法律の周辺

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判決直前の訴え棄却について

2006-05-26 16:07:37 | Weblog
asahi.com 訴状提出「時効を1日過ぎていた」 判決直前,訴え棄却

 どんなコンメンタールにも,は言い過ぎかもしれないが,概略,「民法153条の6カ月の期間は催告が相手方に到達した時から開始する」というのは通常見かける記述である。
「女性側の弁護士は「こちらもだが,裁判所も判決を書く過程で,ようやく気付いたのだろう」と話している。」は,まるで他人事のよう。ちょっとひど過ぎる。
詳細は分からないが,専門家責任(民法第644条,同415条参照)を問われても仕方がないケースのような気もするが・・・。

なお,人的資源も物的資源も有限。開廷に伴う国費のことなどを考えると,裁判所もちょっと情けない。


民法の関連条文

(催告)
第百五十三条  催告は,六箇月以内に,裁判上の請求,支払督促の申立て,和解の申立て,民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て,破産手続参加,再生手続参加,更生手続参加,差押え,仮差押え又は仮処分をしなければ,時効の中断の効力を生じない。

(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条  債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは,債権者は,これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも,同様とする。

(損害賠償の範囲)
第四百十六条  債務の不履行に対する損害賠償の請求は,これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2  特別の事情によって生じた損害であっても,当事者がその事情を予見し,又は予見することができたときは,債権者は,その賠償を請求することができる。

(受任者の注意義務)
第六百四十四条  受任者は,委任の本旨に従い,善良な管理者の注意をもって,委任事務を処理する義務を負う。

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