平地治美の漢方ブログ 

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太乙膏 3

2008年03月09日 | 処方・症例
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「和剤局方(わざいきょくほう)」について


太乙膏は「和剤局方」に収載されている処方です。

唐の末期から混乱していた国が960年に統一され、宋という国が成立しま
した。
宋代は、経済的にも、文化的にも、非常に発展し,三大発明といわれている
木版印刷術、火薬、羅針盤なども発明されています。
そして宋代には経済的な利益ばかりを追求する現象がうまれました。その
結果,薬剤の値段が高くなったり、薬の品質がかなり悪くなるという状況が
うまれてきたわけです。
 そこで、政府は、国として対応策をたてるということになり、国で薬局
を経営して、材料が良く品質の保証された生薬を用意し、適切な値段で売
るというような組織を作りました。まず全国の医者からそれまで秘伝とし
て公開されることのなかった良い処方を献納させました。さらにそれを中
央で再検査して、臨床的に有効だということを確かめたものだけをそこで
扱うようにしました。その処方を本に編纂したものが、和剤局方です。
初刊は、1078年です。

和剤局方の特徴

第一の特徴は、薬局方(Pharmacopoea)の成立の要件を満たした世界最
初の公定書であることです。ここに、薬局方成立の要件として、四項目を
あげることができます。

(1)国の事業として取り組まれ、複数の医師によって編纂されていること。
(2)治療効果が優れた処方が選択され、薬物の品質や、調整法、分量等が
   規格化されていること。
(3)この処方集が国家機関によって刊行され、専門家の間で重視されたこと。
(4)この処方薬にのっとった製剤が官営の薬局によって一般に販売されて
   いること。


第二の特徴は、独特な薬効評価の表現がされていることです。
薬効評価は3つのランクに分類されています。

(1) 普通よりも優れている処方.............「これを服すべし」
(2) 上記よりも効果の良い処方.............「いずれも皆、これを治す」
(3) 最大級の薬効評価がされている処方..「神効つぶさに述ぶべからず」
    (これは「効き目は著明で、効果の範囲を言葉では言い表せない」
    ということです。)

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