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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ブルートレイン:特急富士(東京-大分)/特急はやぶさ(東京-熊本)

2009-03-04 18:24:43 | コラム

◆京都駅ブルートレイン撮影記

 京都駅ブルートレイン富士はやぶさ号撮影、いよいよ廃止間近のブルートレインは、どれだけ撮影しても撮り過ぎということはない。前日と同じ場所から、同じブルートレインを撮影した。

Img_2000  東京から列車の名前の由来となった霊峰富士を望見しつつ太平洋に沿って東海道本線を名古屋へ、名古屋からはかつての難所関ヶ原と近江の湖畔を一路走り、長躯、京都に到着した寝台特急富士はやぶさ号。時計に目を移せば、ブルートレインは、東京駅を出発してから、既に六時間半を経ようとしていた。

Img_1997  京都駅六番線に到着するブルートレイン富士はやぶさ号。二日連続の撮影を行った背景には、前日の撮影は、制約上、立ったまま撮影したため、上から目線でブルートレインを写したかたちとなった。しかし、極力、低い目線から仰ぎ見た方が列車は写りがいいだろう、そういうことで、再び夜の散歩、ということになった。

Img_2008  長大な編成が京都駅に滑り込んでくる。アーバンネットワークの新快速は十二両編成、東海道新幹線はより大型の車両にて十六両編成。決して今日のブルートレインは長い、という印象は無いのだけれども、電気機関車に牽引されて、ゆっくりと滑り込む独特の音と、客車の醸し出す雰囲気は、より存在感を強調する。

Img_2009  EF-66電気機関車は、高度経済成長時代、多数の電車や列車が行き交い、輸送能力の限界が指摘されていた東海道本線、山陽本線において、1000㌧の貨物を可能な限り高速輸送するために開発された強力な電気機関車で、この機関車が牽引していることが、この東海道、山陽道ブルートレインの象徴、というような印象も感じる。

Img_2011  ヘッドマークを掲げて富士はやぶさ号を牽引するEF-66電気機関車は、かつて、九州ブルートレインの、あさかぜ、さくら、などを牽引したEF-66や、今も日本海縦貫線を行くブルートレイン日本海、豪華寝台特急トワイライトエクスプレスを牽引するEF-81と比べると、流線形でスピード感溢れる形状が嬉しい。

Img_2012  もちろん、九州に入れば、電気機関車は替わるのだけれども、かつて時報代りに眺めたブルートレイン、2000時の京都駅発車へ、0800時近くの京都駅到着へ、現在では廃止され、歴史の中に引き込まれていった寝台特急なは・あかつき号を牽引したEF-66の力強い姿を思い出す。

Img_2016  先日、さくら号の復活というニュースが流れた。ブルートレインさくら号が廃止されたのは、2005年、しかし、さくら号が新しく九州新幹線・山陽新幹線直通列車の愛称として復活するとのこと。もしかしたらば、富士号、はやぶさ号も列車としては、いつか新幹線に生まれ変わることもあるのだろうか、という期待も湧いてくる。

Img_2027  他方で、現在、豪華列車、プレミアムトレインへの需要というものは、一応あるようだから、広々とした個室寝台、窓を大きく設計した食堂車、ダブルデッカー車に組み込まれた個室寝台や、格安で乗れるダブルデッカーのレガートシート車とミニサロン、などを組み合わせて、豪華なブルートレインとすれば、九州への非有効時間帯における旅客輸送の需要はあるとも思うのだが。

Img_2030  ブルートレインの明日を考えると、豪華列車とする以外にも、例えば新幹線と相性の悪い空港を、在来線にて運行されるブルートレインで結ぶ、という方法もあるように思う。関空と成田を結ぶ、伊丹と羽田の最寄駅を結ぶ寝台特急、というのもあっていいのでは、と。朝一の旅客機に間に合うダイヤを組み、アピールすれば、利用者もあるのではないか。

Img_2037  開放型B寝台の場合、これはかなり前の話、三段式から二段式としたことで、寝台料金が上がってしまっているが、寝台券と同じ料金、安い料金のビジネスホテルが普及し、新幹線が高速化する中で、どうしても釣り合わないように思う。特急料金と併せると、これ、もう少し安ければ、と思うのだけれども。

Img_2047  さて、富士はやぶさ号、いよいよ出発時間が迫ってきた。既に、京都駅の新幹線ホームは、運行を完全に終了しており、近鉄京都駅も回送電車を蛍光灯が照らしている。在来線も、京都駅の最終電車一本を残すのみ、これからは、夜行列車としてのブルートレイン、本領発揮というべき線路を進むのみだ。

Img_2052  特急はやぶさ号。平日なのだが、廃止間近の列車は、どの列車も同じであるように、かなりの乗車率。それにしても、いつ寝るのだろうか、というくらい、車内は盛況のようで、ビデオカメラにて車内から撮影している方もいた。もしかして、これまでの停車駅も全てそうしたのだろうか。

Img_2066  はやぶさ号と、富士号を連結している部分。はやぶさ号が先頭なので、はやぶさ富士号、と表記するべきなのかもしれないけれども、EF-66に掲げられたヘッドマークは、富士はやぶさ号、となっているので、このように表記している。ちなみに東京行きの編成は、富士はやぶさ号、という順番の編成となっている。

Img_2073  富士号。ゆっくりと加速していったブルートレインは、既に富士号が目の前に来る瞬間には、速度を上げていて、すこし写真がブレてしまった。ISO感度とシャッター速度を瞬間瞬間にマニュアルで設定して撮影するのだけれども、方向幕の部分は、もう少し速い速度で撮ってもいいのかもしれない。

Img_2080  前日とは異なり、今回は跨線橋を渡って停車している六番線に移動はせずに、そのまま最初撮影した五番線から発車する列車を見送った。時間は深夜、冷え込む京都駅のホームから、撮影に足を運んだブルートレインファンの方々は、液晶にて収めた列車の雄姿を確認しつつ、家路についていった。

HARUNA

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