日日不穏日記gooブログ版

「沈黙の春を生きて」のことなど

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ

 カズヒロ君から貰った映画チケットで長野ロキシーへ「沈黙の春を生きて」という映画を観に行った。上映期間は明日まで。お袋がデイに行く今日しか予定が開かなかったので、10:20の上映開始に飛んでいくsymbol5

 農薬による環境への汚染を告発したレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が題材にされているように、これは環境問題の映画。ベトナム戦争の枯葉剤による被害を受けた米軍帰還兵、ベトナムの人たちの今を描くドキュメンタリーだyellow26

 環境問題に興味があるとは言っても、チケットを貰わなければ、おそらく観に行かなかった映画だってことは間違いないyellow27。上映してること自体、知らなかったから。



 1960年代のベトナム戦争での枯葉剤作戦。ジャングルを移動するベトナム兵を探し当てるための枯葉剤の空中散布。猛毒を持った枯葉剤は森林を枯らすだけでなく、ベトナムの人々400万人の上に降り注いだase

 それから半世紀近く。作戦に加わったベトナム帰還兵が次々にガンに倒れ、その子どもたちが先天障害をもつようになる。もちろん、それ以上に枯葉剤を浴びたベトナムでは、悲惨な障害が数多く報告され、世代を超えて、影響が広がってゆくhekomi

 監督の坂田雅子さんは、長野市の隣にある須坂市の出身。帰還兵のフォト・ジャーナリストである夫を、枯葉剤が原因とみられる肝臓がんで2003年に失う。



 それをきっかけに、ベトナムに渡り、枯葉剤の問題に向き合い「花はどこへいった」という第1作の映画を撮り、本作は、ベトナムだけでなく、アメリカで帰還兵の子どもとして、障害に向き合う人たちへの取材を試み、その中の一人であるヘザーさんは、ベトナムへ向かい、現地で被害に苦しむ人たちに会いに行くnose1

 枯葉剤に関する本は読んでいたものの、現実に先天的な障害に苦しむ人たちの姿や証言を映像を通じて観るというのは衝撃的だ。と同時に、苦しみながらも、懸命に生きようとする2つの国の人たちの姿は心を打つ

 確かに枯葉剤作戦という非人道的な行為に対する“告発”って面はあるんだろうけど、スクリーンに映し出される人たちが、自分の思うところを偽りなく喋ってることに感動するんだよyellow1



 そりゃ、そういう障害を持った人の映像が映されるんだから、観てて辛いよ。だけど、観た後の後味の悪さってものがないのは、監督が被害を受けた人に正面から向き合ってるからなんだろうと思う。

 ちなみに監督の坂田雅子さんは、長野で長く脱原発運動に関わってた坂田静子氏(1923-98)の次女。静子氏は、1977年からガリ版刷りで「聞いてください」って新聞を出し始めて、チェルノブイリ事故後に、長野市で開催された広瀬隆氏の講演会(僕も参加した)を企画し、その後も亡くなるまで、活動を続けた長野の脱原発運動の草分けみたいな人yellow21

 その遺稿集が最近出てるけど、その出版に関わってたんだね。どっかで名前を聞いたと思ったら。

 平日のロキシーにしては珍しく30人くらいの観客がいたよ。たぶん、今の放射能への不安と、枯葉剤の世代を超えた被害を、重ね合わせて見てたんだと思う。僕ですら、そうだったんだからね。

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

haikyotansaku
http://black.ap.teacup.com/niwatori/
ロキシーは、よく潰れないなーって思うね。「祝の島」もここだったし、「ダーウィンの悪夢」みたいな社会派で硬派な映画をずっと上映してる。「エンディングノート」もここでやるんだけど。

シネコン込みで、30分で歩いて行ける映画館が4つだったかな、あるのは長野市街地の特権だろうね。シネコンも嫌いじゃないし、音声は良いとは思うけど、雰囲気的には、古い映画館でビール飲みながら、マイナーな作品を観るってのが好きだね。

あ、「けいおん!」は当然、シネコン(グランドシネマズ)ね。多少は興味あるけどさ。どうすっかな。
みねうちじゃ~
こちらにはもうそういう映画を上映するところがない『花はどこへ行った』も有志のDVD上映だった…
通信制高校の通信(お便り)に、長野市の映画館では『かつては洋画なら〇〇、青春ものなら◎◎、と楽しみだった』って書いてあったなあ…
haikyotansaku
http://black.ap.teacup.com/niwatori/
世代を超えて、半世紀も経ってまだ先天性の障害を持つ子どもがいるってことに改めてビックリ。あるいは、今の子どもの次の世代にも障害が出るかもしれない・・・

それもベトナムだけでなく、米軍帰還兵の子どもにも出ている。これはもう立派な戦争犯罪だね。ここまで酷い農薬がこれから出てくるとは思わないけど、農薬を作ったメーカーや米国政府が反省してるかって言えばそんなことはない。

放射能のリスクと枯葉剤を同一に論じることは出来ないけど、加害者側の反省がないという面では共通しているね。
non
http://blog.livedoor.jp/nongino/
いい映画を観たね。
「生の声」で構成されたものなら、本当に心に響くと思う。
予告編を観ただけでも、結構くるもんね。
枯葉剤っていうのも恐ろしいものだなぁ。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「環境問題」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事