日本には古くから盲人を守るための優れた制度がありました。
「検校」というのはその制度の中の役職名です。
第五十四代仁明天皇の皇子である人康(さねやす)親王は若くして失明。
隠遁した人康親王は自分と同じ盲人を集め、琵琶や管絃、詩歌を教えたそうです。
人康親王の死後、側に仕えていた盲人に検校と勾当の2官が与えられ、これが
「検校」と呼ばれる盲人の官位の始まりといわれています。
その後しばらく下火となってしまったこの制度が活気づいたのは江戸時代。
幕府は盲人が男性盲人の互助組織「当道座」に属することを奨励しました。
かなり自治的な運営が行なわれ、 検校の権限はしだいに大きなものとなり、
社会的にもかなり地位が高く、関東の座を取り締まる「惣録検校」になると
十五万石程度の大名と同等の権威と格式を保ちました。
江戸時代には優れた音楽家となる検校が多く、その後の音楽界大発展の大きな
原動力となりました。
生田検校(生田流箏曲の始祖)、
八橋検校(京都のお菓子「八ッ橋」は八橋検校が由来!)、
尾張藩の吉沢検校
などのように、専属の音楽家として大名に高待遇で召し抱えられる検校もいました。
また杉山和一のように鍼灸医として活躍したり、塙保喜一のように学者として名を
馳せた検校もいます。
視覚障害は世襲と関係ないため、平曲、三絃などの音楽または按摩・鍼灸の業績が認められれば
一定の期間をおいて検校まで73段に及ぶ盲官位が順次与えられました。
しかしそのためにはとても長い年月がかかり、早く取得するためお金による盲官位の売買も公認され、
当道座によって自治的に各盲官位が認定されるようになりました。
ではお金で検校になるには?
最低位から順次位階を踏んで検校になるまでには総じて719両が必要であったそうです。
1兩が現在のいくらに相当するのか?
1兩≒4万円として計算したとしても300万円近い金額です。
按摩師が貯めるには大変なことと想像できます。
そこで官位の取得に必要な金銀取得を助けるため、元禄頃から幕府は高利の金貸しを認めていました。
特に幕臣の中でも禄の薄い御家人や小身の旗本等に金を貸し付けて、暴利を得ていた検校もおり、
「不知火検校」でも富の市が按摩師の他にサイドビジネスとして旗本にお金を貸す場面があります。
私達鍼灸師の憧れの人・杉山和一も金貸しをやったのかしら?
なんだかイメージできません。。。
「不知火検校」ではお金儲けのためなら人殺しも平気でする、という按摩師の検校が主人公ですが、
清貧に甘んじてコツコツお金を貯め、悪いことを一切しないで実力のみで検校になる
正義のヒーローみたいな検校物語も作ってほしいですね。
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「検校」というのはその制度の中の役職名です。
第五十四代仁明天皇の皇子である人康(さねやす)親王は若くして失明。
隠遁した人康親王は自分と同じ盲人を集め、琵琶や管絃、詩歌を教えたそうです。
人康親王の死後、側に仕えていた盲人に検校と勾当の2官が与えられ、これが
「検校」と呼ばれる盲人の官位の始まりといわれています。
その後しばらく下火となってしまったこの制度が活気づいたのは江戸時代。
幕府は盲人が男性盲人の互助組織「当道座」に属することを奨励しました。
かなり自治的な運営が行なわれ、 検校の権限はしだいに大きなものとなり、
社会的にもかなり地位が高く、関東の座を取り締まる「惣録検校」になると
十五万石程度の大名と同等の権威と格式を保ちました。
江戸時代には優れた音楽家となる検校が多く、その後の音楽界大発展の大きな
原動力となりました。
生田検校(生田流箏曲の始祖)、
八橋検校(京都のお菓子「八ッ橋」は八橋検校が由来!)、
尾張藩の吉沢検校
などのように、専属の音楽家として大名に高待遇で召し抱えられる検校もいました。
また杉山和一のように鍼灸医として活躍したり、塙保喜一のように学者として名を
馳せた検校もいます。
視覚障害は世襲と関係ないため、平曲、三絃などの音楽または按摩・鍼灸の業績が認められれば
一定の期間をおいて検校まで73段に及ぶ盲官位が順次与えられました。
しかしそのためにはとても長い年月がかかり、早く取得するためお金による盲官位の売買も公認され、
当道座によって自治的に各盲官位が認定されるようになりました。
ではお金で検校になるには?
最低位から順次位階を踏んで検校になるまでには総じて719両が必要であったそうです。
1兩が現在のいくらに相当するのか?
1兩≒4万円として計算したとしても300万円近い金額です。
按摩師が貯めるには大変なことと想像できます。
そこで官位の取得に必要な金銀取得を助けるため、元禄頃から幕府は高利の金貸しを認めていました。
特に幕臣の中でも禄の薄い御家人や小身の旗本等に金を貸し付けて、暴利を得ていた検校もおり、
「不知火検校」でも富の市が按摩師の他にサイドビジネスとして旗本にお金を貸す場面があります。
私達鍼灸師の憧れの人・杉山和一も金貸しをやったのかしら?
なんだかイメージできません。。。
「不知火検校」ではお金儲けのためなら人殺しも平気でする、という按摩師の検校が主人公ですが、
清貧に甘んじてコツコツお金を貯め、悪いことを一切しないで実力のみで検校になる
正義のヒーローみたいな検校物語も作ってほしいですね。
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