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厚木航空基地ちびっこヤングフェスタ2007 装備品展示編

2008-01-28 14:11:16 | 海上自衛隊 催事

■対潜・対艦装備と救難装備

 厚木基地ちびっこヤングフェスタ2007、最終回の今回は装備品展示について掲載したい。次回からは大久保駐屯地祭の特集(詳報)を掲載しようと思う。

Img_0808  海上自衛隊の哨戒ヘリコプターUSH-60K,今後の主力哨戒ヘリコプターとなるSH-60Kの原型である。海上自衛隊の組織改編については防衛予算19年度概算要求の27㌻を確認すると航空集団隷下に統合される、とある。地方隊から実戦部隊の航空隊を移管し、同時に地方隊の護衛隊を護衛艦隊に統合するという構想に疑問がないでも無いが、指揮系統の簡潔化という観点からは評価するべきなのだろう。

Img_0630  さて、哨戒機にしても対潜ヘリコプターにしても、潜水艦や水上艦に引導を渡すのは各種装備である。写真のハープーン対艦ミサイルはP-3C哨戒機から運用するミサイルで、護衛艦の対艦ミサイルとして、また潜水艦発射方式のものが海上自衛隊で運用されているが、写真のものは哨戒機から発射されるAGM-84.なお、艦載型のものはRGM-84,潜水艦用のものはUGM-84として運用され、この二つには空中発射型のもとに加えて発射ブースターが装備されている。

Img_0737  ハープーンは世界の艦船別冊『艦載兵器ハンドブック』に掲載されたUGM/RGM-84ブロック1D(現行生産モデル)のデータを引用すると射程は200km前後、弾頭はHE222kg、誘導は慣性航法方式とアクティヴレーダー誘導方式で、ターボジェットエンジンにより推進する。原型は1977年にマクダネルダグラス社により開発された。

Img_0634  写真はMK46魚雷。原型はアメリカにより1967年に開発され、航空機から投下する他にも艦載のアスロック弾頭として、艦載短魚雷として運用する。航走距離は現行モデルのMOD1で11km、雷速は40ノット、機能深度は460㍍。弾頭は44kgで、米海軍、海上自衛隊とNATO海軍により広く運用されている。

Img_0639  写真の魚雷は、ダミーのもので、解説には「投下訓練などに使用」とある。

 しかし、よく魚雷本体を見てみると「投下訓練使用禁止」とある。ううむ、どっちなんだか・・・。

 なお、海上自衛隊には73式魚雷や97式魚雷など、航空機から運用する魚雷が配備されている。

Img_0631  67式150キロ対潜爆弾米海軍のMK54対潜爆弾を国産化したもの。いわゆる航空機運用爆雷で、観艦式などでP-3Cから投下されていた。爆弾尾部に安全装置としてアーミングワイアに連動したピンが装着されており、取り外された上体で高速落下すると安全装置が実火状態に入る。安全装置ついていたが、これもダミーなのかな?。

Img_0735  一番大きいものが救命浮舟MK-7A、六人乗りの装備で、航空機が遭難時に機外に投下し炭酸ガスによって自動膨張して運用する。浮遊遭難者を発見した場合にも用いるとか。

 隣に置かれているものは、一人用救命筏PK-2A,やはり航空機から投下し、自動膨張させ運用する。

Img_0738  救難飛行展示において投下されていた物量傘。小さい方が5kg物量傘(5kgコンテナ(改))、大きい方が20kg物量傘(20kgコンテナ(改))。投下する前はこういった形状。尾部に落下傘が装着されており、投擲すると自動的に開傘し、制動落下する。

Img_0736  救命胴衣LPU-N1.航空機搭乗員が装着し、緊急時には十秒以内に自動で膨張し、27.2kgの浮力を得る。

 救命胴衣本体にも、いくつかのポケットが装着されており、着水後に航空機が水没した際に安全に脱出する緊急用空気ボンベや様々なサバイバルキットが装備されている。

Img_0743  隊員に手招きされて少年がミサイルの横へ、そしてポーズ。

 ちびっこヤングフェスタとか彼らのような少年少女が主役の行事と言う印象である。飛行展示が少なく、地上展示機も決して多く無いが、同時に人口密度も少ない。なるほど、白レンズにISレンズが跳梁跋扈する航空祭と比べれば、家族で楽しめる基地一般公開、ちびヤンとはそういう印象の行事であった。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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