書籍紹介「世界がキューバ医療を手本にするわけ」
世界がキューバ医療を手本にするわけ
著者 吉田太郎 定価:本体2000円+税 築地書館
ML仲間の長野のお医者さんから8月7日に、この本の紹介のメールが届きました。すぐさま、インターネット書店に予約注文し、1週間ほどで配達されてきました。(9月3日初版発行となっていますが)
早速、一読しました。すばらしく痛快なレポートで、社会主義国・キューバが頑張っていることが、嬉しくて嬉しくて、この本のことを「仲間の皆さん」に知らせたくなり、手当たり次第にメールを送りました。
再度、この本を読み返しています。
プロローグ
Ⅰ 群を抜くキューバの地域予防医療
Ⅱ 外貨の稼ぎ手~高度医療と医薬品
Ⅲ 代替医療と電子情報ネットワーク
Ⅳ 国境なき医師団
Ⅴ 持続可能な医療と福祉社会の仕組みづくり
エピローグ
250ページほどのボリュウムですが、一気に読みきることができる内容に、なっていると思います。
米国による長期にわたる理不尽な経済封鎖、そうした中での、ソ連邦の崩壊にともない貿易・援助が途絶えることにより、必要な食料・エネルギーの過半が不足するという未曾有の経済危機、そのスペシャル・ピリオドを乗り越え、危機を克服したことが、報告・リポートされています。
米国が推進するFTAA(米州自由貿易地域協定)に、対抗するALBA(ボリバル代替統合構想)は、ベネズエラのウゴ・チャベス、キューバのフィデル・カストロ、ボリビアのモボ・モラレスによる三国の政治・経済同盟に、さらに、この構想に賛同する国々が増えてきています。こうしたことに代表され、示されるように、ラテンアメリカ人民の連帯が進展しています。
キューバの医療援助や農業技術援助、ベネズエラからの安価の石油供給、こうした連帯・協力がラテンアメリカ・カリブ海域諸国に拡大しているのです。
反米・反グローバリズムの風が、ラテンアメリカから全世界に向けて吹いているようです。
著者の吉田太郎さんは、農政業務を担当されている方で、
「1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ」
スローライフ大国キューバ・リポート 築地書館 を著されています。
数度にわたるキューバ訪問で、農業問題だけではなく、どうしても、福祉医療についてもリポートしたくなったとのことです。
私は農業問題については、まったくの門外漢ですが、キューバ農業リポートも読んでみたくなりました。
2007.8.23 harayosi-2
日本でも8月25日から公開されるマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画「シッコ」が、米国で話題沸騰のようですね。日本語訳のマイケルのインタビュー記事を読みましたが、キューバに潜入取材して、キューバ医療の「平等性」の様子を伝えているようです。以下、シッコのホームページ<http://sicko.gyao.jp/>
中米に長らく滞在していた友人のジャーナリストによれば「中南米の多くは左翼政権で、米国に追随する国はごく少数だし、実は孤立しているのは米国の方。米国内においてもヒスパニックの政治・経済力は、今後の米国の行方を大きく左右するだろう」と言います。
マイケル・ムーアの「シッコ」をきっかけに、広く日本の医療制度について話題になることを期待しています。
日本も昔は保険の本人は治療費は無料でしたが、経済が発展してきた昨今は本人負担が3割となり、昔は無かった入院保険を保険会社が行っています。
発展したら国民の負担が増し国民の病気を金儲けの手段とした企業が政治家に献金している。
昨今は庶民不在の政治が行われている事を痛感しています。
格差の問題も政府に云わせればホームレスもアメリカの72万により少ない格差が少ないと国は嘯くでしょう。
戦争で経済を回している国はいずれ破綻するでしょうそれに追従する道を日本は迂回しなくては日本の未来は無いと思います。