■サミット外相会談警備へ志を新たに
本日、平安神宮にほど近い左京区は京都会館前にて、恒例の京都府警年頭視閲式が行われた。京都府警は近畿管区警察局の隷下にあり、京都府全域の治安を預る現代の新撰組である。
京都府警機動隊、管区機動隊、警察学校生徒、と、任務に応じ様々な部署の警察官が整列する。
手前は機動隊員、そしてその向こうに管区機動隊員、ここからは良く見えないが、災害派遣に対応する広域緊急援助隊や犯罪捜査をハイテク装備により迅速に支援する装備隊、警察犬部隊などが式典に参加していた。
整列した警察官は340名、整列した警察官を視閲する青木吾郎京都府警本部長。
この年頭視閲式は、一般道路を交通規制して実施されるものであるが、自由に観覧することが出来る。平日ということで、陸上自衛隊の駐屯地祭などと比較すると観覧者は少なめである。
京都を取り巻く治安状況は、今朝のBSニュースでも出ていたが、京都精華大学学生殺人事件など、今日で発生から一年が経つが犯人逮捕に至っていない重大事件もあり、更に今年には京都においてサミット外相会談の警備という重大任務が控えている。府知事は警察官を激励するとともに、府民の期待と信頼を代表して訓示した。
訓示、祝辞が予定通り終了し、分列行進準備の号令が掛かる。こうして一斉に駆け足で待機位置へ展開する。式典会場は、静から動へ、340名の警察官が上げる駆け足の号令に包まれた。
機動隊による分列行進。京都府に隣接する大阪府警の年頭視閲式は、MP-5J機関短銃を携行した軍隊のような装備であったとのことだが、幸い、京都府はそこまで治安は悪化していない。従来のジェラルミン製から更新した透明樹脂製の大盾を手に、新装備の出動服に身を包み、一糸乱れぬ行進を行った。行進とともに市民から拍手が湧き、続いて来賓席からも拍手が贈られた。
規模の小さい警察本部では視閲式ではなく、小規模な出動式により代えることもあるそうで、考えてみれば、この年頭視閲式は、京都府警が大規模警察本部であるという象徴なのだろうか。
徒歩行進に続き車両行進に移る。二列で会場に進入する白バイ隊。交通機動隊の車両で、交通取締りの他に、京都市内で行われる駅伝やマラソンなどでの出動が全国放送で流れ、その高い運転技術で知られている。よくみると、式典に参加した白バイにはライトの形状などで幾つかの種類があることが判る。
自動車警邏隊のパトロールカー。交番と並んで、お巡りさんときくと連想するものだろう。
車両行進には、パトカーを初めとして特殊車両など49台が参加している。音楽隊の奏でる“抜刀隊”とともに間近でみる警察車両は迫力満点だ。
防弾鋼板に包まれ、機銃の銃撃にも耐えるという防爆警備車(警察では市民に威圧感を与えないという配慮から防弾車両を防爆警備車といい、拳銃を短銃という)、その後ろに続く遊撃放水車、災害特殊車両、指揮車両など、京都府警の誇る特殊車両が続々と行進を行う。今年の標語は『力強い頼りがいのある警察』、古都京都の護りを象徴する車両群である。
行進の最後は京都府警航空隊が誇るBK-117型ヘリコプターが低空でフライパスした。こうして、朝、0930時から1030時に掛けて行われた年頭視閲式は幕を下ろした。平日の午前中ということで、観覧者は少なかったが、時間に余裕のある方は、来年の視閲式に足を運ばれてみては如何だろうか。
HARUNA
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)