医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

2009年を「憲法を生かす年に」したいものです

2009年01月04日 | 憲法

 

2009年を「憲法を生かす年に」したいものです  

憲法が生かされているのか

 08年暮れに、「派遣切り」が大きく報道され、職場を失うと同時に、住居まで奪われるという、悲惨この上ない状況が、伝えられていました。
 これが、基本的人権・生存権・労働権などを保障した日本国憲法を持つ国の現状なのかと、目を耳を疑いたくなります。 
 福祉国家破壊の小泉政権下の政策、その置き土産が、国民(People=人民=民衆=市民)の生活を破壊し続けています。
 中曽根政権から続いている新自由主義という、福祉国家破壊の攻撃が、橋本政権を経て、小泉政権のもとなりふり構わぬ、露骨で情け容赦のない、苛斂誅求の政治として強行されてきているのです。 
 安倍、福田、麻生と首相は変わっていますが、小泉政権下の憲法違反の諸政策は継続され、さらに、その置き土産ともいえる悪辣な政策が本性をあらわにし、国民に襲い掛かっているのが現状だといえます。 
 国民の居住権保障のために、公営住宅を大量に建設し、勤労の権利保障のために、公共職業安定所で、失業者には職のあっせんをし、失業対策事業を展開してきたのは、そんなに昔の話ではありません。
 国民の住居を確保し、勤労の権利を保障する、憲法の要請に基づく当たり前の政策です。この当たり前のことが、当たり前でなくされてきたのが、中曽根政権以来のマスメディアを権力側に取り込み、福祉国家破壊の新自由主義キャンペーンを、長期かつ執拗に展開してきた、悲しいかな、そのデマ宣伝に惑わされた結果だといえます。

 憲法違反の法律を大量生産

  労働者派遣法は、労働者を人として尊重するのではなく、部品と同様に物として扱う、後期高齢者医療制度は、高齢者を年齢で差別する制度であり、憲法の要請に反しています。
 これらと同様に小泉政権のもとで作られた、憲法違反の法律が数多くあります。
 医療制度改革関連法案は、2002年7月と、2006年6月の2度にわたって、それぞれの国会の会期末に審議らしい審議もなく、一括強行成立させられました。その2度にわたる医療制度改革関連法案は、それぞれ20本ほどの法律が束にされていたのです。
 マスメディアでは、ごく一部分のことを報じるだけで、それらの法律の名前すら報道されないものがほとんどでした。
 一例ですが、2002年の法案の中に、「健康増進法」があり、1年後に喫煙にかかわる法律として、公共の場などでの喫煙が制限されることとなりました。しかし、この法律は喫煙制限だけのための法律ではなく、最近のメタボ検診の根拠でもあります。「健康を守るのは国民の義務」としているのが眼目です。
 憲法25条では、「国は公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、「国家の責務」とされているものが、この法では、まったく逆の「国民の義務」とされているところに、最大の問題点があります。

憲法違反の法が、本性をあらわにして

  2002年と2006年と、2度の改革関連法案にかかわる制度として、後期高齢者医療制度が、2008年4月にスタートしたことは、すでにご承知のとおりです。
 同様にDPC(入院費包括払い)対象病院が、2009年4月には全国の9000病院中1400病院となり、91万床の一般病床のうち46万床、約50%が包括払いになることが予定されています。
 このDPC(入院費包括払い)とは、診断群分類包括評価という名称で、2003年4月からいくつかの大学病院などでスタートし、入院費・検査・治療・薬剤などが一括りにされ、病気の種類によって報酬が包括的に決められ、入院日数によって逓減していくという仕組みです。
 詳しく説明すればあまりにも複雑すぎるので、簡単にいえば、現在の一般病床では、基本の入院費が2週間を超えれば、1月を超えれば、3月を超えればと、大幅に逓減する仕組みにされていますが、検査・治療・薬剤などは、出来高払いとして報酬が支払われます。
 しかし、このDPC(入院費包括払い)では、そうした治療のための費用も入院費も一括りにして、逓減されるという仕組みです。
 ある病気を例にすれば、(短期の病気)1~3日目2654点、4~7日目2048点、8~16日目1741点とされており、(長期の病気)30日まで2237点、59日まで1654点、122日まで1406点とされています。
 病院にとっては、行う医療行為が少なければ少ないほど、退院させるのが早ければ早いほど利益が上がるという仕組みです。
 厚生労働省は、この制度で医療費を抑制しようとしているのですが、すでに導入されている大学病院での結果からも、医療機関に過大な負担と減収、患者には早期退院が迫られるというように、決して良い結果とはなっていないにもかかわらず、半数以上の一般病床に適用しようとしているのです。

2009年を反転攻勢、憲法を生かす年に

 こうした小泉政権下で進められてきた、憲法違反の福祉切り捨て政策、情け容赦なく弱者を切り捨ててゆく政治に、ごく少数の富裕者を除き、中間層を貧困層に没落させる政治に、歯止めはかかっていません。
 何としてもこれに歯止めをかけ、反転して攻勢に転じ、憲法を生かす政治へと、大きく方向を変えなければならないと考えます。
 2009年を何としても、「憲法を生かす政治」を実現する年にしたいものです。そのために、今年もボチボチではありますが発信を続けたいと思っています。

                                                                     2009・01・04 harayosi-2

 


1 コメント

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ボチボチはいいね (飯大蔵)
2009-01-04 21:10:01
お邪魔します。
今年は政治的にも大事な年でしょうね。
ボチボチいきましょか。
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