■国鉄時代の系譜
ブルートレインを横浜駅と名古屋駅で撮影したのに続き、今日は雷鳥号。第二北大路機関の方に、小松基地航空祭のプログラムと、航空自衛隊HPに掲載されていたF-15J事故後飛行再開のニュースを引用してあるので、ご入用の方は参照していただければ幸い(http://harunakurama.blog10.fc2.com/blog-entry-132.html)。
特急雷鳥号。485系電車は、伝統の国鉄カラーのまま運行されている。濃いクリームカラーにレッドストライプが配置された塗装を「こだま塗装」といい、東京と大阪を直通した特急運行の際に、蒸気機関車も運行されている時代、比較的退色や煤などにより車体塗装が汚れず、加えてスピード感を印象付けられるカラーリングとして考えられた。その後、東海道新幹線では蒸気機関車との並走なども考えられなくなり、ホワイトにブルーストライプというカラーリングが実現した次第。
485系は、国鉄最初の電車特急として知られる181系の系列車両で、481系、483系、485系とともに国鉄では最大勢力を形成した。北海道で運行される781系と車体・室内は同じであり、寝台電車である581系・583系とも走行などは共通である。183系や振子式制御装置を取り付けた381系など、設計とスタイルは長く受け継がれ、特急用としては1981年に185系が導入されるまで、国鉄特急の基本形を支えてきた。北陸本線では、国鉄急行型の車両も多数運行されているので、一時代を築いた車両たちの協奏を感じることが出来る。
敦賀駅は、交流電化と直流電化の境界線にあり、ここで485系は、一部のパンタグラフを降ろす。この駅は直流用、交流用の様々な列車を見ることが出来、加えて日本海縦貫線をゆく寝台特急もこの敦賀駅を経て日本海に達するため、その分様々な列車を撮影することが出来る。
雷鳥は、大阪駅を始発として、京都駅を経て、そして湖西線をショートカットし、敦賀に至る。終点金沢まで、福井や小松を経由する。サンダーバード号とともに大阪と金沢を結んでおり、名古屋と金沢を結ぶ、しらさぎ号とともに、金沢と大阪、名古屋を結んでいる。ちなみに敦賀は、新快速が運行されており、アーバンネットワークの末端を構成しているが、北陸方面への列車は多くなく、特急も貴重な列車として重宝されている。
485系の後継としては683系特急車の改良型が構想されているが、この車両は160km/hが可能な高性能車である。ここまで性能の高い車両が導入されるのならば、別に北陸新幹線を無理して開業せずとも、高架線を設けて極力直線化し、在来線車両を170km/h運転した方が早く目的地に就くのではないかと考えたりもしてしまう。
485系は、車内を改装することで、サービスを新型特急車に見劣りしないよう心がけている。その一時例というべきか、この編成の後部は、パノラマグリーン車となっており、限定的ながら前面展望を楽しむことが出来る座席だ。金沢駅に向けて、特急雷鳥号が長い編成を徐々に速度を上げつつ、敦賀駅を出発してゆく。
HARUNA
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