平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

台湾 2

2008年03月31日 | その他
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今回の楽しみの一つに,現地の台北医科大助教授 陳先生の
引率による「占い」があります。

陳先生と知り合ったのは7~8年前に千葉大の大学院に留学中の
時でした。そのころは占いの話題が出なかったため知りません
でしたが,その後,台湾に旅行したときに陳先生の占いがプロの域
に達していることを知りました。
そして,陳先生が師事した,台北でも屈指の占いの先生に観ていた
だく機会を得たわけです。普通の観光ではまずお会いすることは
できない先生なのでとてもラッキーです。

中国では占いが禁止された時期があったため,秘伝書などは皆,
台湾に移されたそうです。
日本の占いの先生方も,勉強しに行くのは中国ではなく台湾が
多いとのことでした。

占いを大きく分類すると
・命......人生全般について
    台湾では生年月日,時間から鑑定する「八字占い」(四柱
    推命のようなもの。ちなみに四柱というのは年,月,日,時間の
    四つを指し,それぞれが二文字だから4×2=8字)

・相.....「面相」。健康状態,その時の運勢などがよく現れる。
     東洋医学の望診と関係ある

・卜(ぼく).....易。ある特定の事柄を占うのに良い

となり,目的によって使い分けると良いようです。


台湾の占いの特徴は良いこと,悪いことをはっきり告げることです。
日本の占い師で流行っている先生は,鑑定が当たること以上にカウ
ンセリング的な,話を上手に聞き相手の望むことを言ってあげるこ
とができる人が多いです。
国民性の違いでしょうか。

占いの良い点は

・自分の適性,得意分野を見つけることができる。
 (向いていることは少ない努力で大きな成果を得ることが出来,
 結果として世の中のためになり収入も増える。)

・今回の人生の目的,使命を知るてがかりになる

・人生のバイオリズムを知ることにより,活動するべき時,休息する
 べき時がわかる。

・自分の体質を知ることにより養生に活用できる


占いというと怪しい.うさんくさい響きがありますが,星の出し方など
は完全に「理系」的です。


今回のツアーは「奇門遁行(きもんとんこう)」という,兵法に使う
占術を使い,最高の吉方位を取りましたので充実した楽しい旅になる
ことと思います。
乞うご期待!



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霊枢終始篇 8

2008年03月30日 | 処方・症例
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陰盛而陽虚.先補其陽.後寫其陰.而和之.
陰虚而陽盛.先補其陰.後寫其陽.而和之.

三脉動于足大指之間.必審其實虚.
虚而寫之.是謂重虚.重虚病益甚.
凡刺此者.以指按之.脉動而實且疾者.疾寫之.
虚而徐者.則補之.反此者.病益甚.
其動也.陽明在上.厥陰在中.少陰在下.

膺腧中膺.背腧中背.肩膊虚者.取之上.

重舌.刺舌柱以鈹鍼也.

手屈而不伸者.其病在筋.
伸而不屈者.其病在骨.在骨守骨.在筋守筋.



陰盛にして陽虚なれば,まずその陽を補して,後にその陰を寫して
これを和す。
陰虚にして陽盛なれば,まずその陰を補して,後にその陽を寫して
これを和す。

三脈足の大指の間に動けば,必ずその実虚を審らかにす。
虚してこれを寫す,是れ重虚という。重虚は病益々甚だし。
凡そ此れを刺す者は指をもってこれを按じ,脈動きて実かつ疾なる
者は,疾くこれを寫し,虚にして徐なる者は,則ちこれを補す。
此れに反する者は病益々甚だし。

其の動ずるや,陽明は上に在り,厥陰は中に在り,少陰は下に在り。

膺腧は膺に中り,背腧は背に中り,肩膊虚する者は之を上に取る.

重舌は舌柱を刺す。鈹鍼を以てするなり。

手屈して伸びざるものは其の病筋に在り。
伸びて屈せざる者は,其の病骨に在り。
骨に在れば骨を守り,筋に在れば筋を守る。



三脈....足の陽明胃経,足の厥陰肝経,足の少陰腎経

大指の間.....大指(母指)の周囲の間隙

膺(オウ).......むな板。
       「胸」は内部が空洞となった胸郭

膊(ハク).......上肢

舌柱......舌下の根柱

鈹鍼......瀉血の切開用に使う鍼。現代のメス 


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霊枢終始篇 7

2008年03月29日 | 古典・書籍
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凡刺之屬.三刺至穀氣.邪僻妄合.陰陽易居.逆順相反.
沈浮異處.四時不得.稽留淫泆.須鍼而去.
故一刺則陽邪出.再刺則陰邪出.三刺則穀氣至.穀氣至而止.
所謂穀氣至者.已補而實.已寫而虚.
故以知穀氣至也.邪氣獨去者.陰與陽未能調.而病知愈也.
故曰.補則實.寫則虚.痛雖不隨鍼.病必衰去矣.


およそ刺の属は,三刺にして穀気至る。
邪僻妄りに合し,陰陽居をかえ,逆順相反し,沈浮處を異にし,
四時を得ず。稽留淫泆するは須く鍼して去るべし。
故に一刺すれば則ち陽邪出で,再刺すれば則ち陰邪出で,三刺
すれば則ち穀気至り,穀気至りて止む。
いわゆる穀気至るとは,已に補して実し,已に寫して虚す。
故に以て穀気の至るを知るなり。
邪気独り去る者は陰と陽と未だ謂うこと能わずして,病愈ゆ
るを知るなり。
故に曰く,補すれば則ち実し,寫すれば則ち虚し痛み鍼に随わ
ずと雖も,病必ず衰去す。


属.....ある対象に気もち,注意をそそいで離さない。

三刺.......①初刺,次刺,三刺という刺法
    ②一回目,二回目,三回目の刺針
    ③皮膚,肌肉,分肉のそれぞれ深さのことなる層への刺法

邪.........陰陽がバランスを失ってひずんだこと。また,アンバランスによって生じる病気のこと

僻.........ひねくれていること。まともでないさま

稽留.....とどこおること

淫泆......一定の範囲,規範から勝手気ままにはみだすこと。ほしいまま,わがまま。

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台湾 1

2008年03月28日 | その他
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いよいよ台湾ツアー出発の4/1が近づいてまいりました。
今回は東洋鍼灸の皆様と,総勢12名なので,とても楽しみです。

台湾は今回4回目ですが,食べ物も美味しいし,人も優しいし,
とても好きな国の一つです。ある年齢以上(60代後半くらい?)
の人は皆日本語が話せるので,言葉も通じるところがわりとあ
ります。

日本の支配下にあった時代を生きた人達は,反日感情があるの
かな?...
と思っていたのですが,その逆のようです。もちろん,そうでな
い人もいるとは思いますが,日本人とわかるととても優しく接
してくれる人が多いです。
 以前一人で買い物をしていた時助けてくれたおばあさん(初対
面でしたが,その店の店員と間違えたくらい商品の説明など丁寧
にしてくれた)とは,帰国後に手紙のやり取りをしたほどです。

日本は台湾を支配下に置いていたわけですが,教育制度の普及な
どは,自国民に対してするのと同じように愛情を持ってやったよ
うです。そして日本の支配の後やってきた中国があまりにもひ
どかったため,「日本は良かったな」という感情を持つ人が多か
ったそうです。

そのため,漢方も日本の影響を受けた部分が多いようです。
台北の漢方薬局数件を見て歩いた時,本棚には昭和漢方の御三家

大塚敬節
矢数道明
藤平健

といった先生方の本(海賊版)が並んでいて驚いたものです。
そしてこれらの先生の本は,よく売れるとのことでした。


台湾に初めて行った時,なんとなく懐かしい感じがし,台湾に関
する人と知り合うことも多く縁の深さを感じます。
前世で暮らしていたのかもしれませんね......

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霊枢終始篇 6

2008年03月26日 | 古典・書籍
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凡刺之道.氣調而止.補陰寫陽.音氣益彰.耳目聰明.
反此者.血氣不行.
所謂氣至而有效者.寫則益虚.虚者.脉大如其故而不堅也.
堅如其故者.適雖言故.病未去也.
補則益實.實者.脉大如其故而益堅也.
夫如其故而不堅者.適雖言快.病未去也.
故補則實.寫則虚.痛雖不隨鍼.病必衰去.
必先通十二經脉之所生病.而後可得傳于終始矣.
故陰陽不相移.虚實不相傾.取之其經.



およそ刺の道は,気調って止む。
陰を補し陽を寫す。音気益々彰われ,耳目聡明なり。
此に反する者は血気行かず。
いわゆる気至って効ありとは,寫するときはますます虚す。
虚する者の脈は,大なることその故(もと)の如くして堅から
ざるなり。堅きことその故の如くなるは,適々(たまたま)快
と言うと雖も病未だ去らざるなり。補する時は益々実す。
実する者の脈は,大なることその故(もと)の如くして堅きなり。
夫れ其の故の如くにして堅からざる者は,適々(たまたま)快
と言うと雖も病未だ去らざるなり。
故に補する時は則ち実し寫する時は則ち虚す。
痛み鍼に随ずと雖も病は必ず衰え去る。
必ず先ず十二経脈の病を生ずる所に通じ,而して後に終始に傅うる
を得べし。故に陰陽相移せず,虚実相傾かざるは,之を其の経に取る
なり。





音気.....音声,こわね

故........もとのまま

適.......たまたま。ちょうど良く。ぴたりと

快.......こころよい。病気が良くなって気持ちがよい

移.......横にずれる。位置や時間がしだいにずれていく

傾......中立の状態から左右どちらかにかたむく

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「60歳からの漢方」蓮村幸兌

2008年03月26日 | 古典・書籍
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三考塾の大先輩,蓮村幸兌(はすむら さちえ)先生が本を出されました。


60歳からの漢方―からだの不調・症状を自分に合った漢方薬で改善
蓮村 幸兌
新泉社

このアイテムの詳細を見る


分類としては一般書ですが,専門家が読んでも読みごたえのある内容です。

一般向けの本なので,専門用語がわからなくても読めます。
専門用語が多いと,初学者はいきなりヤル気をなくしてしまうことが
ありますが,たとえば

真寒仮熱....自覚的にはほてっても,体内は冷えている状態

というかんじで,かなり高度な専門用語にも誰にでもわかるような解説が
ついています。
このような本は今までなかったのではないでしょうか。

蓮村先生は長年,特別養護老人ホームで診療されているので,認知症,
ターミナルケア,介護と漢方に関しての症例も豊富に記載されています。
やはり臨床,介護の第一線にいらっしゃる先生の症例は説得力が違います。

「脱水」についても蓮村先生から学びましたが,非常に重要な概念である
と思うので,授業でも必ずどこかで説明するようにしています。
このように,いろいろな影響を与えてくださった先生です。


「いちばんたいせつなことは,漢方薬を好きになることです。
恋と同じで表面的な理解だけでは惚れ込むことはできないのです」


という箇所にはまったく同感です。また,蓮村先生が「恋」なんて
おっしゃると,同性の私でもドキドキします。
実年齢を知ったときは本当に驚きましたが,いつも綺麗にしていらして,
女性としてもあこがれの存在です。

もはや大御所の域に入っていらっしゃる蓮村先生が,以前三考塾の集まりで
はるばる千葉の私の治療院までいらしたことがありました。
経絡とお灸のやり方などを説明させていただいたのですが,誰よりも熱心に
メモをし練習をなさっていらしたのが印象に残っています。
いつまでも学ぶ気持ちを忘れず,漢方を続けていれば,蓮村先生のように素敵で
いられるのかな,と希望を持ちました。

思えば蓮村先生に今まで著作がなかったのが不思議なかんじなので,
第二弾,第三弾も期待してます!
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霊枢終始篇 5

2008年03月25日 | 古典・書籍
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人迎一盛.寫足少陽.而補足厥陰.二寫一補.日一取之.
必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
人迎二盛.寫足太陽.補足少陰.二寫一補.二日一取之.
必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
人迎三盛.寫足陽明.而補足太陰.二寫一補.日二取之.
必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
脉口一盛.寫足厥陰.而補足少陽.二補一寫.日一取之.
必切而驗之.疏而取上.氣和乃止.
脉口二盛.寫足少陰.而補足太陽.二補一寫.二日一取之.
必切而驗之.疏取之上.氣和乃止.
脉口三盛.寫足太陰.而補足陽明.二補一寫.日二取之.
必切而驗之.疏而取之上.氣和乃止.
所以日二取之者.太陽主胃.大富于穀氣.故可日二取之也.
人迎與脉口倶盛三倍以上.命曰陰陽倶溢.
如是者.不開則血脉閉塞.氣無所行.流淫于中.五藏内傷.
如此者.因而灸之.則變易而爲他病矣.


人迎一盛は足の少陽を寫して足の厥陰を補す。
二寫一補。日に一たび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。


人迎ニ盛は足の太陽を寫して足の少陰を補す。
二寫一補。二日に一たび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。

人迎三盛は足の陽明を寫して足の太陰を補す。
二寫一補。日にニたび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。


脈口一盛は足の厥陰を寫して足の少陽を補す。
二補一寫。日に一たび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。


脈口ニ盛は足の少陰を寫して足の太陽を補す。
二補一寫。二日に一たび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。


脈口三盛は足の太陰を寫して足の陽明を補す。
二補一寫。日にニたび之を取る。
必ず切して之を験す。疎して之を上に取る。気和して乃ち止む。
日にニたび之を取る所以の者は,陽明は胃を主り,大いに榖気に富む。
故に日にニたび之を取るべきなり。

人迎と脈口と倶に盛んなること三倍以上は命じて陰陽倶に溢すという。
是の如き者,開かざる時は則ち血脈閉塞して気行く所なし。
中に流淫して,五蔵内に傷る。此の如き者は因って之に灸するときは
則ち變易して他病となるなり。



ニ寫一補.......①二穴を寫し,一穴を補う
      ②補法に対して瀉法を二倍行う

疎................一つずつ離れているさま

日に一たび...一日一回

切................刃物をじかに当てるようにぴたりとくっついて
     膚にこたえるさま

験...............ためす。実情を知るために色々のことをとりまとめて調べる。
     ためしの手段。

淫..............じわじわと深くしみ込む
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霊枢終始篇 4

2008年03月24日 | 古典・書籍
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人迎一盛.病在足少陽.一盛而躁.病在手少陽.
人迎二盛.病在足太陽.二盛而躁.病在手太陽.
人迎三盛.病在足陽明.三盛而躁.病在手陽明.
人迎四盛.且大且數.名曰溢陽.溢陽爲外格.
脉口一盛.病在足厥陰.一盛而躁.在手心主.
脉口二盛.病在足少陰.二盛而躁.在手少陰.
脉口三盛.病在足太陰.三盛而躁.在手太陰.
脉口四盛.且大且數者.名曰溢陰.溢陰爲内關.内關不通.死不治.
人迎與太陰脉口倶盛四倍以上.命曰關格.關格者.與之短期.


人迎一盛,病足の少陽に在り,一盛にして躁なるは病手の少陽に在り。
人迎二盛,病足の太陽に在り,二盛にして躁なるは病手の太陽に在り。
人迎三盛,病足の陽明に在り,三盛にして躁なるは病手の陽明に在り。
人迎四盛,且つ大且つ数なるは,名付けて溢陽という。溢陽は外格たり。
脈口一盛,病足の厥陰に在り,一盛にして躁なるは病手の心主に在り。
脈口二盛,病足の少陰に在り,二盛にして躁なるは病手の少陰に在り。
脈口三盛,病足の太陰に在り,三盛にして躁なるは病手の太陰に在り。
脈口四盛,且つ大且つ数なるは,名付けて溢陰という。溢陰は内関たり。
内関にして通ぜざれば,死して治せず。
人迎と太陰脈口,倶に盛んなること四倍以上を命じて關格という。
關格はこれと短期す。


盛......うつわに山もりに入れたもの。

   盛と衰はシーソーのようなもので,陽が盛んならばその分陰は
   衰えている。 
  
躁......さわがしい。うわついてざわつく。

溢(いつ)...満ちる

格......こつんとつかえる。つかえて止める

倍......そむく,二つに離れる

   解剖の剖の原字でもあり,切り離すこと。2つに分け離すと
   数は二つになる。

関......とざす。とびらにかんぬきを通して閉める


短期...死が近いこと 



ずっと一盛,二盛......ときているのに,どうして最後は四「倍」なんで
しょうね???


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軟膏教室

2008年03月23日 | その他

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今日は東洋鍼灸専門学校2年生の皆様中心の軟膏教室でした。
作ったのは

紫雲膏
あれどめ
中黄膏
太乙膏
アヌタイラ

ちょっと多すぎ?と思いましたが,皆様がテキパキと手伝って
くださったので何とか無事に終わりました。

唯一の心残りは太乙膏がなかなか固まらず,柔らかいまま容器に
詰めたことでしたが,暫く経って見てみたら容器の中でちゃんと
固まってました。
混ぜやすいようにとミツロウを少し減らしたのが裏目に出てし
まったようですが,結果オーライということで,お許しください。


以前,アーユルヴェーダの調剤をクリシュナ先生から習った時,

「ゴマ油は食べ物でもあり,他の生き物の命をもらって
いるわけだから,一滴も無駄にしないように」

と言われましたが,自分で作ったものは自然と愛着がわき,大切
に使おうという気持ちも出てくるようです。

また,今日作ったものはしまい込んでおかず,日常生活でフル活用し,
良い効果があったら周りの人にも教えてあげる,ということが
伝統医学の継承につながっていくのではないでしょうか
(ちょっと大袈裟?)。



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霊枢終始篇 3

2008年03月21日 | 古典・書籍
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謹奉天道.請言終始.終始者.經脉爲紀.持其脉口人迎.
以知陰陽有餘不足.平與不平.天道畢矣.


謹みて天道を奉じ,終始を言うを請う。
終始は経脈を紀となし,その脈口,人迎を持し,以て陰陽の有餘不足,
平と平ならざるを知る。天道畢る。

謹みて.....こまかに気を配って,狂いやもれのないように努める。

天道........天の道理,自然の法則

奉じ.......おしいただいて,大切にする

平..........穏やかにおさまるさま。何もない普通のとき

所謂平人者不病.不病者.脉口人迎.應四時也.
上下相應而倶往來也.六經之脉.不結動也.
本末之寒温之相守司也.形肉血氣.必相稱也.是謂平人



所謂平人は病まず。病まざるは,脈口,人迎,四時に應ずるなり。
上下相應じて倶に往来するなり。
六経の脈,結動せざるなり。
本末の寒温の相守司するなり。
形肉血気必ず相稱う(かなう)なり。
これを平人という。


四時......春夏秋冬

應じる...うけとめて反応をあらわす

結......脈がむすぼれる。脈が時々止まって打たなくなる。

動......動脈

(傷寒論 弁脉法)
 陰陽相搏つを名づけて動という。陽動ずれば則ち汗出ず。
 陰動ずれば則ち發熱す。
 形冷惡寒する者は,これ三焦傷なり。
 若し數脉關上にあらわれ上下頭尾なく大なること豆のごとく
 厥厥として動搖するを名づけて動というなり。
 
稱う(称う)....はかりが左右平均するように,両方が相匹敵する。
       ちょうど対応し合う。




少氣者.脉口人迎倶少.而不稱尺寸也.
如是者.則陰陽倶不足.補陽則陰竭.寫陰則陽脱.
如是者.可將以甘藥.不可飮以至劑.
如此者.弗灸.不已者.因而寫之.則五藏氣壞矣.



少氣者.脉口人迎倶少.而不稱尺寸也.
如是者.則陰陽倶不足.補陽則陰竭.寫陰則陽脱.
如是者.可將以甘藥.不可飮以至劑.
如此者.弗灸.不已者.因而寫之.則五藏氣壞矣.




気少なき者は,脈口,人迎倶に少にして尺寸に稱わざるなり。
かくのごとき者は,則ち陰陽ともに不足す。
陽を補する時は陰つき,陰を寫する時は則ち陽脱す。
かくのごとき者はまさに甘薬をもってすべく,至劑をもって
飲ましむるベからず。
かくのごとき者は灸すべからず。
已えざるものは因りてこれを寫するときは則ち五臓の気壊れるなり。


甘薬......甘みの薬。補剤のこと

至劑.....極端に激しい作用をもつ方剤

已(い)えざるものは....治らない者は


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