平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

中黄膏 1

2008年03月04日 | 処方・症例

にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ1日1クリックをお願いします
3/23の軟膏教室に向けて,しばらく軟膏について書いていこうと
思います。

中黄膏(ちゅおうこう)は2種類の生薬(ウコン,黄柏)が配合
された黄色の油性軟膏です。紫雲膏と同じく華岡青洲の創薬で
「黄連膏」という軟膏を改良して作ったといわれています。

この軟膏の一番の特徴は清熱作用です。
イメージとしては「黄連解毒湯の軟膏版」といったところでしょ
うか。
よく使う症状は

・急性化膿性皮膚疾患(はれもの)の初期、
・うち身、ねんざ
・動物に噛まれた時
・鼻孔中の腫れ物
・産後乳房炎の初期

浅田宗伯の勿誤方函(ふつごほうかん)には

「膿の有無を問わず,新旧を論ぜず,毒を散らし熱を除く。血毒,
痔毒,疳毒,頑癬,たむしなど,およそ熱痛するものを治す」

とあります。

発赤や腫脹が起こって熱を持ち痛んでいるようなケースで試してみる
とよいです。
清熱作用が強いため,アトピー性皮膚炎のかゆみにも使うことができ
ます。紫雲膏は乾燥性のかゆみには良いですが,炎症性のかゆみには
今ひとつなので,使い分けていただくと良いですね。紫雲膏とミック
スして使うと,清熱+潤肌で「温清飲(うんせいいん)」のようなか
んじになります。

その他に解毒作用や止血効果も期待できるので、患部が化膿して膿
を持つような場合や、出血がある時にも使われます。
打ち身にも良いです。私は打撲には没薬・乳香を混ぜて使っています。

相性の良い内服薬としては

 黄連解毒湯
 温清飲
 荊芥連翹湯
 柴胡清肝湯
 白虎加人参湯
 消風散

などの,清熱作用のあるものが挙げられます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする