医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

参議院選挙結果は、マスメディアの誘導に沿ったものとなった

2007年08月04日 | マスメディア

 参議院選挙結果は、
   マスメディアの誘導に沿ったものとなった

 このたびの参議院選挙は、自民党惨敗・民主党大勝、護憲勢力後退という結果になりました。  
  この参議院選挙に向けて、マスメディアを動員しての世論誘導が、あまりにも露骨だと感じたことから、公示日の前日(7月11日)に、
最近のマスメディアの報道傾向で、資本(多国籍資本)の企図が見えたhttp://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/3f06e9f4f8eb4595ca4eb9b0b5814e73 という記事をエントリーしました。 
  共産党、社民党、9条ネットなど、護憲勢力の前進を望む立場から、警鐘をささやかながらも鳴らしたのです。
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  最近のマスメディアの報道傾向で、資本(多国籍資本)の企図が見えた

  
参議院選挙を前にしての、新聞をはじめとするマスメディアの報道傾向は、民主党に風を送り、与野党逆転を誘導しています。
  小泉政権のさまざまな悪政のつけが、痛みとして実感されるところに到り、大衆の怒りが増大しています。さらに、後継の安倍政権の実態は、無茶苦茶とか、お粗末としか、言いようの無いもので、国民の支持を大きく失っています。
   こうした状況を踏まえて、資本とりわけ権力を手中にしている多国籍資本は、政権交代やむなしとして、その受け皿としての小沢民主党を用意したといえます。 そして、格差解消など内政部分の一部手直しや、弱者救済などはさせるものの、対外政策については、アメリカと一体となってのグローバリズム・新自由主義的な世界展開は継続させる、という企図が見えたといえます。

  現在の日本の状況は、20~10年前のイギリス、サッチャー政権、メイジャー政権、そして労働党のブレア政権という流れと、きわめて状況が似通っていると感じています。

   昨年の8月、拙ブログの記事で、そのことを指摘しています。その大部分を再掲しておきます。http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/f9f394bf0ee88d8a9eb1db0e54d27748
  (再掲部分省略)


  共産党・社民党・9条ネットの統一戦線の構築を

  
政治的統一戦線=政治的共同組織作りが、この参議院選挙に向けて、その努力が続けられましたが、残念ながら成就されませんでした。  

  しかし、その努力の過程から、憲法とりわけ9条を護り生かすという共通項で、参議院選挙をたたかう政治組織・9条ネットが結成されました。    

  参議院選挙で、与野党逆転を実現するにしても、マスメディアの誘導にそっての、小沢民主党を大勝させるのではなく、共産党・社民党・9条ネットの大きな前進が無ければ、展望は切り開けないと考えます。
   そして、共産党・社民党・9条ネットの統一戦線の構築を願いながら、憲法を護り生かす政治とするために、それぞれの持ち場で創意工夫を凝らし、共産党・社民党・9条ネットの前進のために、努力しなければならないと思います。

                                 2007.7.11
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   ささやかながら警鐘を鳴らしたのですが、残念なことに、この参議院選挙の結果は、マスメディアが誘導したとおりになってしまいました。
  とりわけ、護憲勢力の後退が残念でなりません。「改憲の危機」がより深まったのではないかと危惧しているところです。 

  マスメディアの威力のすごさを再認識させられました。その瑣末な一例ですが、比例区ではメディア上に登場した政党だけが、議席を獲得したということです。 

  候補者である田中康夫が党首として、メディア上に他党の党首と同等に登場していました。その結果、国会議員ゼロ・候補者3人という「新党日本」が、百数十万票を得たのです。それにひきかえ、マスメディアに取り上げられることのなかった、女性党(候補者12名)、9条ネット(同9名)、共生新党(同5名)、維新政党・新風(同3名)などとの得票数段差は歴然としています。 

  メディアにとって、政党要件などという理屈はあるのでしょうが、参議院選挙は確認団体方式であり、その要件を満たしている団体は公平に扱うべきではないでしょうか。

 次は、衆議院解散・総選挙
        
政権交代を誘導するのでは  

 
このたびの参議院選挙は、マスメディアの誘導どおりの結果となりました。
  さらに、引き続く世論誘導は、衆議院解散・総選挙、政権交代という方向に、誘導するのではないかと思われます。 
  それは、小泉政権の悪政のツケ、置き土産がいくつもあり、耐え難い「痛み」が襲い掛かり、国民の不満や怒りがさらに増幅するからです。 
  高齢者を例にとると、
☆ 2008年4月からは、75歳以上の後期高齢者医療制度の創設で負担増となり、また、70歳以上の前期高齢者の医療費が2割負担になります。
☆ そして、「17年税制改正」の経過措置・救済措置などが終了することによって、6月からは住民税や国保料がさらに大幅にアップします。
☆ さらに、同じ理由で、8月からは高齢者の医療費の負担割合とその限度額などが、増大することになります。
 
 高齢者を例に見てきましたが、このほかにも「ツケ」や「置き土産」が多々あります。そうしたことによる大衆の不満や怒りのはけ口として、「解散・総選挙」「政権交代」をマスメディアを動員して、誘導すると思われます。
  国会での与野党の攻防、政権交代をかけた総選挙などと、マスメディアはこれらを、大々的に報道し、国民の目をくぎ付けにするのではないでしょうか。そうした政治状況の激流に押し流されるように、護憲勢力がさらに後退させられる危険性があります。
  
  たとえ、政権交代によって、小泉政権の行き過ぎについて、多少の手直しがなされたとしても、小沢民主党は護憲政党ではありませんし、むしろ改憲政党というべきだと思います。小沢一郎の「普通の国」とは、「普通に戦争のできる国」という意味であることは、すでにご承知のとおりです。憲法9条・25条を護り生かすのではなく、名実ともにそれを破壊することによって、小沢一郎の言う「普通の国」になるのです。

  こうしたことから近々に、解散・総選挙が予測されます。共産党・社民党・9条ネットなど、護憲勢力の統一戦線作りが急がれます。そのための努力や発信を、ささやかながら続けていきたいと考えています。
                                   2007・8・4 harayosi-2


7 コメント

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同じ認識ですね (飯大蔵)
2007-08-05 00:40:42
お邪魔します。
同じ認識です。
小泉自民党に白紙委任した愚を、民主党白紙委任により繰り返してはなりません。
小選挙区導入時に二大政党制の企みはスタートしているはずで、自民党からでた小沢ははじめからこれを考えていたはずです。
一つTBしました。
二大政党制
http://iitaizou.at.webry.info/200606/article_26.html
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護憲統一戦線は急務 (信濃のアブマガ)
2007-08-06 16:02:03
非戦通信でこの問題の意見交換を拝読しましたので、双方の私の県下をお伝えさせていただきます。

    全野党と市民の共闘会議 信濃のアブマガ拝
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上記長野共産党有力者Mさんの統一戦線構想を批判する見解にたいして、下記のコメントをお届けしました。

 医療制度改革批判と社会保障と憲法さん、参議院選挙結果にマスメディアの影響があったのは確かですが、それを「誘導に沿ったもの」といってしまうのはあまりにも主権者を蔑ろにしたご意見ではないでしょうか。しかし「護憲勢力の統一戦線作り」には賛成です。
 理由は90年代初頭に始まった前後政治体制の崩壊(与野党ともに)が、小泉氏の自民党解体宣言をによって今日ゆきつくところまで来てしまったからです。現在の自民党は、ほぼシニタイです。しかしこれは革新勢力も同じではないでしょうか? この状況が目に見える形として現れたのが、今回の選挙結果だと思います。保革どちらも勢力も、緊急に新しい体制を構築しなければ、国民の支持を得る勢力にはなりえません。

 Mさん、共産党は、この国で単独に政権をとることができるという幻想から卒業すべきです。幻想に固執して過程を重視するあまり、共闘(統一戦線)の構築を怠り続けるなら、せっかくの「確かな野党」は、ますます人民の希望から乖離していくことになります。社民党はじめ他野党の出方や姿勢を待ち、個別に批判するのはそろそろやめましょう。寧ろ率先して統一政権の現実的な条件を提示し、譲るべきは譲り、主張すべきは主張して、連立の枠組みを作っていく積極的役割を貴党に担ってほしいですね。
 たとえば、民主党小沢氏の「生活をまもることがいちばん」のスローガンにしても、年金も、消費税も、累進課税も、基地問題も、日本国憲法が明示するこの国のあり方に照らせば答えは、一目瞭然です。小沢氏のスローガンをもっと先に進めて、生活を守るために憲法を活用する方向に進めていけるのは、貴党しかありません。
 「統一政権構想樹立は不可能」と不可能な理由を羅列するのではなく、「全野党と市民の共闘いがいに保守連立に対抗して人民政府を樹立する道はない」という覚悟で政局に取り組んでいただけることを、願ってやみません。
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Unknown (kotani)
2007-08-06 16:06:49
 おつれあいさま共々参議院選挙の取り組みご苦労様でした。今回の結果をふまえて、小沢民主は、衆議院解散総選挙に持ち込もうとするでしょう。9条を守ろうという大連合が必要ですね。
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信濃のアブマガさま (harayosi-2)
2007-08-06 22:44:35
 信濃のアブマガさま
コメントありがとうございます。
<上記長野共産党有力者Mさんの統一戦線構想を批判する見解>、ということですが、Mさんといわれる方をよくは存じ上あげません。
非戦つうしん「号外」なるもので、Mさんのコメント的なものが書かれたことを指しているのでしょうか。
社民党の言動に、わたしは責任を持つ立場にはありませんし、そんなことをあげつらっている状況ではないと思っています。
<「誘導に沿ったもの」といってしまうのはあまりにも主権者を蔑ろにしたご意見ではないでしょうか>というご指摘ですが、評論家的にものをいっているわけではなく、主体的にこの選挙にかかわってきたものの一人としての、悔しい思いを込めた実感です。
URLなどがわかりませんので、ここにコメントさせていただきました。
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しつれいしました (Harayosi-2さま)
2007-08-07 00:43:43
<非戦つうしん「号外」なるもので・・・>はい、そのとおりです。他党の足を掬うよりも、統一戦線構築に向かって前向きな提案をどんどん出していく時期がきたと思っています。
<「誘導に沿ったもの」・・・>状況とお気持ちをわからないままにたいへん失礼いたしました。マスメディアについては、これをかえようとしてもいまは不可能と判断しています。マスMに代わる私たち自身の情報網を作ることが先決だと以前より思っています。
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TB感謝です (dr.stonefly)
2007-08-07 15:06:27
TB&コメントありがとうございました。
記事の内容……「警鐘」はまさにその通りだと思います。
うーん、ブログというゆるやかな「運動体」についていま考えています。
現状のリアルな運動体と同じ徴候(方針の違い、方法論、些細な好みの違い等による分裂、対立化)がみえたりして笑えてます。もちろん苦笑ですが……。なんだかなぁ
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給料あげろ (佐藤一児)
2007-10-08 12:20:57
安倍の戦後レジーム発言に、戦後支配体制への挑戦
を、感じたので、彼は排除されました。
民主の、護憲は、戦後の日本を支配する米軍駐留に
対立しないので、よし、とされたのでしょう。

条件闘争は、許容範囲です。しかし、独占資本つまり、米国などの、国債金融資本と対立すれば、反民主のキャンペーンは、ボリュームいっぱいになります。

もっとも、小沢勢力などを取り込んだ、民主は、自民以上に、親米金融や、親米軍事の議員が、多いですね。

民主が政権取っても、米金融資本の設置した、日本勤労者低賃金酷使システムには、手も足も出ないでしょう。何故なら、民主には、親米間諜がうようよ居ますからネ。
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