■ホイッドビーアイランド級ドック型揚陸艦
まず最初に、本日14日0656時頃、国籍不明潜水艦が四国沖の領海内に潜航しているのを、航行中のミサイル護衛艦あたご、が発見、これを追尾した。これについては、情報収集中につき、第一報を第二北大路機関に掲載したので、そちらをご覧いただければ幸い、http://harunakurama.blog10.fc2.com/blog-entry-129.html。
本日の記事は、10日に横須賀基地散策の際に入港しているのを撮影した、ホイッドビーアイランド級揚陸艦の9番艦、ハーパーズ・フェリーについて掲載。同艦は2002年9月に佐世保基地に前方展開という形で配備されたドック型揚陸艦である。ホイッドビーアイランド級揚陸艦は、1985年から1998年まで12隻が就役した揚陸艦で、艦内に上陸用舟艇を搭載するドックを有する為、こういう形式の揚陸艦をドック型揚陸艦と称している(海上自衛隊の、おおすみ型輸送艦も、定義ではドック型揚陸艦に含まれる)。
ホイッドビーアイランド級揚陸艦は、満載排水量15726㌧、全長185㍍、全幅25.6㍍、喫水は6.3㍍で、ディーゼルエンジン四基の二軸推進、馬力は37440hp。速力は22ノットで、操舵性を考慮し可変ピッチプロペラを採用した。武装は、自衛用にRAM対空ミサイル21連発射機を1~2基、20㍉CIWS2基、25㍉単装機銃2基、12.7㍉機銃8基を搭載、固有の乗員は340名で、500名の揚陸部隊を輸送可能だ。おおすみ型輸送艦は満載排水量14000㌧であるので、ホイッドビーアイランド級揚陸艦の方が一割ほど大きい。
この、ハーパーズフェリーは、9番艦であるが、9番艦から貨物搭載量を増加させるため、満載排水量が16740㌧に大型化している。これをもって、ハーパーズフェリー以降に建造された4隻をハーパーズフェリー級と呼称することもあるようだ。ホイッドビーアイランド級揚陸艦は、エアクッション式揚陸艇(LCAC)の運用を前提として建造された最初の揚陸艦である。
ホイッドビーアイランド級揚陸艦のLCAC運用能力は4隻であり、ドックは全長134㍍、全幅15.2㍍と大きい。なお、ハーパーズフェリー以降の建造艦は、貨物搭載量を増加させた分、ドックの容積が減少し、LCACは2隻しか搭載することが出来ない。後部の広大な飛行甲板は、CH-53大型輸送ヘリコプターを2機、運用することが可能となっており、隣にみえるクレーンは左右に二基あり、60㌧の起重能力がある。
現在、米海軍では、ドック型揚陸輸送艦として新型のサンアントニオ級を建造している。新型艦は満載排水量25300㌧、全長208㍍と、各国が建造する戦力投射艦や強襲揚陸艦に匹敵するものであるが、その分コストも大きい。大して、ホイッドビーアイランド級はドック型揚陸艦ながら、揚陸輸送艦並みの輸送能力も併せ持っている為、今世紀においても当分は重要な役割を担うこととなろう。
HARUNA
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