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ウクライナ情勢-クルスク逆攻撃開始後のウクライナ本土進攻部隊の概況

2024-08-22 07:00:31 | 国際・政治
■防衛情報ウクライナ戦争
 ISW発表を纏めました。

 クルスク逆攻撃開始後のウクライナ本土進攻部隊の概況について、ISWアメリカ戦争研究所8月17日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍はクルスクでの防御戦闘を封じ込めの体制を維持しつつ、ウクライナでの攻撃は継続しているとしています。先ず、クレミンナ北西のマキイフカとドネツク南西のポピエダでわずかに前進したとのこと。

 チャシブヤールでの戦闘ではウクライナ軍の後退によりチャシブヤール運河を渡河したロシア軍は西岸地区において僅かに前進しているもよう。ロシア軍はクルスク防衛へウクライナ侵攻部隊から部隊は抽出しているものの、旅団単位で引き抜くことはせず、旅団等の各部隊から一個大隊程度を抽出することでクルスク防衛戦闘に転用しているもよう。

 ザポリージャ州、ウクライナ南部ロシア軍の部隊抽出状況を見ると、ISWはウクライナ軍タブリスク軍集団報道官リポヴィ大尉の発表として、ザポリージャ州に侵攻しているロシア軍兵力は75000名から90000名であり、ここから1000名から2000名の兵力を抽出している模様、これがクルスクに旅団単位のロシア軍部隊が出ない背景といえる。■

 ロシア軍はかなりの捕虜をクルスク州で出している、これはISWアメリカ研究所の8月16日付ウクライナ戦況報告によるもので、徴兵や国境警備隊員とチェチェン義勇兵など2000名をクルスク州において捕虜にしたとみられています。ロシア軍は徴兵をロシア本土に置き、ウクライナ侵攻は基本的に志願兵が行うという施策を維持しています。

 徴兵制を執るロシアではありますが、ロシアのプーチン政権支持基盤は都市部であるモスクワとサンクトペテルブルクに凝集しており、また資源輸出などで多くの富裕層を抱えるロシアではありますが、その富裕層もモスクワとサンクトペテルブルクに凝集しているため、この地域での徴兵した兵士の戦死者などについては神経質な問題となっています。

 ロシア側は早い時点で捕虜交換などを持ちかけているとのロイター報道もあり、このロシア本土が直接攻撃を受けたという情報を以下に終息させるのか、また政治的影響をどのように局限化するかという問題に対応の決定打を打ち合寝ているような、そんな印象も見えます。ただ、やはりウクライナ軍の今回の狙いは未だ見えません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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