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昨日の午後は友人の結婚式・披露宴でした。
彼女とは以前職場が同じだったのですが,人柄の良さや笑いのツボが
似ているということもあり出逢ってすぐに好きになりました。
ずっと漢方を続けている数少ないライバルでもあります。
式に至るまでのいろいろないきさつも聞いていただけに,感激もひと
しおでした。
帰り道にふと
「漢方で結婚生活について書かれていたものはあったかな?」
と思い,いろいろ調べてみました。
結婚=子供を作る
ということで,子作りに関連する記述は沢山あるのですが,結婚の心構
えみたいなことが書かれている本はほとんどないようです。
唯一,見つけたのが以前も何回か登場した中神琴渓先生の「生生堂養
生論」の中の「婦人の養生」の項です。以下に訳を抜粋します。
婦人の養生
婦人の立場はみな夫に準ずるものだ。
婦人の養生は幼い頃は親に従い,結婚したら夫に従い,老いては子に従う。
この三つの従う道を会得して自分勝手にしないのが大切なのだ。
夫の父母には孝行し,夫には貞淑に,子供には慈愛を示さなければならない。
ただ自分が努力すべきなのは衣食に関することだけと思いなさい。
どんなことでも表面に出るのは夫の役目で,婦人が関係することではない
のだ。ささいなことでもさしでてはいけない。
「牝の鶏が朝の時を告げる家は滅びる。」
と孔子も戒められた。いつも愛想がましくケラケラ笑い,役にも立たない
言葉を吐き出し,利口顔をしないように。右のようなことに気をつけなけ
れば,大きな災いを招き,夫に恥を与えて後悔し,心を苦しめる病気を生じ
て不養生となる。
時候の挨拶と,人を誉めるだけでただニコニコと笑っていればよい。
そうすれば人から不満を言われず,気を滞らせることがないから,これが
養生になるのだ。あまりに言葉が多く利口ぶれば,夫もついには嫌気がさ
すだろう。意見しても聞き入れず,近づければ思い上がり,遠ざければ恨む
から,夫に見放されて離婚される心配を生ずる。子供があれば迷って離婚
しなくても,自然と疎まれるから,ついには嫉妬や激しい怒りを生じて自分
から病気を招く。これは多言と利口顔の不養生から起こる病気なのだ。
「嫉妬」に関しては香月牛山の「婦人寿草」にも
婦人嫉妬の情深き時は心下の焔(ほのお)やむときなく,火は物を消滅する
の理なれば,真陰の水を煎耗す。..........嫉妬の婦ははらむことなし。はらむ
といへども,必ず小産をなす......」
と記載があります。
「嫉妬」は不妊や早産などにもつながる,立派な病因なのですね。
なるほど....
琴渓先生の教え,今の時代に守るのはとても難しそうですね。
でも,
「多言と利口顔の不養生」
これはいつも心にとめておいて気を付けようと思いました。
さすが琴渓先生,いつの時代にも通じる深い教えですね。