平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

竜胆潟肝湯

2012年04月27日 | 処方・症例
にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします

前回の過多月経により肝の機能が低下したのか、連日不眠気味に。
夜中の2時に目が覚めてしまい、朝まで眠れないという日が続き
さすがに疲れてきました。

そこで加味逍遥散を服用してみたけれど無効。
改めてきちんと観察してみると舌質は紅・舌苔は黄・脈は弦滑数。
目も血走っておりコワい。

これは「肝火上炎」というもの、いつもの加味逍遥散では力及ばず、ということで
初めて竜胆潟肝湯を服用してみることにしました。

竜胆潟肝湯は同じ名前で大きく以下の3つがあります。

①(医方集解) 竜胆草 黄芩 山梔子 沢瀉 木通 車前子 当帰 地黄 柴胡 甘草   
②(一貫堂)   黄連 黄芩 黄柏 山梔子 当帰 白芍薬 地黄 川芎 連翹 薄荷 木通 防風 車前子 竜胆草 沢瀉 炙甘草
③(校注婦人良方)竜胆草 黄芩 山梔子 沢瀉 木通 車前子 当帰 地黄 甘草


今回は③を服用。①にしなかった理由は、先日の月経血過多で血虚気味なので柴胡は除外。
②はむしろ温清飲の加味方で今回の目的と違うので不採用。

夕方に服用してみたところ、どんどん尿が出て、それとともに上半身の熱感がスーッと引き、朝までよく眠れたのです。

今回体感したのは「清熱利湿」の意味。

清熱瀉火の竜胆を主薬として、清熱の黄苓・山梔子、清熱利水の木通・車前子・沢潟、補血の地黄・当帰、と大部分が清熱利水薬です。
この処方は下焦の湿熱(排尿痛・頻尿・濃縮尿・排尿困難、あるいは陰部湿疹・陰部の腫脹疼痛・黄色の帯下など)に用いられますが、今回そういった症状は一切ありませんでした。しかし、上部の熱が下に導かれて排出されるとはこういうことなんだな、と体感できたわけです。

非情に切れ味良いのですが、冷やすものが多いですから漫然と長期に投与するのは危険です。


それにしても、たまに体調を崩してみると良い勉強の機会になるものですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研医会科学技術週間イベント「江戸時代の眼科の本」

2012年04月22日 | その他
にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします


今日で終了でしたが、研医会科学技術週間イベント江戸時代の眼科の本へ。
『眼科龍木論』をはじめ、、眼科手術の秘伝書、眼科薬方についてのふだん目にすることができない貴重な古書がズラッと並んでおりました。


知る人ぞ知る研医会ですが、リクエストしておくととてもに的確に
本をチョイスしておいてくださいます。

今回のサプライズは、何といってもこの本。

池田瑞仙による天然痘の舌診図



こんなふうに、色や凹凸がリアル


一つ一つ、厚紙をくりぬき舌診図を収めてあります。


これを調べたい!というテーマがあれば、予約・リクエストして
足を運ぶことをおすすめします。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ためしてガッテン「舌を見て100%危ない病気を見抜く法」

2012年04月18日 | その他

にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします


舌を見て100%危ない病気を見抜く法

並木隆夫先生がカッコ良く登場した!と思ったら、やがていじられキャラに変身。
どうやらテーマが「舌診」のようです。
ずいぶんマニアックなテーマも取り上げるのね、と感心。

全体的にわかりやすく、低位舌については「牛乳テスト」で解説、
理解しやすかったです。

ただ、「黒毛舌」とか「溝状舌」っていう言葉はあまり使わないのですが
あれが漢方のメジャーな用語だと思われるとちょっと困りますね。。。

それにしても漢方の診断法がこのように一般の人にわかりやすく公開され嬉しく感じます。
自分の舌を観察して健康状態をチェックするのは、危険もなく無料でできますので
日々の習慣にすると良いですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

牛黄の開竅作用

2012年04月17日 | 処方・症例

胸がドキドキして熱っぽくてよく眠れず、食欲がでない.......

これは恋?
いえ、残念ながら二日酔いでした。

通常ならば五苓散+黄連解毒湯でOKなのですが、なぜか今回は今ひとつ。

そこで私は「牛黄」を服用してみることにしました。

牛黄とは
ウシの胆嚢中に生じた結石を粉末にして乾燥したもの
【出典】神農本草経
【効能】開竅、強心、鎮静、鎮痙
【性味】苦、凉
【処方】六神丸、牛黄清心丹

1カプセル服用して床に付いたのですが、なかなか眠れず時計を見たら2時。
そこでさらにもう1カプセル追加し4時近くにやっと寝付くことができました。

翌朝は7時に目が覚め、3時間しか寝てないわりには頭も体もスッキリした感じです。
ところが股間に何やら違和感を感じ確かめてみると、10日以上も早く月経が始まって
いるではありませんか。
こんなに大きく周期が狂うことはほとんどないのでビックリ。
しかも出血量が通常の倍近くあり、午後はやたら眠くなってきました。


これって、牛黄の開竅作用でしょうか?

・飲酒によって発生した熱が出口を求めた結果、牛黄の開竅作用の助けで経血とともに排出された
・しかし、その勢いが強過ぎ出血過多で血虚

そこで人参単味の「独参湯」を服用したら元気になり、こうしてパソコンに向かっています。

今回は牛黄の作用の強さを体感。
それとともに、これだけ作用が強いと妊婦や妊娠を希望している人には慎重に
しようしないと危ないなとも思います。

以前、友人から残念ながら死産の胎児を排出する際、牛黄を使って驚くほどスムーズにいったと
いう症例を聞いたことがあります。

高価なので、これまで使用した経験はそれほど多くなかったのですが、
様々な疾患でここぞという時に強力な味方になってくれそうです。


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駒込散策

2012年04月13日 | その他

にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします




昨日は駒込散策へ。


丸ノ内線・茗荷谷駅からスタートし
     ↓
 東大医学部旧校舎
     ↓
 石川植物園 赤ひげ養生所跡、井戸
   薬草園
     ↓
 本駒込吉祥寺、高林寺
  佐藤家
  緒方洪庵墓
  温知社初代山田業広墓
     ↓
  東大本郷の方に移動、東大医学薬学関係者銅像、医学歴史博物館閲覧


昨日は暑かった!半袖になりたいと思ったほどです。
前日の風雨で桜は散ってしまったかな、という予想に反して満開の箇所が多く
得した気分。

 桜満開!の播磨坂桜並木
こんなものも発見
東大医学部旧校舎(素敵な洋館、うっかり外観写真撮り忘れ!)
小石川植物園へ。こちらも桜満開
 薬草園。毎月訪問の価値有り

桜とモミジ。モミジの花がとてもかわいくて綺麗

本駒込吉祥寺、高林寺へ

佐藤静墓

こんなところに二宮尊徳様が!

順天堂大学の供養墓

山田業広墓。残念、碑が隠れてしまってます!

緒方洪庵墓墓碑

漢方VS蘭方!緒方洪庵墓からは山田業広墓が視界に入る!

ここで東大本郷へ移動
ミュルレル像

下山順一郎

ベルツとスクリバ

相良知安碑。

ここで終了!

1人では絶対無理なハードなコースも、同好の志と共になら楽々制覇。
今日も楽しかった、幸せ!と飲んだお酒の美味しかったこと。。。









コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

植物画(ボタニカルアート)

2012年04月10日 | その他
春は何かをスタートするのに良い時期!
特に今年は壬辰年、まったく新しいことを子供のように始めると良い年です。

ということで、以前から興味のあった植物画教室に申し込みました。


「新入生」の私が漢方をやっていることを話したら、先生が

「植物画はもともと、英国のプラントハンター達が各地へ派遣され記録
 するためのものでした。薬学ともとても関係が深いのですよ」

と説明してくださいました。
なるほど、テキストにも「キク科の花の構造・舌状花と頭状花」などの図が
載っていて薬用植物学の教科書のようです。

初日はガーベラを持っていってスケッチしたのですが、絵を描くのは高校生の
時以来。なかなかうまくいきません。


「ここは誰かと競って一番になる。。とかいうところではないから、まずは自分の
好きなように、思うように描いていいのよ。」

と、先生。
他の先輩方もやってきて、「初めてなのに上手だね」とか「ここはこうした方がいい」
とか教えてくれます。


帰りは鉛筆や絵具などを買いそろえるために専門店へ。
ここもまったく未知の世界で面白かったです。

目標は牧野富太郎先生!
でも、まずはまっすぐな線が引けるようになるところから始めなくては。。


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安保徹先生講演「医者いらずの生き方革命」

2012年04月09日 | 処方・症例
免疫革命
クリエーター情報なし
講談社インターナショナル

「免疫革命」をはじめ、多数の著書のある安保徹先生の講演を聴きに行ってきました。
安保先生は以前から鍼灸の「刺絡」にも注目されていますので、以前から興味がありました。

「昔は飢えて寒くてという環境で交感神経優位だったから青ばなをたらした子供が多かったでしょ。
でも今はいないですね。
そのかわりに、副交感神経優位でなるアトピー、喘息が多くなりました」

東北訛の混ざった朴訥な口調。
わかりやすい例を挙げて先生の理論の説明が始まりました。

免疫力を担っているのは血液中の白血球で、それは顆粒球とリンパ球に大別される。
交感神経優位になると顆粒球が増加し組織を障害し化膿性の炎症が起きる。
副交感神経優位になるとリンパ球が過剰になりアレルギー疾患が起こりやすくなる。
この白血球の中の顆粒球とリンパ球の割合は自律神経にコントロールされており、自律神経はその人の精神状態により変化する。

原因不明の難病やガンも、じつは全て原因が解明されている。
無酸素状態の解糖系に、ミトコンドリアが入ってきたというところから
先生の理論の説明が始まりました。


東海林のり子さんとの対談では安保先生の1日の過ごし方も紹介。

日の出と共に起き雑巾がけなどして体を動かし、日中は目一杯仕事(交感神経優位)
   ↓
6時には帰宅しモーツアルトか演歌を聴く。
   ↓
入浴、夕食、韓国語の勉強等趣味の時間
   ↓
9時に就寝


一番印象に残ったのは

「生き方の間違いが原因でなった病気を、薬で治すことはできない」

という言葉。

高血圧といっても、先生が医師になった頃の正常値は180以下だったのに
今は140。コレステロールも善玉とか悪玉とか勝手に解釈しているけれど
それはおかしい。
どちらも元気で活動的な人は高くなる数値であり、薬で下げるものではない。

東海林のり子さんも先生の大ファンで、枕元には先生の本を5冊くらい置き熟読し、
病院へはお産の時以外行ったことがないそうです。

医者に頼らず、自分で治す。
安保先生の考え方は、これからの時代にこそ必要とされるのではないでしょうか。


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の疾患

2012年04月03日 | 処方・症例

ここのところ増えてきた症状として

・不眠
・皮膚疾患
・風邪
・神経痛

などが挙げられます。

春は自然界と同様、体内で「風」が動き移動性の痛み、精神の不調などが現れやすい季節です。
暖かくなって急に薄着になり、風邪をひく人も先週あたりは多かったですね。

また、病気の芽も出やすい時期で養生が重要な時期でもあります。
春の過ごし方については、以前の記事
春の養生「素問・四気調神大論」
に書いたとおりですが、もう一度ポイントをまとめておきます。

・早寝早起きして散歩
・何事もゆったりした気持ちでする
・体を締めつけるような服、髪型はしない
・他人や自分を褒める。責めたり叱ったりしない


春は色々な植物が芽吹き、散歩をするのも楽しい季節です。
先日はこの「ふきのとう」が密生している場所を見つけてしまい、収穫していたら
あっというまに時間が過ぎ、あやうく遅刻しそうになりました。。。

「ゆったり」もほどほどにしなくてはいけないですね。


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする