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ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『カフネ』『星の教室』『国宝』『瓢箪から人生』『ルポ 低賃金』

2025-07-20 11:07:12 | 
『カフネ』 阿倍暁子 講談社 
 法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。 
 本屋大賞。
 冒頭から心をつかまれる。そして、終盤に皆から愛されていたと思っていた弟の苦悩や実像を知り、あっと驚く。
 カフネの訪問先では、現代社会の縮図というか いろいろな家庭の問題がでてくる。そこに寄り添うカフネの存在がいい。カフネという言葉-ポルトガル語で優しく髪を撫ぜるがいいじゃないですか!

『星の教室』 高田郁 角川春樹事務所
 主人公の潤間さやかは、中学でいじめにあい、中学の卒業証書を受け取っていない。義務教育さえまともに終えていないという枷が、社会でも家庭内でも、さやかを生き辛くさせていた。しかし、ある日、さやかは夜間中学という存在を知る。それは、戦争や貧しさや病など、さまざまな事情で義務教育を終えられなかった大人たちの集う学校だった。二十歳の春、さやかは河堀夜間中学への入学を果たす。仲間たちに支えられて過ごす日々が、学校や親への不信で雁字搦めだったさやかの心を解きほぐしていく。
 よきよき。上半期で一番のおススメ。あたたかで優しい。
 学んだことは誰にも奪えないと言う言葉がいい。「さやか」の名前を「さわやか、やさしい、かしこい」と外国人の友達が言うのもいい。(自分の名前も肯定的で奇麗な言葉で分解しようとを探したが、上手くできなかった)呪いの言葉を願いの言葉に変換するのもいい。

『国宝』 吉田修一 朝日新聞出版
 1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 
 文庫で上下巻、映画に行くので二日で読む。おもしろくて読むことができた。作者が三年間、黒衣を着て鴈治郎さんについて身近に見ただけある。
 名跡を襲名するのに俊介ではなく、血のつながっていない喜久雄が継ぐ。そのことで先代が亡くなるといじめにあう。喜久雄は、育ててもらった恩や失踪した俊介を思い、家の膨大な借金を背負う。後ろ盾を求めて、有名歌舞伎役者の娘に手を出し。とにかく喜久雄の波乱万丈、壮大すぎる一代記。

『瓢箪から人生』 夏井いつき 小学館
 大人気番組『プレバト!!』の誕生秘話、師匠・黒田杏子さんとの出会い、父親の思い出、夢枕獏さんとの意外な交流……夏井いつきさんがこれまで出会った忘れ得ぬ人たちを綴った全45編のエッセイを収録。 
 夏井先生の俳句にかける波乱万丈の人生をえがいたエッセイ。先生の優しくあたたかな人柄がにじみでている。以前、xでこの本が朝ドラになるんじゃないかとつぶやいていたが、まさしくと思う。

『ルポ 低賃金』 東海林晋 地平社
 なぜ普通に働いても普通に暮らせないのか。 非正規労働者、漂流を余儀なくされる若者たち。シングルマザーや農民、個人請負の宅配ドライバー……。働く人々の現場から低賃金の国・ニッポンのありように迫り、非正規労働を急増させた財界の戦略を検証する。 
 普通に働いて普通に暮らせないなんておかしい。もはや自己責任ではないと思う。政治がなんとかしないと。
 そして、働くには住所も大切だが、スマホと身分証明書も大切だなと思った。
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