法律の周辺

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『ローマの休日』の廉価版について

2006-05-25 20:18:00 | Weblog
「ローマの休日」廉価版に“待った”著作権延長を主張 YOMIURI ONLINE

 『ローマの休日』が附則第2条の「この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している映画の著作物」に該当するか否かの問題。
パラマウント社は,保護期間の終了(03年12月31日)と改正法の施行(04年1月1日)の連続性(12月31日24時=翌年1月1日0時)を理由に保護期間の20年延長を主張する。
保護期間の計算方法(著作権法第57条参照)からすれば,『ローマの休日』がレア・ケースにあたるわけでは全然ない。東京地裁の判断,要注目である。

因みに,「映画「ローマの休日」など2本の映画」のもう1本は,日経によれば『第17捕虜収容所』のよう。ウィリアム・ホールデンのほか,後に『スパイ大作戦』で有名になったピーター・グレイヴスが重要な役で出ていた (^^) 。

文化庁HP 著作権なるほど質問箱 映画の著作物の保護期間


著作権法の関連条文

(映画の著作物の保護期間)
第五十四条  映画の著作物の著作権は,その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは,その創作後七十年)を経過するまでの間,存続する。
2  映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは,当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は,当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
3  前二条の規定は,映画の著作物の著作権については,適用しない。

(保護期間の計算方法)
第五十七条  第五十一条第二項,第五十二条第一項,第五十三条第一項又は第五十四条第一項の場合において,著作者の死後五十年,著作物の公表後五十年若しくは創作後五十年又は著作物の公表後七十年若しくは創作後七十年の期間の終期を計算するときは,著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。

附則(平成一五年六月一八日法律第八五号)

(施行期日)
第一条  この法律は,平成十六年一月一日から施行する。

(映画の著作物の保護期間についての経過措置)
第二条  改正後の著作権法(次条において「新法」という。)第五十四条第一項の規定は,この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存する映画の著作物について適用し,この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している映画の著作物については,なお従前の例による。

第三条  著作権法の施行前に創作された映画の著作物であって,同法附則第七条の規定によりなお従前の例によることとされるものの著作権の存続期間は,旧著作権法(明治三十二年法律第三十九号)による著作権の存続期間の満了する日が新法第五十四条第一項の規定による期間の満了する日後の日であるときは,同項の規定にかかわらず,旧著作権法による著作権の存続期間の満了する日までの間とする。

(罰則についての経過措置)
第四条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については,なお従前の例による。

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