平地治美の漢方ブログ 

漢方(漢方・薬膳・鍼灸...)全般についてのブログです。コメント大歓迎。

寺澤捷年先生回顧録

2013年07月24日 | 古典・書籍
現在、小太郎製薬の「漢方研究」誌に連載中の、「漢方・我が人生の遍歴」(全15回)。

名医がたどってきた人生を、丸ごと見渡せる名文です(しかも面白い)。

漢方界における寺澤先生の功績は臨床の他にも教育・政治・国際問題など多岐に渡るものであり、
周知のことなので今さら私がここに記す必要もありません。

その寺澤先生がどのようなきっかけで漢方を志し、現在に至ったのか。
知りたかったのは私だけではなかったはずです。
皆がこのような回顧録を待ち望んでいたのではないでしょうか。

この回顧録には、寺澤先生の学生時代からの小説になりそうな
エピソードがたくさん出てきます。
先生が師事した藤平健先生、小倉重成先生といった昭和の大御所が登場するのも見所の一つで、
読み進めるうちに千葉古方の思想や流れも自然と頭に入ってきます。

その中の、婚約中にヒマラヤの未踏峰に登頂した一文が、ツムラWEBマガジンに掲載されております。

その他にも
奥様との出会いから結婚までの過程(なんと藤平健先生が愛のキューピット!)、
マラソンの途中でリタイアしてカツ丼を食べてしまったり、
意気込んで開始した漢方勉強会が飲み会に変化してしまったり、
など、先生の人間らしい面も率直に描かれていて、親近感が湧いてきます。

そしてこんな様々な経験が活かされて、今の先生の臨床があるのだなあ、としみじみと感じました。


これからの連載の続きが楽しみです!


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陳世銘先生 来日講演会のお知らせ

2013年07月23日 | 学会 勉強会 お知らせ
「経絡と漢方治療について」

漢方から鍼灸・易経・風水・観相学と、幅広い研究と知識を
「経絡と漢方治療について」と題して、
日本で手に入る漢方薬を様々な疾患に経絡との関係で、どう使えるのか。
誰でも使える漢方薬の使い方をお話します。
午後は、座談会形式で「易経風水」など
幅広い先生の研究を多方面からお聞きします。
日本語が堪能な先生に、各々の興味の沸くところからお話をお伺いしましょう。

陳世銘
学歴: 国立千葉大学医療薬学博士  中国廣州中医薬大学医学博士
現職: 台湾台北医学大学薬学院准教授
專攻: 漢方、中医学、鍼灸、易経風水、相学など

開催日時:2013年7月28日(日)
午前の部:10:00~12:00 [経絡と漢方治療について]
午後の部:13:30~15:30 [座談会]

場  所:東京都中央区豊海区民館
東京都中央区勝どき六丁目7番8号
電話 03-3536-4005
・都営地下鉄大江戸線勝どき駅下車A3出口 徒歩10分
http://www.tafuka.co.jp/tokyo_chuo/tsukishima_toyomi.html
参加費用:午前の部 5000円  午後の部 5000円
定 員: 30名
申込先: エヴァクリエイト 水島一誠
東京都港区白金1-3-16-301
電話:03-5789-6995
メール:elhs@elhs.net
振込先:三井住友銀行 目黒支店 普通 6665885
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱中症に減塩は危険

2013年07月10日 | 養生
先週は茨城伝統生薬研究会、東洋鍼灸専門学校公開講座で立て続けに熱中症についてお話させていだきました。

参考資料として熱中症環境保健マニュアル
よくまとまっているので使わせてもらいました。
(送料着払いで環境省から送ってもらうこともできます)

そこにも書いてありますが、梅雨明けくらいの今頃から熱中症が急増するので要注意です。


80代女性 腰痛で来院している患者さん
ここ最近足がつるということでしたが、脈が結代しており脱水気味のようです。
もともと味付けが薄いものがお好きな方でしたが、血圧がやや高いので減塩を始め
お味噌汁を飲むのをやめていたそうです。

熱中症の初期の症状のひとつに、塩分の欠乏による筋肉の「こむら返り」があります。

夏場の減塩は危険であること、減塩で血圧降下をするのはもともと味付けが薄い方にとって
意味がないことを説明して食事を元に戻してもらったところ、症状が改善したようです。


水だけ飲んでも塩が足りないと、場合によっては低ナトリウム血症、水中毒になる危険性も
あります。

日本には味噌、梅干しという優れた伝統食があるのですから、しっかり活用して夏を乗り切りましょう。

にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

九州散策 北里柴三郎

2013年07月09日 | 散策
中津から小国の北里柴三郎記念館








熊本県阿蘇郡小国町は阿蘇山の北方に位置する美しい町です。
生家跡の二階からの風景


昔はもっと何もなかったんだろうなあ、こんなのどかな所でよく学問を志したなあ、と感心。
ここで幼少より厳しいしつけを受け、親戚に預けられて伯父から四書五経の手ほどきを受けたそうです。

やがて熊本医学校に入学、そこでオランダ人医師マンスフェルトの指導を受けて医学の道を志し、
上京して東京医学校(のちの東京大学医学部)で学び、ドイツへの留学を果たします。
ドイツ留学時代には破傷風菌純培養に成功し、世界的な研究者として高い評価を受けるのですが
日本に帰国した北里への視線は冷ややかで失業状態に。
その理由は先輩にあたる人物に学問的な批判をしたことをもって“恩知らず”とされてしまったから。

そこで救いの手を差し伸べたのが福沢諭吉でした。
支援を受けた北里は数々の困難を乗り越えて私立伝染病研究所を設立し、感染症の予防と治療法の研究に従事しました。
また、わが国最初の結核治療専門病院土筆ケ岡養生園を設立して結核予防と治療にも尽力しました。

野口英世をはじめ多くの優秀な弟子も育成しています。

そんな北里の伝記といえばやはり
北里柴三郎(上)―雷と呼ばれた男 (中公文庫 や 32-2)
クリエーター情報なし
中央公論新社


北里柴三郎(下)―雷と呼ばれた男 (中公文庫 や 32-3)
クリエーター情報なし
中央公論新社


真面目一辺倒ではなく、新橋芸者に熱をあげたり感情のまま雷(ドンネル)を
落としたりという人間的な面も描かれていて親近感がわきます。

人種差別などがなければノーベル賞をもらっていたはず。
もっと評価されるべき人物の一人だと感じます。


にほんブログ村 健康ブログ 漢方へ漢方ブログランキングに参加しています。 
 ↑ このマークを1日1クリックをお願いします
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする