『赤目四十八瀧心中未遂』『ちょんまげのひみつ』

『赤目四十八瀧心中未遂』　車谷長吉　文藝春秋
　直木賞受賞作。アパートの一室で、「私」は来る日も来る日も、モツを串に刺し続けた。尼ヶ崎のはずれにある、吹き溜まりの町。向いの部屋に住む女「アヤちゃん」の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」―ー。二人の逃避行が始まる。
　閉塞感やどうしようもなさは感じられるが･･･。なんだろう、私が女だからだろうか。男たちは、人のいい「アヤちゃん」に甘えすぎ。やさしい「アヤちゃん」を食い物にしすぎ。男たちをぶった切って、自由になれよ！「アヤちゃん」　と思ってしまった。

『江戸の子ども　ちょんまげのひみつ』　菊地ひと美　偕成社
　時代劇などでよく見かけるかみ型「ちょんまげ」。江戸時代では、ちょんまげ姿になることは、大人のあかしでもあった。子どもたちのかみ型も、将来のちょんまげにむかって少しずつ変わっていく。生まれてからちょんまげまでをおいかけてみる。
　ちょんまげの結い方、ちょんまげのできた理由、年齢による髪型の違いなどちょんまげのことがよくわかる絵本。おもしろい。