アメリカは合衆国、ユナイテッド ステイツっていうくらいだから、州によってまるで別の国みたいに法律が違う。例えばカリフォルニアの面白い法律にはこのようなものがあった。
「前庭にたんぽぽを生やしてはいけない」
理由は種が飛んで近所に迷惑だから。ちなみにたんぽぽは雑草判定。(ずいぶん昔の話なので真偽のほどは、ご勘弁)
ガソリンスタンドのことを彼の地ではガスステーションと言う。
「ハイウェイ入り口近くのガスステーションは客でなくてもトイレ利用など最低限のサービスを提供しなくてはいけない」
というのもその一つだった。
ある時ガソリンを入れていたら、エアポンプのところで小学生くらいのこどもたち数人がたまっていた。自転車のタイヤに空気を入れたくて、でもやり方がわからないらしかった。見ていたら今の息子かもっと若い高校生くらいの男の子がこどもたちに手を貸していた。知り合いではなくてたまたま居合わせたらしかった。
その様子がとてもよくてしばらく見ていた。たとえまだ自分が未熟でも、より小さなものを助けられないなら、大きく強くなることにどんな意味があるだろう。
自分の中にあるいくつかのものさし。その中でもすぐ近くの手元にある。あのガスステーションのこどもたちの風景を、時々思い出す。