前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

マーラー 『交響曲第5番嬰ハ短調』 ビシュコフ指揮N響

2010-02-14 10:31:22 | NHK交響楽団
N響定期公演でマーラーの交響曲第5番嬰ハ短調を聴きました。

先週に引き続き指揮は、セミョーン・ビシュコフです。



早速感想ですが驚きました。 ビシュコフ凄い!!


マーラーを生で聴くのは2年ぶりくらいですが、
これまで第5番はもちろん、それ以外の曲も結構沢山聴いています。

ですが、今日の演奏は私にとって、
今まで聴いたことのない「新しいマーラー」でした。


第1楽章から第3楽章まで、比較的遅めのテンポで
音量も控えめに感じました。
でも、そのせいで各楽器、各パートの旋律が際立ちます。
シンバルや大太鼓の微かな音もとても新鮮でした。

第4楽章「アダージェット」は弦楽器だけの静かな楽章ですが、
逆に過度にロマンティックにならず、淡々と進みます。

第5楽章は普通、怒涛のように盛り上がるので、
終楽章に向けて力を温存しているのかな、とも思いましたが、
一段とテンポを落とし、一層丁寧に丁寧に音を紡いでいきます。
でも決して緩慢にならず緊張感は持続しています。


マーラーの交響曲第5番は、第6番と共に
特に対位法的手法が発揮されている曲ですが
その「立体的」なオーケストレーションが
鮮やかに浮かび上がってきました。

CDで聴いていてもなかなかわかりませんが、
生演奏でも普通は曲の勢いに圧倒され気付きません。


20世紀初頭(1902年)に作られた、
まさにロマン派交響曲の頂点を極めたような曲ですが、
まるで古典派交響曲のような演奏でした。


少々大袈裟かもしれませんが、
バッハ大先生から連綿と連なる西洋音楽の流れ、
そしてハイドン先生からモーツァルト、ベートーヴェンと続く
交響曲の伝統の先にマーラーの交響曲もあったのだ、
と改めて感じます。


マーラーの作品、およびマーラー自身に付けられた
様々なエピソードや解釈、思想などを全て洗い流したような
驚くほど新鮮な姿でした。



もう一度言いますが、本当に「新しいマーラー」でした。

今年生誕150年を向かえたマーラーの「本当の姿」
21世紀の「マーラー像」を見せてくれた気がします。
(N響の熱演にも拍手)


セミョーン・ビシュコフ   凄い!!

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2 コメント

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こんばんは (遊歩道)
2010-02-15 21:00:04
いつも愉しく拝読させていただいております。

ビシュコフのマーラー、そんなに素晴らしかったのですね!是非実演を聞いてみたかったという思いに駆られます。

ここ数年、なかなかオーケストラの演奏会に行くことができずに残念な思いをしておりますが、今年と来年はマーラー・イアーですので、一つくらいは行くことができればと思っております。

ところで、まだブログを初めて数ヶ月ではありますが、貴ブログをリンクさせていただきたいと存じますが宜しいでしょうか?

宜しくお願い申し上げます。
返信する
ありがとうございます (一服ざる)
2010-02-15 21:46:59
遊歩道さま

ビシュコフ、とても感動しました。マーラーのイメージ一新です。
CDが思ったよりが少なくて意外です。
N響でマーラーを録音してくれないかしら・・・。

リンクの件、こちらこそよろしくお願い致します。
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