北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【7D特報】横須賀基地軍港巡り,日米全通飛行甲板母艦と米ミサイル巡洋艦隊(2018-01-08)

2018-03-24 20:04:06 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■新春に憩う横須賀基地日米艦艇
 横須賀軍港めぐり遊覧船、EOS-M3撮影写真に続いてEOS-7Dmark2にて撮影の写真を紹介しましょう。

 7D特報、横須賀軍港巡り遊覧船20180108、20“18”年に併せ1月8日に乗船してまいりました。この日は三連休最終日となっていたのですが、おりしも低気圧の影響で列島全土は大荒れ予報、北日本では風雪や着氷への警戒を促す気象庁予報が出ていたところです。

 横須賀軍港巡り遊覧船は毎日運航されている横須賀基地周遊観光船で、2010年ごろまでは夏期のみ季節運航でしたが、乗船希望者の増大を受け、横須賀市と海上自衛隊や日米海軍交流協会、アメリカ海軍との調整を経て毎日運航が実現しました。多数の艦艇が見られる。

 京浜急行汐入駅からショッパーズプラザと横須賀基地を望見するヴェルニー公園方面へ歩みを進めますと、横須賀軍港巡り遊覧船の看板が見えてきます。遊覧船はカフェを兼ねた受付で乗船券を販売、一日五便が運航されていまして、Web予約や電話予約も可能です。

 DDH183ヘリコプター搭載護衛艦いずも、DD107護衛艦いかづち、DD101護衛艦むらさめ、AOE423補給艦ときわ、DDG171ミサイル護衛艦はたかぜ、DD152護衛艦やまぎり、護衛艦隊の精鋭だけで、吉倉桟橋、逸見桟橋を巡りますと、これだけ停泊していました。

 いずも型護衛艦については軽空母運用を想定した改修が防衛計画の大綱改訂や中期防衛力整備計画へ盛り込まれるとの報道が続いています。ヘリコプター搭載護衛艦最大のポテンシャルは多種多様な航空機を搭載する事で多様と任務に対応する事ですので妥当です、が。

 F-35B戦闘機搭載に関しては賛同するのですけれども、改修となればスキージャンプ台設置などが行われるいずも型を改修する必要はそれ程大きいのかな、とも考えます。ヘリコプター搭載護衛艦には平時の警戒監視任務があり、なかなか運用を抜ける事は出来ません。

 アメリカ海兵隊などは垂直離着陸型のF-35B戦闘機をスキージャンプ台を用いず90m程度の短距離滑走の上で発艦させている、その程度の滑走距離で充分な兵装を搭載出来る事を意味し、いずも型は勿論、90m短距離滑走は、ひゅうが型でも可能です、そのままでよい。

 護衛艦へのF-35B搭載については、まず自衛隊がF-35Bを取得しなければ始まらず、どれだけ早くとも日本にF-35B初号機到着は、例えば来年度予算補正予算に調査費や研究費と併せてF-35Bの機体購入費が計上されるような緊急取得でも、概ね五年後となるでしょう。

 軽空母運用を急ぐならば、改修という手間を省いて、先ずは岩国航空基地に前方展開するアメリカ海兵隊第一海兵航空団のF-35Bを評価試験という形で護衛艦へ着艦させる事が先決でしょう、運用能力を明確にするだけでも、護衛艦の抑止力全般は高まると考えます。

 DDG174きりしま、海上自衛隊が8隻運用するイージス艦の一隻が横須賀基地を母港としているのですが、北朝鮮による弾道ミサイル攻撃の恫喝や弾道ミサイルによる太平洋上核実験の示唆を受け、イージス艦は日本海上にて警戒中、きりしま、この日いませんでした。

 DDG54カーティスウィルバー、DDG65ベンフォード、CG67ミサイル巡洋艦チョーシン、DDG89ミサイル駆逐艦マスティン、DDG85ミサイル駆逐艦マッキャンベル、CG62ミサイル巡洋艦チャンセラーズヴィル、CG56ミサイル巡洋艦サンジャシント、イージスが並ぶ。

 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦はアメリカ海軍が初めて実用化したイージス艦として知られます。イージスシステムは1980年代より発展を続けてきましたが、常に世代ごとに、変容を続け、恰もパソコンの基本ソフト、WindowsOSのように着実に進化を続けています。

 巡洋艦が二隻並ぶ様子、世界では巡洋艦は年々減少し、貴重だ。アメリカ海軍のタイコンデロガ級、ロシア海軍のスラヴァ級、キーロフ級、等に限られています。最も14000t規模のズムウォルト級駆逐艦や中国が建造中の055型駆逐艦は巡洋艦に区分すべきでしょう。

 AGS6102試験艦あすか、AGS5105海洋観測艦にちなん、AGS5106海洋観測艦しょうなん、MST463掃海母艦うらが、MS304掃海艦あわじ、支援艦艇や特務艦も船越地区に多数が停泊していたほか、潜水艦の16隻から22隻への増勢に併せ桟橋工事の様子も見られました。

 アメリカ海軍横須賀施設、所謂アメリカ海軍横須賀基地とヴェルニー公園の中間を航行して遊覧船の旅路は始まります、日米の艦艇を望見しつつ、運が良ければ陸上からは見えにくい航空母艦の桟橋に原子力空母ロナルドレーガンが停泊しているのをみられるでしょう。

 ニミッツ級原子力空母ロナルドレーガン、五年間最高速力で航行を継続できると共に75機の空母艦載機を駆使し、1000km以内を早期警戒機と戦闘攻撃機による勢力圏内に収める事が出来、F-35B,続くF-35Cの搭載によりステルス機による航空打撃戦闘も可能となります。

 ロナルドレーガン、乗員は5000名以上、空母戦闘群を構成する場合はイージスシステムを搭載したミサイル巡洋艦とミサイル駆逐艦が周辺を航空攻撃は勿論弾道ミサイル攻撃からも防護し、海中では前衛を攻撃型原潜が継続し実施、その威力は勿論、費用も絶大です。

 空母は、しかし冷戦終結当時にはアメリカ海軍は15隻を運用していましたが、維持費の増大と艦載機の高価格化により現在は10隻にまで減退、海軍は12隻の保有を求めています。一方、後継のジェラルドフォード級原子力空母は遂に建造費が100億ドルとなり、難しい。

 アメリカ級強襲揚陸艦として航空部隊の揚陸作戦を実施する新型艦の整備を開始し、将来的には12隻を整備し、F-35B戦闘機と搭載、航空母艦の補完に当たる構想で、満載排水量は後期型で50000tを越える大型艦となりますが、早期警戒機などの搭載は出来ません。

 日本海へ北朝鮮への核開発放棄を求める圧力としてアメリカ海軍は原子力空母三隻を集中運用する久々の空母外交を展開しましたが、その分定期整備が一度に重なる事となり、集中運用後空白期間が懸念するところです。空母が今後どう発展するか、興味は尽きません。

 旧帝国海軍が掘削した吾妻島へ海上自衛隊の吉倉桟橋と逸見桟橋左手に遊覧船は航行します。ここで運が良ければ艦船入港の瞬間と出会えたり、また、日米以外の幹線が親善訪問する様子を見ることもできます。そして船は吾妻島沖を長浦湾の船越地区へと向かいます。

 船越地区には自衛艦隊司令部が置かれるとともに、掃海母艦や機雷戦艦艇、海洋観測艦などが入港しています。また横須賀地方隊の輸送艇等も船越地区に係留されていまして、遊覧船はかなり奥の方まで進み、除籍後留置やえやま型掃海艦の間近、これは貴重な情景だ。

 吉倉桟橋は吾妻島との水路を通り最後に航行します。横須賀基地一般公開にて一般に開放される横須賀の象徴のような桟橋です、昨今は逸見桟橋の完成しましたが、外洋に向け即座に出航できるよう護衛艦が並ぶ様子は印象的です。JR横須賀線からも一瞬は眺められる。

 アメリカ海軍のイージス艦多数入港、アメリカ海軍の大型水上戦闘艦に関しては全てイージス艦となっており当然ですが、日本近海での実任務増大を受け海軍作戦部長が必要としていた艦艇増強が叶った形、日本のイージス艦は出航、厳しい現状を考えさせられました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする