ、
説明しましたら「マジで~!俺もラーメンサイト運営していて、
かなり九州中食べ歩いてるんですよね~。握手してもらいたかったな」
と言われましたので、原さんから頂いた4冊の本のうち1冊差し上げました。
 原さんにはこの場を借り、感謝いたします。ありがとうございました。
たいしたサービスも出来ませんでしたが、またのご来店
お待ちしております。

ラーメンの高級化時代

2004年12月10日 | ラーメン総合研究所
ラーメン屋もソバ屋みたいに、高級派、庶民派
に分かれている時代である。ソバ屋も立ち食い
ソバタイプもあれば、懐石料理スタイルでは
盛りソバで数千円する店もある。
立ち食いソバで、3たてや、揚げたての具は無いが、
安い、早い、旨いから皆、利用するのだろう。
ラーメンも庶民派食べ物の代表格だが、近年
高価な厳選素材を扱った店が多く出てきた。
器、内装、調度品にも高価な物を使い、
お洒落な雰囲気のラーメン屋も珍しく無い。
汚い、臭い、恐いイメージが長年根付いていた
ラーメン業界に、高級、豪華さが来るとは数年前まで
想像つかなかった。福岡にも5万円のラーメンが
あるが、一般的ラーメンも高騰しつつある。
もう都会では、鹿児島、札幌の通常ラーメン価格に
負けない800円~1000円なんて平気である。
ラーメンレシピの書かれた本を読むと、とても
田舎の個人店では手が出ないような、高級素材が
山程使われていて、当店の集客から考えるなら、
売値1杯3000円でも元取れない材料になるだろう。
確かに高級材料使い、とことん拘るなら、理想の
ラーメン出来るだろう。美味しい物にはいくらでも出し、
人口密度が高い、都会の回転率なら、理想通りでも
商売出来るかもしれない。しかし、僕が店を
やっている唐津は違う。15人~70人の集客では、
今でも採算割れする。
 元々戦後の中華そば屋は、クズ野菜、少量のガラ類で
ダシをとっていた。野菜の切れ端も、ガラもゴミだった
時代だ。タダの材料が、日本におけるラーメン文化の
原点なのだ・・。日本も経済的豊かになり、
食うに困らなく成ると、もっと旨い物とグルメ志向
に走り出した。ラーメン屋も無数に増えだし、
同じスープ分量でも、昭和中期頃の
スープ材の10倍以上は何処でも使っている。
そうなると、ゴミだったトンコツ、鶏がらは、
高額で取引されるように成り、昔ながらのラーメン
作っている店でも苦しい状況だ。
当店は、国産の素材にこだわっているが、
ブランド銘柄、産地、厳選素材とは無縁だ。
いわゆる、ありふれた材料ばかりを使っているが、
信念をかけて1杯のラーメンを作っている。
材料自慢、腕自慢では無く、みすぼらしくとも
精神は気高くありたい。ありがちな材料だから
こそ、アイデア、知恵、工夫を凝らさないといけない。
珍しく無い素材が、斬新な珍しい複雑な味わいに
化けた時、達成感とやりがいを感じる。
近年ブームの重層型スープが当店スタイルだ。
あっさりしつつも、複雑、深いコクで、
懐かしいのに新しい味わいです。
商売でラーメン作りしていますが、お金の為だけに
やっているのでは無い。
ラーメン作れるだけで、幸せで、生きがい
感じます。だから価格も350円~提供しています。
都会の350円とは異なり、お客様が少ない
立地でこの値段は正直キツイですが、僕が思うに、
ラーメンは大衆食であり、庶民の食べ物であって欲しい。

ラーメン湯切りのパフォーマンス性

2004年12月07日 | ラーメン総合研究所
僕が店やっている唐津には無縁な話ですが、
ラーメン界は特徴的な湯切りする店が増えてきて
います。その昔、テボ使うラーメン屋は邪道で、
平ザルを使いこなし一人前と言われていました。
だが、時代は変わり今注目されているラーメン職人は、
テボタイプばかりだ。天空落とし、つばめ返し、
二刀乱舞、月光三段切り、震源地、ジャンピング湯きり、
竜神神隠し、荒野の背面切り、等など様々な湯きり
テクニックが出てきた。平ザルは、麺を釜内で泳がせ
手早くザルで回転させながら湯きりする。
対するテボは狭いザル内で茹で、麺を広げられない
重なった状態で湯きりをするから、上下させるだけじゃ甘い
湯きりになる。だが、大きくテボを動かし遠心力を
利用すれば、平ザルにも負けない湯切りが可能に成るのだ。
しかし、湯きりがパフォーマンス性重視に成り、
実際には不要な大きな動きを用いたり、必要以上に
湯きりすると、麺が擦れすぎ、冷めてしまう。
手早くする事が、平ザル、テボ両方に必要です。
平ザルでは、ラーメン毎の茹で時間に差が生じるが、
(一度に3玉~5玉を釜内で泳がせても、取る時は
1玉づつですから、最初、最後で茹で時間違う。
差し水で麺茹で釜の沸騰を押さえ、スープ温度に茹で湯を
下げる方法あるが、職人技であり難しい)
テボはそれが無く、時間差で1玉ずつ追加したり可能な
使い勝手の良さが普及の理由でしょう。
そもそも、湯きりとは何かと言うと、茹で湯を
スープに入れない為に行う。麺茹で機や、釜の湯は
頻繁には変えられないから、当然濁っている事が多い。
それがスープに混ざると、雑味になるし、スープが薄まる。
それを防ぐ為に、茹で湯は完璧に切らないといけない。
テボタイプは大きな動き出来る利点から、パフォーマンス
湯きりも生まれたのでしょう。
カクテルって映画の影響からか、
カクテル作るのに、ビン投げたり、様々なテクニック駆使した
パフォーマンスが話題を呼んでいる。以前バーテンは、
シェイカー振るのが一番の見せ場だったが、
今や見せ場が豊富な芸達者なバーもある。
ラーメン界の湯きりパフォーマンスも、お客様を楽しませる
姿勢は悪く無いです。
味に関係無い大げさパフォーマンス(味に悪影響及ぼす
パフォーマンスもある)は、どうかと思いますが、
二天のツバメ返し、中村屋の天空落としは、素晴らしい技だと
思います。僕も”オーバーザ・レインボー”って湯きりを
やっていますが、何て事無く、釜で数回高速で切り、
釜から離しながら下で切り、仕上げに頭上高く振り上げ、
斜めに切ります。対した技じゃ無いですが、パフォーマンス
に走った数年前や、平ザル湯きり時代、麺を空中に投げ飛ばし
皿で受け取る、替玉技法の頃とは違い、お客を湯きり
で楽しませるのでは無く、おいしいラーメン提供する為に
必要な技なんです。HR/HM界を技を競ったり、
ライヴパフォーマンス重視の音楽では無く、
素晴らしい旋律、リズムを一番に考えて欲しいです。

進化し続ける、ラーメン業界を生きる男

2004年12月01日 | ラーメン総合研究所
ラーメンの歴史は、ソバ、うどんに比べ浅いが、国民食
と言われる程日本人に愛されている。同じ国民食でも、
カレーなんかは地域により極端に味が異なる事無いが、
ラーメンは地域別に全く異なる食べ物である。
僕が店やっている地域は、老舗の昔ながらの味が圧倒的強いが、
ラーメン界はニューウエーヴ型ラーメンが主流である。ご当地ラーメン
ブームで、喜多方、旭川、札幌、函館、佐野、尾道、徳島、博多、熊本
等など注目浴びて、各主要都市にはラーメンテーマパークが次々
オープンしている。九州にもラーメン城下町、ラーメンスタジアムが
出来、僕もラーメンスタジアムに毎日行き、博多のラーメンと各違い
で、圧倒される凄い味に興奮したものだ。しかし、九州人は郷土愛が強い
のか、保守的で慣れない味を受け入れ無いのか、ラーメンスタジアムでも、
トンコツラーメンが圧倒的人気高い。月間ランキングで久留米の大砲が
ずっと1位なのにも疑問感じる。福岡市内から車で1時間の店が、1位で
関東、北海道等の凄い店には客が入ってないのだ。坂内食堂、香月、
くじら軒、六角家、ちばき屋、いずれも感動する程凄かった。しかし、
友人らも「まずい。味がせん」とか言っていた。ラーメンは地域性が強いだけに、
他県に根付いた味は受け入れられないのだろう。
僕にとっては、沢山のラーメン文化を知れて、人生観が変わった。
今はラーメンも個性の時代と言われ、地域味だけでは無く、各店模索
している。鮎の煮干、さんまの煮干、ダチョウの骨、イノシシ骨等、今まで
聞いた事無い食材をラーメンに使用している店まである。
以前は、牛骨、チーユ、漢方、イカ墨、トマト、スッポンダシを使用している店でも
斬新だったが、更に珍しい食材使用している店が多い。
具材に関しても、目玉焼き、ハンバーグ、納豆、揚げ卵、梅干 等
珍しい店ある。当店がやっている地域では受け入れられないだろうし、
1杯500円以上はラーメンに出さない地域だと思う。時代は、良い物には
高額頂ける時代かもしれないが、850円~1800円のラーメン屋で
大行列出来る都会とは違う。九州ラーメンは閉鎖的であり、特に佐賀県は
つけ麺、あぶらソバ、冷やしラーメンの意味すら通じないと思う。
あれ程一世風靡したラーメンだが、佐賀県人は小さい頃から食べていた味以外に
興味無いのかもしれない。当店もせいぜい、新作で魚介風味醤油ラーメンを唐津初
始めたぐらいで、ラーメン業界からは15年以上遅れをとっていると思う。
唐津が、もう少し新しい物に関心を持ってくれたら、僕も新たな手法を
導入出来るのだがとも思っている。一応、新作をジャンジャン導入している
当店スタイルは唐津じゃ珍しいと思います。