医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

健康保険証 個人カード化 二次元コード

2006年12月29日 | 医療制度
健康保険証 個人カード化 二次元コード

  後期高齢者医療保険証にQRコード、という記事を書きましたが、それは、厚生労働省主催の都道府県担当者会議で、正式に発表されたからであって、すべての健康保険証を個人カード化し、QRコードの印刷を義務付けることは、厚労省既定の方針として、すでに決定されており、着々と準備は進められています。
  そして、レセプト電子化の義務づけから、さらに進めてオンライン化も検討されています。また、その健康保険証にICチップを埋め込むことや、社会保障全体をカバーするICカードを創設することなども検討されています。個人カード化には、将来に向けての、さまざまな企図が盛り込まれているのです。
 これらもまた、再三にわたって指摘しているように、現在進行形の医療制度改革とは、「非営利原則の医療」を、医療そのもの、医療保険、医療関連業務を、営利の対象にするために、医療制度を改悪しつづけているのです。
 健康保険証の個人カード化と、QRコードの印刷の義務づけ、これだけでも大きなビジネスチャンスが、生まれたのです。たとえば、QRコードというのは、経済財政諮問会議の民間議員を務めていたトヨタ会長、そのトヨタの子会社であるデンソーが開発したものではなかったでしょうか。
 1億を超えるすべての健康保険の被保険者、その健康保険証の個人カード化、それにQRコードの印刷をすることになります。そして、当然のこととして、すべての医療機関が、そのQRコードを読み取り、レセプト作成に反映させるための機器を導入しなければなりません。
 保険者・医療機関に大きな負担となりますが、このことによって、それぞれの収入が増えるわけではありません。むしろ、いま検討されているのは、いまだに手書きレセプトで請求している医療機関(高齢の医師が高齢者を対象に診療を続けている)に、ペナルティを課そうとしているのです。
 これらが、医療制度改革の実態であり、その企図するところであり、その本質だと言わざるを得ません。

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