山の頂から

やさしい風

狐の嫁入り

2008-05-18 15:29:29 | Weblog
朝から太陽が顔を出す。3週間ぶりに土曜日の晴れだという。
されば!と布団を干した。 しかし、何となく蒸し暑い。

 有難いことに今日はお客の切れ間がない。
昼ご飯など摂る暇もない。 庭には広くゴザも敷いた。
二階の客間の窓という窓を開け放してあった。 心地よく風も通っていた。
が、どうも空模様が気になる。

 3時を前にして西空が薄暗くなってきた。そして生ぬるい風が・・・
≪三杯雷様、三束雷様≫という天気に関する下野俚諺を思い出す。
夏、西の空に雲が出ると雷が早いとのことだったような・・・
うろ覚えだが、確かにその通り雨が早い。

 少し遠くに雷の音を聞く。
イザ、急げぇ~~雷様が来るぞ~~~
蜘蛛の子を散らした様に手分けをして干し物を込み、ゴザを片づけ
ホレ店台の小物類が、土産物を濡らすな!!・・・・
大きな雷鳴を背に受け飛びあがり、髪を振り乱しての大騒ぎ。

 パラッと一粒の雨があたる。
と、間もなくパラパラパラ・・・・・
こちとら、三杯どころか一杯の飯も摂ってはいない。

 ひとしきり降り、やがて嘘のように晴れ間が出た。
帰りがけにお客さんが「狐の嫁入りだねぇ」と言った。

 日が照っているのに小雨が降る天気雨をそう言うらしい。
狐の婚礼を人間に見られないようにするために
雲ひとつ無い天気の日に雨を降らして知らせるとか。

 日本語って、なんて洒落た表現をするのだろうと
ひどく感心した。 雨の後の少し肌寒い風が心地よく感じられた。


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