■N700試運転にドクターイエロー
0系新幹線。夢の特急として1964年に華々しくデビュー。3000輌以上が生産され、100系が登場するまで、長く世界の高速鉄道をリードする車輌として羨望の眼差しを集めた。
100系、300系、500系と続々新しい車輌が登場する中、新世代車と比べ性能に限界がある0系は、1999年に東海道新幹線より引退し、現在は山陽新幹線にて短編成の「こだま」号として少数が運行されている。しかし、今年秋には、N700系に押される形で500系が山陽新幹線に配備され、結果、0系新幹線はついに現役から歴史へと転じることとなった。
私事ながら急遽時間が取れたので、そのまま京都駅から新大阪駅に展開。広大な大阪駅のホームに降り立った(正確には高架なので登ったというべきか)。するとN700系新幹線が、ちょうど発車するところであった。大量配備が行われるこれからは、N700系は新幹線の代名詞となり、珍しくもなんとも無い車輌になるのだろう。
と思ってよ~くみてみると、試運転!。おお、N700系の試運転、これは初めて見るかも!?。なるほど、やけに空席が目立つと思ったらば試運転だったのか。納得である。N700系と従来の700系は、先頭車輌のほかに、車体窓の大きさやLED方式の行先表示板などで容易に判別できるのだが、いきなりいると、やっぱ比べて見ないと、特に窓の大きさでは錯誤がありそうな実感である。
新大阪駅に入線する「こだま663号」広島行きの0系新幹線。現在、僅かに六編成が運行されており、山陽新幹線区間のこだま号が、本数が少ないこともあって、やはり貴重な存在である。この他、100系新幹線も六両編成のK編成と四両編成のP編成があるのだが、P編成はATS制御の関係で新大阪まで乗り入れていないとのことで、K編成の入線を待とうとも思ったが、時間的な理由で断念。
前にも述べたように思うが、新幹線導入期というのは、寝台特急が繁栄を謳歌していた時代であり、新幹線の路線網が充実するとともに、食堂車やコンパートメントを有する100系グランドひかり号などを導入、その頃までは移動ではなく旅行の一行程としての鉄道があり得たといえるのだが、500系の時代から、航空機のような形状とともにサービスも航空機並に簡素化し、今日に至る。残念な時代のようにも思う。
回送電車が入線、というアナウンス。そのホームを見るとイエロー回送電車・・・、ってどこが回送なんだYO!ドクターイエローの大阪駅入線である。22番線から階段を降りて登って20番線に向かう。2000年から導入された923系、いわゆるドクターイエローで、レールの異常検地や電気関係の測定、架線形状の検査、信号機の保安などに用いられる。
700系新幹線を改造したドクターイエローは、従来の0系新幹線改造のものではなく、270km/hでの高速走行が可能な車輌でなければ、検査がダイヤに影響を及ぼすという関係で導入されたもの。500系や100系は撮れなかったものの、いきなりドクターイエローを撮影できた小生、やはり今年はツイてるのだろうか。ちなみに、これら車輌、もう少し多くの写真があるので、折を見て掲載したい。
HARUNA
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