つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

一輪の雄姿

2013-08-05 09:02:31 | ちょっとした出来事

頃は花金のPM6時ごろ…。

 

久々に、友人F氏と飲もうと約束の地へ向かうべく、

電車待ちをしていたときだった。

 

ホームで何気なく線路上を見ていると、

上り電車と下り電車が行き交う線路の間に

一輪の花が咲いていた。

 

花の名前はわからなかったが、ヒメジョウオンの

ような、白っぽく小さな花で、葉っぱを4~5枚付け、

30センチ弱程の高さで、ひっそり咲いていた。

 

「あ~あ、あんなところに…」と驚いて見つめた。

 

もちろん、コンクリートやアスファルトの

ヒビの隙間から花が咲いているのを

見たことはある。

 

しかし、その場所はあまりにも過酷では

ないかと思ったのだ。

 

上下の電車が、すぐそばをのべつ行き交うので、

その騒音、振動をまともに受けなければならない。

 

見ていると、風圧で行き交いの度に揺れている。

 

これが、1日に何度繰り返されるのだろう…。

 

しかも、周りには雑草すら無くて、ポツリと

一輪だけ咲いているのだ。

 

騒音、振動に加え、孤独の三重苦のストレス地獄である。

 

正直、自分だったらとても…と、しみじみ思ってしまった

 

「なんという強さだ…。」

 

真夏のゆうべに見た一輪の名もわからなき

花は、飄然と立つ雄姿に見えた。


電車が来て乗った後も、その雄姿は

我が胸中に咲いたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする