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ウクライナ情勢-クルスク戦線・ウクライナ東部戦線・ベラルーシ国内ロシア軍動向

2024-09-14 07:00:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 戦争全般の概況を纏めました。戦闘を支えているのはロシアのT-72とウクライナのT-64、重装備の備蓄というものの重要性を当事者両国が痛感しているところなのでしょうが本邦はようやく来年度から。

 クルスク戦線について、ISWアメリカ戦争研究所は9月8日のウクライナ戦況報告において、ウクライナ軍事評論家のマショヴェッツ氏見解を引用、8日までにロシア軍はクルスク戦線を維持するためにロシア軍はシベルスクとクラマトルスクに向けられている侵攻部隊から部隊を抽出していると分析していて、兵力抽出の役割を果たしたとした。

 ロシア軍はウクライナ侵攻部隊から第106空挺師団より1個連隊と偵察大隊、クラマトルスク正面から南部軍管区の第20自動車か狙撃師団の自走砲兵大隊を抽出し、クルスク州に再配置したもよう。ただ、ロシア軍はクルスク州での行動を拘束と牽制にとどめている可能性があり、ロシア軍はウクライナ東部での軍事行動を依然として重視しています。■

 ベラルーシ国内のロシア軍動向について、ISWアメリカ戦争研究所9月8日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ国境警備隊デムチェンコ報道官のはなしを引用する形でベラルーシ国内にはウクライナに直接脅威を及ぼすことの出来るロシア軍部隊は存在し無いという見解を紹介しています。ただ、ロシア軍そのものは駐留しているもよう。

 ベラルーシ国内には2023年のロシア軍とベラルーシ軍の合同演習のために1万名から1万2000名規模のロシア軍兵士が展開していたものの、ロシア軍は演習終了後に徐々に撤退させ、新しい部隊をおいていないと分析しています。ただ、ISWは踏み込んだ説明をしていませんが、結果的にキエフ防衛にウクライナ軍部隊を拘束していたこととなります。■

 ウクライナ東部戦線の概況について、イギリス国防省は9月7日付のウクライナ戦況報告のいてヴフレダール近郊で戦術的成果を拡大させたと分析を発表しました。ヴフレダールはドネツク市の南西30kmに位置しています。ヴフレダールはウクライナ軍にとりドネツク州南部における兵站拠点であり、ロシア軍にたいする防衛要衝のひとつ。

 ヴフレダール近郊での戦闘は8月中にヴォディアネ村落とプレチスティウカ村落を占領したもようです。そしてロシア軍の攻撃はこの二つの村落にとどまらずさらに前進しており、ヴフレダールの東西地域において前進、ここを占領することはロシア軍の長期目標とされており膨大な犠牲とともに先月までそれを戦果に結びつけられなかった地域です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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