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【京都幕間旅情】仁和寺,紅葉の極彩色包む御室御所は光孝天皇勅願の西山御願寺から始まる衣笠山麓の壮大寺院

2022-12-14 20:00:34 | 写真
■宇多法皇の御室御所
 紅葉の季節というと長い様でそう長くは無くどう巡るかを考えつつ秋の一時を考えるものです。

 仁和寺、おむろ桜が有名な仁和寺ですが桜の落葉は椛や楓に銀杏の紅葉よりも遥かに速いものの、その御室桜の木々が冬支度を終えてしまった後の仁和寺には、その深い歴史と広い境内とともに奥深い紅葉の彩が、見上げる衣笠山を借景に広がっているのです。

 御室御所、こうしょうされます仁和寺は京都市右京区御室大内の、きぬかけの路を金閣寺から龍安寺と等持院など延々散策していますと広がりまして、その途中に三万の学生が研究と探針を広げる立命館大学の巨大なキャンパスよりも、広々と寺域を湛えている。

 真言宗御室派の仁和寺はかつて法皇となった出家後の宇多法皇が門跡を務めた事から御室御所、こう称されるようになりました。あの御室桜も、元々高貴な方の頭上に広がるのは畏れ多いということで、低い桜の品種を交配した非常に低い桜花が咲く、そんな寺院です。

 太陽というのは気まぐれ、といいますか文字通り数分の時間により傾いていってしまいます、傾く、これは日没が早いという晩秋から冬を思わせる表現と思われるかもしれませんが写真を撮影するという上ではおもしろい効果も生むのですね、その一つが過剰露光で。

 紅葉、これは要するに椛や楓のいろづきとなるのですが、真上から直射日光となりますと、どうしても下の方まで梢に太陽の光は及びません、薄くなっている葉とはいえ、日光は遮るものですから、しかし太陽が傾くと、思いもしない小枝にも太陽の光が届き輝く。

 逆光でも紅葉や桜花については、透き通るように色彩が強調されますので、逆に美しい場合がある、なかでも新緑と紅葉については過剰露光となりますと逆に太陽の光が強調される、というのがおもはゆいところです、しかしこの太陽の光は刻々と移ってゆくのです。

 数分というものが本当に大事、と思うのは散策していますと先ほどまで陰でどんよりとしていた角度のところがほんどうにルビーの宝石のように輝いていたりしますので、一辺倒のまわるだけの拝観ですと気づかないというかくどや情景、いや絶景がこれほどに多い。

 西山御願寺、もともと仁和寺は光孝天皇の勅願で造営が始りました西山御願寺という名の寺院です、その造営は仁和2年の西暦886年に始まったということですが、晩節を悟り出家を志していたその光孝天皇は翌年崩御、残念な事に落成を見前に崩御してしまいました。

 宇多天皇が継いだ皇位とともに西山御願寺はその翌年仁和4年、つまり西暦888年に落成式を迎えています。そして元号から仁和寺としました、こうした経緯があります寺院ということで、宇多天皇は法皇宣下と共にこの仁和寺の住職となり、高い格式の寺院となった。

 仁和寺、おむろ桜の季節だけは、寺に入る際に拝観料を納めることとなるのですが、そのほかの季節には宸殿と書院、そしてその前に広がる庭園についてだけは拝観料が必要なのですが、国宝に指定されています金堂はじめ、五重塔などは自由に拝観者へ開かれている。

 金堂に手を併せ拝みますとともに拝観の順路と歴史を思い浮かべますと、考えてみると東寺も清水寺も東福寺も大徳寺も、京都の寺院は本堂にあたる建物というものは拝観料をほぼとっていないのですよね、清水寺も本堂は受付の前、拝めるといえば拝めるのです。

 五重塔、此処を見上げます一角には休憩所が用意されていまして、屋根も在れば自販機もある、しかしその一角では巨大なテレビモニターが用意されていましてお寺の歴史などを紹介している、成程なあと感心したのは、これが現代の布教なのかもしれないという点なのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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