◆呉と目黒にて明日まで実施
本日と明日にかけて、呉基地と目黒の海上自衛隊幹部学校にて、防衛省、国土交通省、外務省といった関係省庁が参加し、省庁間の連携を確認する図上演習が実施されている。主として、海上幕僚監部、統合幕僚監部、内局が図上演習を実施、これに関係省庁が参加するかたちで実施されているようだ。
いよいよソマリア沖に護衛艦が派遣される日も近くなってきた。海賊は、私人による行為であるから、憲法が禁止している国際紛争の解決手段として武力を用いるわけではないので憲法上の問題はない。ただし、日本向けの物資が載せられた船舶、日本人乗組員が乗船している船舶をどのように見分けるのか、また、これらに該当しない船舶が救助を求めてきた場合にはどうするのか、など、問題は多い。
今回行われている図上演習では、派遣部隊と、対抗部隊(実際に、対抗部隊、と称しているようなのだが、妙な響きだ)、他国海軍、関係商船、と別れて訓練を実施している。今回の図上演習では、先に列挙した問題への対応に加え、外務省や海上保安庁との協力や、各国海軍艦船との連絡調整なども訓練している。
加えて、武器が使用できる状況かの判断についても検証されているとのこと。海賊対策のために海上自衛隊が派遣できないか、と提案された昨年末では曖昧模糊としていた準備体制であるが、既に、海上保安庁と海上自衛隊との実動訓練も行われており、海上自衛隊は万全の体制で、アフリカ沖に出動することとなる。
HARUNA
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この件に関してのわたしの願いは一つ!
海上自衛隊が実施した行動に対する責任は、すべて日本国がとるという方針を決めておくりだしてほしいということ。それが指揮権者たる内閣総理大臣がすることだと思うのです。
戦前の関東軍のように、自分で考えて部隊を派遣している訳ではないので、海上自衛隊の行動は、日本政府の行動であり、その責任は、権限のある政府にある、といえます。大丈夫でしょう。
とかく派遣の際に行動に制約の多い自衛隊。
幹部自衛官の「他国の軍では可能な行動が自衛隊では法制上の不備によりできない」とのコメント、「世界の艦船」に寄稿された読売新聞の記事「任務は傍観」との文字がやはり気になります。
現場の隊員に不要な苦労を背負わせないようにすることが政治の役割ですが、救助できる船舶は限定的であるなど、はてさて、充分なのでしょうか?
・・・それとどうやら日本に直接関係のない船舶は救助対象から外れるようですが、それでよいのかどうか・・・。
まあ、派遣そのものを拒み続けていた今までと比べれば大きな進歩とは思いますが。
これは各者各様の意見があるでしょうから、多くの人の意見をお聞きしたいものです。(私も身の回りの反応を気にかけています。)
あとは無事任務遂行することを祈るのみ。
以上
図上演習を見ますと、救助を申し入れてきた場合の対応も考えているそうです。もともと。事前に護衛を防衛省に要望する場合は、日本向け貨物を搭載している場合か、邦人乗組員が乗務している、という条件があるようなのですが、緊急時には、助けを求めて来る、という状況は想定しているようで。
派遣人員は400名。むらさめ型、たかなみ型の乗員よりも、やや多い乗り組みになっています。各護衛艦にはヘリコプター2機と、8名の海上保安官を乗せるとのことですが、数にはそれでも余裕があります、特殊警備隊が同乗している可能性が高いのでは、といえます。
たかなみ型護衛艦は、科員居住区が二段ベッドですが、邦人救出などを想定して、必要に応じて三段ベッドに変更できるとのこと(空自の野外自活車に配置されている寝台部分は、ブルートレインの寝台を造っているのと同じメーカーがやっていましたので、護衛艦も、二段B寝台と同級のものから、三段B寝台と同等のものに切り替えられるのかもしれません)、なんとか収容できそうです。