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ブルートレイン富士・はやぶさ号 最後の東海山陽道ブルートレイン

2009-03-03 20:39:46 | コラム

◆寝台特急富士はやぶさ号京都駅到着

 寝台特急富士・はやぶさ号、1800時に東京駅を発車し、東海道本線、山陽本線を経て九州に向かうブルートレインだ。

Img_1445  かつて、寝台特急とは、東京から大陸方面に向かう優等列車として優美を極め、戦後は九州と首都圏を結ぶ夜行列車の花形であった。しかし、新幹線特急網は、夜間という時間帯に跨らずとも、九州と首都圏を結ぶことが可能となり、ブルートレインは、時刻表の列車から歴史の中に押し出されようとしている。

Img_1442  廃止までカウントダウンという状況に至る、最後の九州ブルートレイン、最後の東海山陽道ブルートレイン、そして東京駅に向かう最後のブルートレイン、富士はやぶさ号が京都駅に到着する。長大な編成の寝台特急を運行するために、強力なEF66形電気機関車が力強くけん引している。

Img_1443  大分駅に向かう、寝台特急富士号と、熊本駅に向かう寝台特急はやぶさ号。1800時という比較的早い時間帯に東京駅を発車したこのブルートレインも、京都駅に到着したのは0035時、発車時刻は0037時。賑わうアーバンネットワークの新快速網も運行を終了している時間帯に、夜行列車という響きそのままに到着。

Img_1447  0037時という時間帯は、京都駅と北大路駅を結ぶ地下鉄はすでに終電が発車した後であり、駐車場なども営業を終了しているところもあるのだが、京都駅には少なくないブルートレインファンがカメラを並べていた。乗車する人は疎らであるが、廃止間近の列車に共通するように車内は満員の活況。

Img_1454  京都駅6番ホームに滑り込むように停車。ブルートレインの定義として、ブルーの客車寝台車を用いる特急、という定義があるが、それと同時に、夜行列車の最上級としての位置づけと権威があった。しかし、その権威を支えた食堂車もロビーカーも切り離され、ビジネスホテルと同じ値段の開放型寝台と、カプセルホテルのような個室寝台が取り付けられ、車窓と響きに押されて今日に至る。

Img_1455  撮影位置を6番ホームに移動、ちょうど、発車のための安全確認が行われているのだが、乗客も寝間着のまま、デジタルカメラを手に京都駅に、数秒間の“途中下車”を楽しむ。どこからの乗客だろうか、京都駅を撮影している。この先、大阪駅を出発すれば広島駅、そしてその後しばらく進めば九州である。

Img_1471  1号車から6号車が、はやぶさ号。7号車から12号車が富士号である。従って、九州に向かうブルートレインの最後尾には、“富士”の姿が勇ましい。そろそろ発車の時間が迫っていることからも、乗客は再び寝台へ、京都駅には、深夜の、あるべき静寂が戻り、乾いたシャッター音が重なって響いている。

Img_1481  0037時、京都駅をブルートレイン富士はやぶさ号は、ゆっくりと出発していった。近代的な京都駅の駅ビルを背景に、新幹線でも行くことが出来ない程の長距離を行くブルートレインは、次の駅に向かって足を進めてゆく、京都駅は最終の野洲行きを残して、その日の営業運行を終了しようとしている時間だ。

HARUNA

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