平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

日本伝統鍼灸学会・創立 40 周年記念学術大会 

2012年10月29日 | 学会 勉強会 お知らせ
2012年10月27日(土)~28日(日)に
タワーホール船堀にて日本伝統鍼灸学会・創立 40 周年記念学術大会が開催されました。

40周年の節目にふさわしい、豪華なメンバー。
特に楽しみにしていた会頭の吉元昭治先生、京都大学の武田昌時先生の講演は素晴らしかった!!

一般演題もレベルの高い発表が多かったようですし、シンポジウムも今後の発展につながる建設的な
熱い討論でした。
もっと時間があれば。。と思うのは毎回のことですが。

「先生、どこにいたの?」と数名からメールをいただきましたが、皆様に背を向けて司会アナウンスを
しておりました。学生さんの参加者も多かったようですね。

プログラムは以下。
来年は9月に京都で開催されます。


27日(土)
09:20   開会式

09:25~10:05 一般演題
「散鍼について」埼玉 宮川浩也
「季節の邪と募穴の運用」埼玉 蓬原なつこ
「商業誌『医道の日本』における日本鍼灸流派の調査研究」滋賀 森 洋平
「国内外のモグサ製造に関する現地調査」千葉 松本 毅

10:05~11:00 会長講演
「現代における伝統鍼灸の立ち位置」日本伝統鍼灸学会会長 形井秀一

11:00~12:00 会頭講演
「中国伝統医学と道教」吉元医院院長 吉元昭治

12:00~13:00 昼食/ランチタイムセミナー(2F平安)
「風気と腹証」鍼灸経絡研究紘鍼会会長 松本俊吾

13:00~14:00 招待講演
「鍼術、灸法の思想史的考察」京都大学人文科学研究所 教授 武田時昌

14:00~14:30 一般演題
「小児片麻痺の一症例」福岡 平野木代衣
「20年前の交通事故による古傷への治療によって完治した初期潰瘍性大腸炎の一症例」東京 折笠和矢
「リウマチ性多発筋痛症と診断された両足底痛の1症例」東京 竹下 有

14:30~15:00 国際部
*14:00~15:00 学生セミナー�(2F平安)
「触診技術:手作り、気」花田学園 光澤 弘、後藤学園 高橋大希、素霊学園 手塚幸忠、呉竹学園 船水隆広

15:00~15:10 休憩

15:10~17:30 実技供覧
古典鍼灸研究会 天満 博
積聚会 原オサム
東洋はり医学会 中田光亮
経絡治療学会 馬場道敬
弦躋塾 首藤傳明

18:00~20:30 40周年記念祝賀会

28日(日)

9:00~10:00 一般演題
「知熱灸(井上恵理先生考案)の臨床追試」和歌山 中野正得
「頚肩背部痛が遠隔部への鍼灸治療で改善した一症例」茨城 室仁見
「アトピー性皮膚炎の弁証・証候と季節の関連性~アトピー性皮膚炎の内経気象学」兵庫 橋本浩一
「「天・地・人-標幽賦治療」(第2報)―胸部の愁訴を対象として―」東京 水上祥典
「『灸による養生のすすめ』鍼灸の裾野を広げる実践的試み」東京 小泉洋一
「日本鍼灸の社会的存在に関する一考察-その制度的な特異性に着目して-」千葉 箕輪政博
*9:00~10:00 学生セミナー(2F平安)
「触診技術:手作り、気」花田学園 光澤 弘、後藤学園 高橋大希、素霊学園 手塚幸忠、呉竹学園 船水隆広

10:00~11:00 特別講演
「体表をみつめる伝統鍼灸-体表を診察・治療の場とする科学的根拠とは-」明治国際医療大学大学院研究科長 矢野 忠

11:00~12:00 教育講演 
「日本文化の知識体系と伝統鍼灸」株式会社七沢研究所 代表取締役社長 七沢賢治     

12:00~13:00 昼食/ 総会

13:00~16:00 シンポジウム
メインテーマ 「日本伝統鍼灸の確立に向けて」
サブテーマ「小括」、「日本伝統鍼灸のベースとは」  
副会長   小林詔司
副会長   篠原昭二
副会長   宮川浩也
学術部長  戸ヶ崎正男
学術部アドバイザー  松田博公

16:00   閉会式                  




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シンポジウム『近代医学の父 ― 北里柴三郎』

2012年10月21日 | 学会 勉強会 お知らせ
本日2012年10月21日(日)14:00~16:45
北里大学白金キャンパス・薬学部コンベンションホールにて
北里研究所創立100周年・北里大学創立50周年記念シンポジウムが開催されました。

『近代医学の父 ― 北里柴三郎』
プログラム 14:00~14:10 開会挨拶

14:15~14:45 基調講演(1) 中村 桂子 氏(JT生命誌研究館長)
『微生物の狩人』から『遺伝子の狩人』へ。そしてまた。

14:45~15:15 基調講演(2) 佐野 眞一 氏(ノンフィクション作家)
北里柴三郎・後藤新平・長与専齋 ~衛生立国をめぐって

15:30~16:45 総合討論
・中村 桂子 氏(JT生命誌研究館長)
・佐野 眞一 氏(ノンフィクション作家)
・岡本 拓司 氏
(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
・田中 勇悦 氏(琉球大学大学院医学研究科教授)
・山崎 光夫 氏(作家)
・森  孝之 氏(北里研究所 北里柴三郎記念室次長)


受講前に、山崎先生の著書

ドンネルの男・北里柴三郎〈上〉
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


を読んでおいてよかった!

今日の講演で話題に出た後藤新平、長与専斎、石黒直悳、福沢諭吉、青山胤通、、、等
皆登場しておりますし、時代背景が自然に理解できます。
世界的な活躍をして功績も大きいのに、なぜか北里先生について書かれた本がない、
それならば自分で書いてしまおう、ということで誕生した作品だと仰ってました。

シンポジウムは定員の倍以上の応募があったというだけに、予想以上に充実した内容でした。

北里先生の「実学」とは、勉強したことを世の中のために役に立てること。
しかし現代の「役に立つ」=「お金になる」に偏り、人を育てたり幸せにするという
ことが軽視されているのではないか、という中村先生の言葉が印象的でした。

山崎先生は最後に、

「敷地内には東洋医学研究所があり、早い時期から漢方も研究して
いたのは、幸田露伴が武見太郎に与えた影響が大きかったのではないか」

という発言をなさいました。

実学の精神は研究者だけでなく、もちろん臨床家にとって大切なもの。
北里柴三郎先生から学ぶことは、まだまだたくさんありそうです。



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10月芸術祭大歌舞伎

2012年10月19日 | その他
新橋演舞場で芸術祭10月大歌舞伎を観てきました。今回は前から3列目の中央の席がとれてラッキー。

歌舞伎の技のように、鍼や処方を美しくキメたい。。なんて思いながらいつも観ております。
大塚敬節先生も歌舞伎がお好きだったそうですね。

今回観た夜の部は松本幸四郎さんが弁慶、市川団十郎さんが富樫で、昼はこれが逆になるそうです。

幸四郎さんの弁慶、これまで観た舞台の中での最高傑作でした。
まさか「勧進帳」で泣けるとは思わなかった。

持てる力を全てぶつけていらっしゃるのが伝わってきて、その迫力がものすごくて、
何度も鳥肌が立ちました。。感動で呆然としてしまいました。
私だけじゃなくて、見ていた人はほとんどそうだったんじゃないかと思われ、
最後に弁慶が一人、花道を通って退場する時の場内の大きな拍手はいつまでも続いておりました。 


以前、幸四郎さんが「勧進帳」インタビューで

「苦しみを勇気に、悲しみを希望に変えて差し上げたい」

と仰っておりましたが、今回本当に勇気づけられ、「明日から一所懸命生きよう」と心から思える舞台でした。




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テイ鍼

2012年10月14日 | 鍼灸
写真は佐藤金銀店で作ってもらったテイ鍼です(テイの字は金+是です)。

「ていしん」とは霊枢・九鍼十二原第一に記載されている九鍼の1つで「刺さないハリ」。
鍼を刺されることが怖い、鍼の刺激に敏感な患者さんに対して、刺さずに治療するができます。

鍼灸学校で習うのは毫鍼(細い、刺すハリ)を使った治療がほとんどで、鍉鍼や員鍼など刺さない鍼が使われることはあまりないでしょう。
私も、石原克巳先生に師事して初めて手にしました。

鍉鍼を使って気を操作をすることにより、経絡を通じさせて気血を調えることができます。

向かって右がプラチナ、中央は金、左は銀です
実際の臨床では

     金.....補法
プラチナ、銀.....瀉法、疎通

と使い分けております。

今年は夏バテの患者さんが多かったので、頭にプラチナで施術することが多かったですね。
頭や目ががスッキリした、頭痛が治った、よく眠れた、、、等の
嬉しい御報告をたくさんいただきました。

弘法筆を選ばず、、となりたいところでもありますが、やはり良いものは良いですね。
念願のテイシンを手に入れ施術できる喜びを、日々味わっております。


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「歴史秘話ヒストリア▽いつまでも若々しく!徳川家康と水戸黄門 華麗なる健康ライフ」

2012年10月04日 | 学会 勉強会 お知らせ
面白かった!勉強になった!

徳川家康は長生きして天下を統一するため、
徳川光圀は歴史書を編纂するため、
貝原益軒は病弱な自分と妻のため、

それぞれが自身の健康を追求したその方法、という三部作の構成。


「鳴かぬなら 鳴くまで待とう。。」
というのは、確かに自分が健康でなければできないことだなと納得。
ライバルより長生きして長期戦で天下を取る、という発想はすごい。
(それにしても家康の「鳥犀円(うさいえん)」という処方は知らなかった。)

以前、後楽園の散策で知った「朱舜水」が薬膳料理も教えていたということに驚き。
「大日本史」編纂だけでなく、船で北海道に行こうとしていたとは。。
光圀はスケール大きいチャレンジャーだったのですね。


そして我らが山崎光夫先生は貝原益軒の健康法について

「記録して健康状態を観察した、当時としてはパイオニアであった」

とコメント。
それにしても人生50年の時代に、病弱でありながら85才まで生きたというのはスゴい!
大塚敬節先生の
「ひび割れた茶碗でも大切に使えば長持ちする」
という言葉を思い出しました。


何をするにも健康で長生きというのは長期戦に持ち込める。そして
老いてますます楽し」と言えれば最高ですね。
   ↑
貝原益軒の言葉(山崎光夫先生の著作)


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今夜放送!「歴史秘話ヒストリア▽いつまでも若々しく!徳川家康と水戸黄門 華麗なる健康ライフ」

2012年10月03日 | その他
本日2012年10月3日(水)
NHK総合 22時00分~22時45分

歴史秘話ヒストリア▽いつまでも若々しく!徳川家康と水戸黄門 華麗なる健康ライフ

山崎光夫先生のコメントが出るかも?しれません。


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第22回漢方治療研究会

2012年10月01日 | 学会 勉強会 お知らせ
第22回漢方治療研究会に参加してきました。

東洋医学会が「学」寄りだとすると「術」寄りのこの会、私はとても好きで毎年参加しています。

今年も演題を発表する機会を与えていただきました。


1人で臨床をやっていると、使う処方が狭くなってきてしまったりするものですが、

いろいろな先生方の発表を見ていると、ああ、こんな処方もあったっけ、

使ったことないけど今度こういう患者さんが来たら使ってみよう、

などと刺激を受けたりするものです。

月経随伴性気胸の症例、葛根湯で脱毛治った症例をはじめ、他にも興味深い症例が多かったです。


会頭講演の「大塚恭男先生から学んだこと」、とても面白かった!

大塚恭男先生は研究のイメージが強かったのですが、臨床家としても素晴らしかったのですね。

「スメタナのモルダウ」をバックミュージックにして紹介された「大塚語録」は

大笑いのものもありましたが、大塚先生の優しさと感性の豊かさがしみじみと伝わってくるものが多く、

「いつか、こんな臨床家になりたいな」と素直に思いました。


清熱補気湯、清心蓮子飲といった意外な処方を多用されていたことも初めて知りました。



ちょっと早めに退散して、寺澤捷年先生、山崎光夫先生とともに新橋の新橋亭で油井さん追悼夕食会。

お二人のやりとり、そのまま対談記事になりそうな内容でした。


寺澤先生が臨床の極意を掴んだように、山崎先生も物を書くのに大切なものを森鴎外の作品から掴んだ。

一所懸命に求めていたら、ある時ふと、掴んだ感覚を得たそうです。

異分野でありながら、深い部分で共感して何度も握手を交わすお二人(紛れて私も握手)。



臨床家は患者さんが治ること、作家は読者が読んでくれることを至上の喜びとしますが、

共通するのは関わった人を喜ばせること。

場合によってはその人の人生を変えてしまうこともあるわけです。


山崎先生は寺澤先生を評して

「体は細身ですが、心や理想は太く、たくましく、また楽しく優しい方。

 権威でありながら偉ぶらない優れた先生。」

さすが作家、的を得ていらっしゃいます。



追悼にしてはずいぶん明るく盛り上がった食事会。

この縁を作ってくれた油井さんも、きっと喜んでくれたはずです。


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