平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

三考塾の閉塾

2012年12月27日 | 学会 勉強会 お知らせ


この写真は7~8年前、先生のご自宅で皇漢医学を勉強した帰りのものです。
1~2ケ月に1回、5年くらい通わせていただいたでしょうか。
帰りに駅まで送ってくださる途中、

「あなたと写真を撮ったことがなかったね!よし、記念に一枚撮ろう!」


すみません、今日、デジカメ持ってないです。。。
と言いかけたのですが先生はスッと写真館の前で立ち止まり

「よし、ここだ!」

とおっしゃるではありませんか。

「先生、すみません。今日写真を撮るとは思わなかったのでお化粧もしてないし
 こんな普段着ですけどいいんでしょうか。。」

「それでいいの、それがいいの!」

写真館で写真を撮るなんて何年ぶりだったでしょうか。

「お孫さんですか?今日は何かの記念日で?」

と、普段着の私達に不思議そうな顔の写真館のおじさんに

「そうね、勉強記念日よ!ハハハ」

と先生。
こんな先生とだったから、漢方を楽しく勉強し続けられたのだなあとしみじみと感じます。

数年前に体調を崩されてから三考塾の回数は減りましたが、寺師先生も傷寒論の講義を
担当してくださっていました。
心の支えとなっていた三考塾が今年一旦終了となるのはとても淋しく感じます。
しかし先生の年齢や体調のことを思えば、今まで開催してくださったことに感謝して
これからは自分の足で歩いていかなくてはならないのかもしれません。

突然の閉塾に体調がお悪いのでは?と心配になり先日久しぶりに訪問したところ、
相変わらずお元気で安心しました。
今は執筆活動に専念していらっしゃり

「これを書き終わる98才までは生きたい!」

とのこと。
寺師先生からネガティブな言葉や愚痴を聞いたことは未だ嘗て一度もありません。

塾はひとまず終了ですが、漢方の心を伝えるということにおいて寺師先生の右に出る人は
居ないと思います。
先生にはまだまだ活躍していただかねばならないですね。


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お屠蘇を作ろう!

2012年12月22日 | 処方・症例



お屠蘇に関しては2009年1月1日の記事屠蘇に書きましたが
宝酒造株式会社が行った「お屠蘇に関する意識調査」によると
「お屠蘇を飲む慣習の由来や意味を知っている人はわずか2割」 という結果だそうです。
この数字は若い世代になるともっと低くなると予想され、伝統が廃れつつあることを
表しています。
ちょっと寂しいですね。。。


実はお屠蘇は意外と身近な食材で作ることが可能です。
スパイス売り場にあるもの

桂皮(シナモン)
丁字(クローブ)
陳皮(みかんの皮)
山椒
生姜(ジンジャーパウダー)

など組み合わせて、自分だけの「マイお屠蘇」を作ってみてはいかがでしょうか。
ひとつまみずつほぼ同じ量を混ぜるだけですが、陳皮を多めにすると飲みやすいようです。

私の薬局でも以前はメーカーから取り寄せた既製品を配っていましたが、昨年から生薬を粉砕し
自分で作るようにしました。
この作業がけっこう楽しかったりします。
なんでも自分で作ると愛着が湧くし工夫したりするもの。

皆さんもお試しください。



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「しもやけ」の養生

2012年12月14日 | 処方・症例
今日、しもやけの患者さんが3人もいらっしゃいました。
皆さまそれぞれ、今年は例年よりできるのが早いと仰っておりました。

治療としては

お灸、刺絡する、紫雲膏を塗る
漢方処方は「當歸四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」

などが代表的ですが、予防法としては
とにかく「体を冷やさないこと」が大切です。

しもやけの患者さんは冷飲食、甘いものが好きな方が多く、今日の患者さん達も皆、
手足だけでなく体が冷えきっていました。

しもやけで温めるというと手袋や靴下ばかりに注意が向きがちですが、
体幹部を温めることも重要なのです。
体としては重要な臓器を温めることが最優先で、余力があれば手足に向かうからです。

食養生では

・生姜、ネギ、少量のニンニク、根菜類など体を温める食材を取り入れる
・甘いもの、果物、生野菜など体を冷やすものを控える
・水分を取り過ぎない
・食べ過ぎない

入浴法では、よく温まった後に冷たい水をかぶる「水治」で冷えを根本的に改善することも
おすすめです。

せんねん灸のようなお灸を自分でするのはおすすめですが、針で血を出すのは
感染症の危険性もありますので、鍼灸院の専門の鍼で刺絡してもらってください。




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医林改錯2 逐お湯

2012年12月05日 | 処方・症例
医林改錯は解剖学を重視した書のせいか、駆瘀血剤の記載がとても多くあります。


(血府逐瘀湯)
     当帰9g 川芎9g      紅花9g  桃仁12g         甘草3.0 赤芍9g  枳殼6.0 牛膝9.0 地黄12.0
                                                  柴胡各6.0 桔梗5.0
                                                    
(膈下逐瘀湯)
五霊脂9g 当帰9g 川芎6g 延胡索3g 紅花9g 桃仁9g 丹皮6g 烏薬6g 甘草9g 赤芍6g  枳殻5g  香附3g

(少腹逐瘀湯)
五霊脂6g 当帰9g、川芎3g 延胡索3g                       赤芍6g     蒲黄9g 小茴香1.5g 
                                         没薬3g  乾姜3g 桂皮3g


いずれも10味前後の処方ですが、こうして並べて構成生薬を見比べてみると
よく考えて創薬されているなあと感じます。

血府逐瘀湯は桃紅四物湯の加減方とも言えるけれど、柴胡や地黄も入っていて
応用範囲が広く、OTC製剤化されているのも頷けます。
ですので「血府」とは横隔膜以上を指しますが、実際に使ってみると月経痛や下肢静脈瘤
などにもよく効いてしまったりします。
どのような時に使うのか医林改錯には次のような項目が列記され、それぞれ解説が記載されています。

「血府逐瘀湯所治症目」
頭疼
胸疼
胸不在物
胸任重物
天亮出汗
食自胸右下
心裏熱名曰燈籠病
■ 悶 
急躁
夜睡夢多
■逆俗名打咯■
飲水即嗆
不眠
小児夜啼
心跳心忙
夜不安
俗言肝気病
乾嘔
晩発一陣熱



横隔膜より下にある膈下、少腹になってくると「五霊脂」が入ってきています。

五霊脂ならではの効果というのを体験したことがないのでまずは自分でと
思うのですが、、、「これってムササビの糞なのね」と思うとなかなか
服用する気になれず今に至っております。


「膈下逐瘀湯所治症目」
積塊
小児痞塊
痛不移處
臥則腹墜
腎瀉
久瀉

「少腹逐瘀湯」にはこのような形式の記載ではなく、瘀血による小産など
の症例が記載されています。


他にも「逐瘀湯」とつく処方は
通竅逐瘀湯、身痛逐瘀湯、會厭逐瘀湯、
などの記載があります。


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