北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

Jアラートシステム改修へ政府検討-相次ぐ情報錯そう受け,しかし不規則機動弾道弾へは探知能力強化が必要

2022-11-10 07:00:21 | 国際・政治
■臨時情報-ミサイル防衛
 脅威が核攻撃の懸念である以上は誤報を恐れている場合ではないと考えるのですが。

 政府はJアラートシステムの改良方針を発表しました。これは相次ぐ北朝鮮弾道ミサイルの発射に対して、ミサイルの飛翔方向とは異なる地域への警報が発令した事例や、日本本土上空を飛翔した後の発令、日本本土上空を飛翔していないにもかかわらず不規則飛翔経路を追尾しきれず本土上空の飛翔情報を発令した後に訂正するなどが相次ぐためという。

 Jアラートシステム、早期警戒機を日本海上空に常時滞空させるならば、正確な情報が得られるかもしれません。それは現在のミサイル監視は日本本土のレーダーサイトに頼るものであり、弾道ミサイル飛翔経路から距離があるとともに、自衛隊のレーダーは防空監視用、航空機の領空侵犯を想定したものであり、弾道ミサイル監視専用のものは無い為です。

 Jアラートシステム、必要なのは従来の弾道ミサイルの様な放物線を描いて飛翔するものではなく、近年北朝鮮は極超音速滑空兵器を筆頭に探知されにくいミサイル開発を進めており、従来の監視手段では正確な情報が得られない、つまり相手の技術進歩に合わせた探知能力の近代化というものが求められるのです、当然それには相応の予算が必要とはなる。

 空中警戒監視、例えばE-7A早期警戒機を5機程度増強する事が出来れば、24時間365日連続で警戒監視が可能でしょう、浜松基地に4機のE-767早期警戒管制機が配備されていますが、任務は航空戦闘全般の戦域航空統制であり、ミサイル防衛専従に用いる事は出来ません、E-2C早期警戒機がありますが長時間飛行を想定したものではなく対応は難しい。

 イージスシステム搭載護衛艦、政府はミサイル防衛専従の専用護衛艦建造計画を立てています、この計画がどのように展開するかは現時点で未知数なのですが、現在のDDGは艦種区分が防空駆逐艦であるように、長期間一定海域に遊弋し警戒監視にあたる艦ではありません、この計画はこれから建造設計し建造するため、実用化は2027年頃となるでしょう。

 ミサイル防衛専従の艦艇が一定数揃えば、情報の正確性は増すとは考えられるのですが、兎に角現状は不規則軌道の弾道ミサイル、そして北朝鮮は核弾頭の搭載実用化を進めていますので奇襲の懸念は払しょくできず、しかも日本は政策として核抑止政策を選択肢から排除しています、Jアラートで退避姿勢は大変でしょうが、当面は耐える他ないでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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