期高齢者医療制度に大きな批判が集中し、担当大臣や首相までが「抜本的に見直す」と言い出した、あの大騒ぎを思い出してください。昨年のあの大騒ぎを受けて「与党プロジェクトチーム」で検討され、改善されたことは、年金収入が80万円以下の世帯の保険料(均等割)を、7割減額から9割減額とすることと、年金収入で153万円から211万円以下の住民税非課税世帯の保険料(所得割)を、半分程度に減額するということでした。そして、年金天引きについては、本人・配偶者・世帯主からの口座引き落としを、希望する場合は認めるというものでした。要するに、当面の軽減・救済制度に、低所得層への軽減策の追加と、口座引き落としを認めるという改善策を追加しただけでした。その後、引き続き制度見直しを検討していた、高齢者医療制度についての「与党プロジェクトチーム」は、当面の負担軽減・救済制度を、さらに1年延長することを決めただけで、抜本見直しを09年秋以降に先送りしました。また、厚生労働大臣が設置していた、「高齢者医療に関する検討会」は、見直しに関する議論を整理、各論を併記して意見をまとめないまま、09年3月に審議を終了しました。後期高齢者医療制度のもつ問題点は、なんら解決されず、抜本的な見直しというのは掛け声だけで、先送りされてしまっているのです。この制度創設の経過や、その問題点を再度確認し、あらためて、後期高齢者医療制度廃止の声を大きくしなければ、問題の解決は望めないという状況になっています。 . . . 本文を読む
この記事は、その都度発表した、下記4本の記事を整理したものです。
2008.04.10「長寿阻止医療制度」スタートhttp://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/484050b6270755d34e4f597dd874d297
2008.05.11後期高齢者医療制度を廃止させるためにhttp://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/09d8e07217a83813d8341cbc9acd76e7
2008.06.08保険料負担だけが、問題点ではない!http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/f611215837eb8bb8af4c946f9bfe25d8
2008.08.09マスメディアが報道したことだけが見直されたhttp://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/9a3c551ce9060efab3cc94dd47e4ce7c
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後期高齢者医療制度を廃止し、
老人医療無料制度を復活させよう!
福祉国家破壊の攻撃
1980年代に開始された、第2臨調・行政改革攻撃は、1、福祉国家の担い手である公務員に対する攻撃、2、国(公)営企業の民(私)営化攻撃、3、福祉施策の象徴である老人医療への攻撃、と整理することができます。
すなわち、この国の福祉国家政策を180度転換する、福祉国家を破壊するという路線であったといえます。
そして、マスメディアを臨調側に取り込み、デマ宣伝を展開しながら、大々的にかつ執拗に、この攻撃は展開されてきました。さらに、この路線は中曽根・橋本・小泉政権へと継承され、現在なおその攻撃が継続しているのです。
小泉の「自民党をぶっ壊す」というフレーズは、福祉国家を支えてきた古い自民党を破壊するということであり、グローバルに世界展開をする多国籍独占資本の利益のために、奉仕することができない自民党であれば、それを破壊するという決意表明でした。
そして、アメリカ政府の「日本政府に対する年次改革要望書」に盛り込まれている内容をそのまま、小泉構造改革・骨太の方針として強引に推し進めたのです。
構造改革も規制緩和も、郵政民営化も医療制度改革も、その「年次改革要望書」で毎年要求されていたことであり、アメリカを本拠地とする保険金融資本・化学製薬資本などの利権拡大・利潤増大のための改革でした。
それらは、直接的にはアメリカを本拠地とする多国籍独占資本の要求ですが、たとえ日本やどの国を本拠地としていたとしても、いずれの多国籍独占資本にとっても、共通の利権拡大・利潤増大につながるものでした。
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さらなる与党PTの見直しが、ようやく6月下旬に確定しました。
その内容は、①保険料の法定減額7割を、9割減額とする。今年は事務処理上、8割5分減額となる。②年金211万円以下の人は、その所得割を5割軽減する。③年金天引き(特別徴収)を、希望により口座振替(普通徴収)とすることを可能とする。という決定でした。
少し補足すれば、①年金天引きをストップさせるには、事務処理上10月分からとなることから、結果として8割5分減額となります。②211万円以下の控除対象配偶者などのある年金世帯は非課税で、大都市の国保料では所得割はゼロです。③所得のある配偶者や世帯主の口座からの振替も可能となり、社会保険料控除が受けられることとなります。
7月中旬に、後期高齢者医療の保険料決定通知が送付されていますが、この与党PTの見直しは、時間的な制約から反映していません。
したがって、変更となる①と②の軽減該当者には、再度8月中旬に決定通知を送付することとなります。また③の口座振替の希望者については、市区町村窓口で受付をしているところです。
そうしたことから、現在なお市区町村窓口では、問い合わせや来庁者が、引きも切らないという状況が続いているのです。
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後期高齢者医療制度の開始にあたって、政府与党は、昨年の参議院選挙の反省から、当面は「高齢者が負担増を実感しない」ように、減額減免や救済措置・経過措置などを講じてきました。
しかし、4月15日の年金天引き実施をうけてのマスメディアの報道は、高齢者の年金天引きへの反発や、低所得者への負担増というものでした。そして、その後もひきつづき保険料問題が取り上げられてきています。
そうしたことから、与党PTは、7割減額を85%減額とするなどの、さらなる低所得者への負担軽減策を発表し、さらに、希望者には年金天引きをやめて、世帯主や配偶者の口座振替に、また、本人の口座振替にも変更することが可能とする方向で、取りまとめがなされると伝えられています。
昨年の参議院選挙の大敗の原因は、小泉構造改革の結果としての負担増が、幾重にも高齢者に襲い掛かり、猛烈な痛みが実感されたことにあると、政府与党は認識しています。したがって、総選挙を控えていることから、さらなる救済措置・経過措置を上塗りしているのです。
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後期高齢者医療制度廃止を!
衆議院に後期高齢者医療制度の廃止法案が、全野党の共同で提出されていますが、審議されずに放置されています。そうしたことから、野党側は参議院に廃止法案を提出しようとしているところです。 また、社保協(社会保障推進協議会)、保団連(保険医団体連合会)などが、国会への制度廃止の請願署名運動を展開しています。 しかし、衆議院の勢力関係などから、今国会で制度の廃止までこぎつけるには、大変な困難があると思われます。
したがって、こうした運動に加えて、全国の広域連合議会に対して、地方自治法99条の規定に基づく、「制度廃止の意見書」を政府と国会に提出を求める署名運動を展開すべきだと考えます。
また、すでに全国の3分の1の地方自治体議会が、見直しや凍結を求める意見書を提出していますが、これをさらに進展させ、すべての地方自治体議会から、「制度廃止の意見書」の提出を求める署名運動などを、展開することが必要だと思います。
そうした全国的な運動、大衆的な運動を展開することによって、制度廃止への展望が開けてくるのではないでしょうか。 . . . 本文を読む
老人保健法が廃止され、高齢者医療確保法に代わり、2008年4月1日から、この法に基づく後期高齢者医療制度がスタートしました。
小泉政権の「置き土産である」すさまじい負担増が、高齢者・国民に実感されるという事態により、昨年の参議院選挙では自民党が大敗を喫しました。
こうしたことから、政府・与党プロジェクトチームで制度の「凍結」「見直し」が協議されていました。その結果は、総選挙対策としての「一時しのぎ」としか言いようのない「姑息な手立て」がとられることとなりました。
そうした経過から、厚生労働省の方針が固まらず、全国の広域連合は準備の遅れにやきもきしていました。そうした実情は公務員叩きに物申す!-現職公務員の妄言http://genshoku.blog69.fc2.com/で詳しく紹介されています。
そして、制度開始ギリギリになって、広報に力を入れよとのお達しを下しても、時間的にも体勢的にも無理がありました。
このような状況でのスタートですから、当該の高齢者はもとより、広域連合をはじめとする各保険者、市区町村窓口、医療機関など、混乱と困難をともなうものとなりました。
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老人保健法から高齢者医療確保法へ
2008年4月1日から、高齢者医療確保法に基づく後期高齢者医療制度がスタートします。1982年制定、1983年施行の老人保健法は、その「役割」を終え廃止されます。そして、その「役割」は高齢者医療確保法に引き継がれることになります。 中曽根第二臨調・行政改革攻撃の中で、民(私)営化攻撃、公務員攻撃、老人攻撃が展開され、その老人(医療)攻撃のキャンペーン・デマ宣伝を背景に、この老人保健法が制定されたのです。 この法で企図されていた改革=改悪は、老人医療無料化を潰し、老人医療制度を改革=改悪し、そのことを梃子に公費医療・福祉医療、さらには医療制度全般に波及させ、改革=改悪することが予定されていました。そして、そうした改革=改悪を断行することにより、国の財政負担を軽減・削減することが企図されていたのです。 老人保健法25年のなかで、この法で予定されていた改革=改悪を完了したことにより、さらなる改革=改悪をすすめるため、新たに高齢者医療確保法が用意され、その「役割」が引き継がれることとなったのです。 . . . 本文を読む
後期高齢者医療制度批判
とあるローカルの機関紙から、後期高齢者医療制度についての原稿依頼がありました。紙面の都合から、1800字程度にとのこと、先の原稿を削りに削って、1900字程度の原稿にまとめました。後期高齢者医療制度について、ほとんど、マスメディアからの報道がなされていないことから、短い記事でも必要だと思い、ここにもエントリーしておくこととしました . . . 本文を読む
今月早々に、とある「月刊誌」と「季刊誌」から原稿依頼を受けました。期せずしてどちらも、「後期高齢者医療制度の創設」に関連して、この間の「医療制度改革」についての原稿依頼です。どちらも、新年号の企画のようです。
しかし、後期高齢者医療について、「見直し」・「凍結」などの発言が、政権与党幹部からなされ、さまざまな議論がなされているようで、結論は10月末とされています。その内容は、総選挙目当ての一時しのぎに過ぎないと解っていますが、現在時点では一応未確定の状況です。
それぞれの原稿の締め切りは、まだまだ先のことですが、現段階で整理できることはしました。後は茶番劇の結果を待つだけです。
したがって、与党PTの結論と野党の対応などを、見極めての原稿にしなければなりませんが、だいたい想像できる範疇で収まると思います。
そうしたことですから、かつてエントリーしている記事
弱肉強食資本主義への回帰は、老人(医療)攻撃から始まった
http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/1e71c7d39a32b1be98850c4ae70d0feaを、ベースにした現在時点の「草稿」をエントリーしておきます。
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2008年4月からスタートする新高齢者医療制度について、福田自民党新総裁の政権公約に「高齢者医療費負担増の凍結を検討し、医師不足解消のための抜本的措置を講ずる」があります。また、公明党北側幹事長は「自民党の新しい総裁とは、参議院選挙の結果を踏まえて、しっかりと政策協議を行うことにしている。高齢者医療制度については見直しが必要だ」と述べています。
福田氏の言う負担増の凍結は、「70歳以上の高齢者の1割負担を2割にすることの凍結を検討」であると思われます。そして、北側氏の言う見直しは「後期高齢者医療制度を凍結も含め見直し」と発言しています。
自公政権で強行成立させておきながら、なにをいまさらという感がありますが、ともかく見直し・凍結の発言があります。
舛添厚労大臣が記者会見でこの問題について言及しています。舛添氏の発言は要領を得ないものですが、こうしたことから、新高齢者医療制度が話題になっています。 . . . 本文を読む
後期高齢者医療保険
後期高齢者医療制度の創設のための準備が進められています。
6月14日成立の「医療制度破壊法」に沿って、新高齢者医療の創設に向けて、平成20年(2008年)4月創設をめざし、着々と準備がすすめられています。 その新高齢者医療の診療報酬についても検討が開始されています。10月5日に「社会保障審議会の特別部会」第1回目の会合が開催され、今年度末の19年3月には「後期高齢者の . . . 本文を読む