楽しく見ているKドラマの男性リードは「僕に出来ないことはない」が定番セリフ、つまり社長でお金と権力があって能力があって語学も堪能でピアノまで弾くし巨額な寄付をするし掃除料理が趣味と「あらゆる面で」完璧な王子。性格もいいしちょっと不幸な生い立ちまで備えている。育ちのよさそうな顔はとても可愛い。
こないだ金メダルとってたフィギュアスケートのオリンピック選手もピアノ弾いてたな。ピアノの弾ける男性って素敵に見えるよね。
いつかたまたまスタンフォードの先生を私のボロ車で送ったことがあって、その人の話が思い出された。超有能な学生たちが笑顔の下でどんなに苦しんでいるかという話。優雅に見える水鳥が水面下でどんなに必死で足を動かしているか、その発病率と自殺率の高さ。
飼っている犬が死んで打ちのめされてしまうような優しく繊細なその人の「心の講義」が、その大学で評判になったというのが感慨深かった。
競争。
誰よりも秀でた勝利と成功の場に立つことを目指すよりも、もっとした方がいいことがあるんじゃないだろうか。私たちはもうとっくにわかってて、それでも習い性で必死で足を動かしているんじゃないか。
私たちの戦争はある国と別のある国との戦いではなくて、個人の奥底のレベルからグローバルな天候のレベルまで、競争するか平和に共存するか、分かれ道の局面なのではないか。