感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

古来の日本家屋に無駄な部位は無かった筈

2012-07-16 18:38:37 | 林俊文の想い
さて、絶好の晴天に夏が来たという暑さの倉敷市。

週明けの今日は大工さんたちと共に倉敷市玉島でのファースの家新築現場に出動です。

先日から「まっちゃん」、「のぶくん」の二人の大工さんが施工している外壁の通気胴縁の取り付けを手伝います。

高性能な家には欠かせない外通気工法ということですが、やはり注意しなくてはならないのが他の部位との取り合い部分に依る通気層の縁切りですね。

土台部分から進入した空気が外壁、屋根と通気層を通り棟換気口から排出されるよう、軒はもちろん、アルミサッシの周りなどもキチンと通気スペースを確保して施工を進めています。

先週まで造作庇下地を製作していた「しんちゃん」、「小野くん」も今日から軒の天井下地の組立に移ります。

この軒天井も屋根通気には一役買う大切な部分ということで慎重に工事が進められています。

この「軒」ですが近年、時々デザイン住宅などで軒がない建物を見かける事があります。

デザイン的にか?工事コストの削減の為なのか?はいまいち解りませんが、軒が無い建物の方が雨漏りしやすいというデーターを目にしたことも・・・

技術者から見ても屋根から落ちる水が直接外壁を伝う訳なので当たり前の事のようです。

こうした「軒」を無くす建物の場合は特に厳重な外壁からの雨漏り対策の施工が必要になりそうです。

機能美さえ感じる昔からの日本の家屋に習えば必要のない部位などは存在しなかったようにも・・・

屋根、軒、庇・・・・その其々に大切な役割があり決して格好だけで付いている物などはなかったようにも・・・

段々と建物が近代化、洋風化していく中ではありますが、その一つ一つの部位には部位の役割が必ずあった筈。

その一つを無くす事のリスクを考えれば一つの部位を無くす事には大変な工夫と技術を要するようです。

この高温多湿と言われる岡山の特異な気候風土の大地に建物を建てる時には、先人の知恵が沢山詰まった古来の日本家屋から多くを学ばなければならないようです。

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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