夢の中で大泉洋が演じる売れない映画監督が夫だった。どうしようもない夫で、もうあまり会話もないんだけど、最新作は(売れないけど)悪くなかった。「〜ちゃん、あれ、よかったよ」と若い頃のハルヒさんが私の頭越しに言って、はっとした。
それは私が言いたかったんだ。
夫である大泉洋は向かいの建物でそれを観たらしい人に向かって、一礼した。
私や家族を両脇に置いて一緒にお礼のお辞儀をした。
打ち上げの席に紛れ込んでいた私に夫は気がついているのかいないのか。賑やかな席で私と彼の間には静かな無音の空気が流れている。敵対的ではないけれど、そこには痛みの気配がある。
お店の店員さんが食べていない私を気遣って「胃ですか?鍋のスープだけ味噌割りにするといいよ」という。とろっと白濁したスープをお猪口に入れて口にする。
暑くて水に入りたい。
一言も言葉を交わしていない夫と、何かが確かにつながっているのを感じる。それを終わらせなくては、そして離れたところから応援しよう、と私は思っている。
大泉洋の姿をしているとよくわかる。
ダメな部分って、別にダメでも不要でもない。
人間でしかない本体の身の部分だってことを。
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