平地治美の漢方ブログ 

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霊枢終始篇 1

2008年03月19日 | 古典・書籍
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凡刺之道.畢于終始.

およそ刺の道は終始に畢る

刺.........鍼のこと

終始.......始めから終わりまで,という意味の他に「循環する」という
    意味があります。また,柴崎保三先生の本には

    「終始とは大宇宙の根本原理たる,陰陽両輪よりなる車輛を
     其の上に架して走り続ける軌道である。そして人は,その
     軌道の上に正しく乗って行動する時に健全な生命現象を
     営むことができるのである」
 
    と書かれています。
    つまり,そこをに乗っていれば間違いのないレールのことを
    「終始」と呼ぶようです。

畢る(おわる)...尽くす,出し尽くす,全部もれなくけりをつける



明知終始.五藏爲紀.陰陽定矣.


紀......①のり,いとぐち
   ②物事のはじめ
   ③はじめから順序良く整理するための手順.すじ道



陰者主藏.陽者主府.陽受氣于四末.陰受氣于五藏.
故寫者迎之.補者隨之.知迎知隨.氣可令和.

(陰は蔵をつかさどり,陽は府をつかさどる。
 陽は気を四末にうけ,陰は気を五蔵にうく。
 故に寫はこれを迎え,補はこれに随う。
 迎を知り,随を知り,気を和せしむべし) 

故に....かならず

  
迎......←こういう方向に来る相手に→こういう向きで出迎える。
   「流しそうめん」みたいなかんじでしょうか。

   中にある邪に対し,かみあい交叉させて外に連れ出す事であり,
   学校で教わった「流注に逆って刺す」という記述はどこにも
   ありませんでした。

随.....したがう。その物事やその時のなりゆきにまかせる

   易経に「沢雷随(たくらいずい)」という卦があります。
   一時的に主体性を捨て,臨機応変に従うことをよしとする卦です。
   しかし,少女(沢)に長男(雷)がしたがうという不安定なものです。


   和氣之方.必通陰陽.五藏爲陰.六府爲陽.傳之後世.
以血爲盟.敬之者昌.慢之者亡.無道行私.必得天殃.

和気の方は必ず陰陽に通ず。五蔵を陰となし六府を陽となす。

これを後世に伝え血をもって盟となす。
之を敬するものはさかえ,之を慢にするものは亡ぶ。
無道にして私を行えば必ず天の殃を得る


血をもって盟をなす.....禁服編で雷公がやった,例の儀式(口の周りに血を塗る)

敬......うやまう。心身を引き締めてていねいにする

慢......あなどる。いいかげんにあしらう

殃(おう,よう)......わざわい
コメント
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