(秋の過ごし方については
2008年8月7日の記事「秋の養収」
もご参考ください)
「スポーツの秋」「食欲の秋」と言われる日本の秋は、一年中で最もさわやかな季節です。
秋のキーワードは「収」。
生命力をからだの内側にしまいこみ、春~夏に身に付けたものを発揮する時期です。
秋は物事を仕上げたりまとめたりするのにふさわしい季節ですので、
スポーツの試合や学芸会などの発表会にふさわしい季節といえるでしょう。
これに反して、秋になって何か新しいことを始めようとすると秋の気である肺を傷めます。
また「実りの秋」「食欲の秋」は、食べ物の少なくなる冬に備えて、よく食べてからだに蓄えておくという
動物本来の姿と言えるでしょう。
だんだん寒くなって、日が短くなり心の中で物寂しさを感じ、情緒が不安定になったり感傷的に
なりやすくなります。
感性が研ぎ澄まされるので芸術に親しむのにも良い季節です。
キリリと引き締まった気分になり、人や自分に対して厳しくなりがちですが、
行き過ぎはいけません。
まもなくやって来る冬を迎えるためにも秋のようにさわやかに過ごしたいものです。
夏の暑い時期には、皮膚の毛穴は開き、発汗や皮膚呼吸により老廃物や水分の代謝が活発になって
いますので、咳や鼻炎など呼吸器系に病気を持っている人でも比較的過ごしやすい季節でありますが、
秋口に入り、朝晩がめっきり涼しくなってくると、そうはいきません。
肺に影響するのは冷えだけでなく、秋も深まってくると乾燥の気が盛んになり、
ノドや鼻の粘膜や皮膚表面も敏感になってきます。
皮毛が閉じた結果、途端にノドや鼻に負担が掛かってきます
秋の過ごし方は、以下のことに気をつけてください。
1.薄着をしない
気の勢いが外向きから内向きに変わるので、皮膚の防衛力が手薄になります。
薄着でからだの熱や水分を逃がしたりして、かぜを引かないように気を付けましょう。
汗をかいたらすぐに拭いてください。
2.汗をかくような激しい運動は避ける
激しい運動でエネルギーの消費や汗の発散を強めてしまうことは、自然に逆行することになり、
来るべき冬に向け健康を維持できなくなります。
3.悲しまない、憂鬱(ゆううつ)にならない
心静かに、気持ちをできるだけ平穏に保ち、心配事や悲しみで感傷的にならないよう気を付けましょう。
そのような気持ちになったら、おしゃべりをしたり、カラオケなどで大きな声を出して発散しましょう。
4.眠り過ぎない
長く寝ていると、秋と関係の深い肺気が虚すといわれています。
肺が弱っている人にとって、体を休ませ過ぎることは、気のめぐりをますます悪くします。
早寝早起きを心掛けましょう。
5.燥を潤すもの、旬のものを食べる
ゴマ、もち米、うるち米、ハチミツ、梨、ビワ、などはからだを潤してくれます。
果物は水分が豊富で潤す働きがありますが、それ以上に冷やす作用が強いのでとりすぎないように
しましょう。
さつまいも、里芋、山芋、ごぼう、れんこん、ニンジン、茸、ブロッコリー、などの秋野菜を
積極的に取りましょう。
さんま、いわし、さばなどの魚も脂がのっておいしい季節です。

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