おおさか佳巨 街頭演説のブログ

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資本主義と善悪中毒

2007年03月14日 21時14分54秒 | 財務金融
資本主義(政府式資本主義である社会主義・共産主義も含む)は、地球環境を悪化させなければ成り立たない。資源を枯渇させる速度が、速ければ速いほど競争に勝つことができる。この考えが常に礎にあり、政治・経済・社会を運営してきた。今までは経済によって環境を破壊してきたが、このままでいくと環境が経済を破壊してしまうだろう。


東洋の思想は仏教、老荘思想、ヨガ、漢方医療に代表されるように「動き回らない」ことに価値を持つ。

取り入れる物質的エネルギーは最小限にとどめることによって、真理に到達するという思想である。必要以上に物事を進めれば無秩序と混乱を作り出すだけであるから自己と自然を調和させようとする。


物質的エネルギーは最小限に吸収すればよいと考えるのは、精神的エネルギーを取り入れようするからである。気、太極拳、漢方医薬、武道などがそれである。自然治癒力というものを大事にするため、肉体に故障が生じても部分的に治すことはしない。つねに全体の調和を図る。こういう価値観を、我々は捨ててしまったため、人類にとっての地球環境は悪化の一途をたどっている。


 「人間によって地球環境は悪化し地球は泣いている」などと言う人がいるが、地球は泣きも喚きもしない。人間がどれだけ、地球内の温度を上げようが、酸化させようが、石油を掘りつくそうが、そんなことくらいでは地球は痛くも痒くもないだろう。


地球は自己の自然回復機能によって火山を噴火させ、あるいは氷河に包み、海を暴れさせて洪水を起こし、陸上にいる人間という害虫を海中に流せばよい。地球を汚して被害を受けるのは人間をはじめとする動物・植物などの生物以外いない。地球環境は地球のために必要なのではなくて、地球人にとって必要なものである。


「競争によって人間は進歩する」というのは間違いであるのは、他を駆逐すると自己が滅びるからである。これは、地球環境が破壊されつつあることで証明される。癌細胞はまさに、競争によって他の癌細胞を駆逐することによって、強い癌細胞が勝ち残り、弱い癌細胞は死んでゆく。癌細胞は癌細胞同士で殺し合い、競争し、強くなっていくのである。強くなった癌細胞は次々と肉体のありとあらゆる細胞を倒し勝ち進んでいくが、そうすることで肉体の主たる人間は死に至る。人間の肉体が死に至れば、今までせっかく勝ち進んでいった癌細胞は自分自身も死んでしまうのである。


同じように、人類は他を駆逐することで地球環境を食い尽くす。癌細胞から見た人間の肉体は地球に相当するわけだが、これによって地球は死に至り、癌細胞に相当する人間自身が死んでゆくのである。
これに対して、癌細胞以外の正常な細胞は、他を生かす。このことによって肉体全ての組織、器官、個体が調和して生きてくるのである。競争によって強くなり、発展していくというのは癌細胞の話であるが、その行き着くところは全てを失うということである。人間は癌細胞であることもできるが、競争を正しいとしなければ、正常の細胞となることもできる。


プラトンの著作『国家』の第一巻には、正と不正の議論がなされている。登場人物トラシュマコスは他を凌ぐ不正こそが優れていると主張して、ソクラテスと議論するのであるが、不正は正に対して駆逐しようとし、また不正は自分以外の他の不正に対しても駆逐する。正は不正に対しても、他の正に対しても協調と友愛を求める。この結果、不正は生きていけないことがわかる。

 そして、現代では自らが正義であるとして、不正を殺していく、排他する・・・そんなことに快感を持って、非人道的な性格の人間を多く生み出している。

今、政治の世界で議論されていることに、一方では競争を善としながら、環境問題も解決しなければならないということがある。

それと逆の立場は、政府が環境を財政によって解決しようというものもある。環境税を課税することで政府が調整すべきだという考え方であるが、これは資本主義と社会主義の対立に似ている。

つまりは、お金の力によって地球環境を解決しようということであり、これは自然環境によって経済システムがあるということを忘れている愚かな政策である。経済に支配されているという現状の土台を覆し、競争に基づく経済優先主義を捨てなければ地球環境を解決できない。

自由に貨幣が発行され、自由に土地が供給されたのならば、自然と経済が融合するシステムとなり、競争も官僚も要らないのである。


人類は資本主義が作り出した競争からも、共産主義が作り出した官僚支配からも脱却しなければならない。

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