つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

忘れえぬワンシーン

2007-07-21 06:03:46 | ちょっとした出来事
最近ふ…と、ここのとこ映画らしい映画を観てないなあと思った。
映画らしい映画とは印象に残るワンシーンを持ってる映画の
ことなのだ。

例えば、あの「シェーン」のラストシーン。「シェーン!」と
少年が去って行く主人公の背に呼びかける。「シェーン!」と
幾度も呼びかける声が荒野にこだましつつ映画は終わる。

名曲で有名な「禁じられた遊び」では、5歳の少女ポーレットが見失った
少年ミッシェルを「ミッシェル!」「ミッシェル!」と捜すシーン。

名曲といえばあの「太陽がいっぱい」のラストシーンもサスペンスものの
原型となったようなシーンだった。完全犯罪が成立したと信じて浜辺で
くつろぐアラン・ドロンのそばで船がひきあげられてくる。そこへ
名曲にのって犯罪を証明する物証がじょじょに姿をあらわしてくるのだ。
安心しきったようなドロンの顔が印象的だった。

きわめつきはこのシーンだけでいい映画になってしまったような
「さらば友よ」のラストシーン。これにもドロンが登場している。
ブロンソンが捕まって手錠をかけられている。そのまま警察に
連行されてビルの出口に向かうとそこに共犯のアランドロンが立っている。

二人の関係を警察は知らない。そこでブロンソンが煙草を吸おうと
した時、ドロンが「シュッ」とマッチをスッて差し出す。
やおら立ち止まったブロンソンが手錠の掛かった両手で煙草の火を囲うようにして
ゆっくり吸い、ドロンを見ようともせず知らん顔して去って行く。

このシーンはしびれた。男の友情を無言で表現した最高傑作のシーンだと思う。
これで完全にドロンを食ってしまったチャールス・ブロンソン人気は弾けたのだ。
またそのブロンソンの背に向かって彼の口癖だった「イエーッ!」という
掛け声をドロンがかけて終わるラストシーンも見事だった。

ああ…こんな映画を長い間観てないような気がする。
観たいねえ…





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